ヒロイン?
――あれ何をしてたんだっけ。
そう思いながら目を覚ました。
思う道理に体が動かない。
う~ん・・・。
これからどうしようか。
しばらくいろいろ考える。
とりあえず手をグーパーグパーしてみた。
あれ?
これって赤ん坊の手・・・?
「おぎゃぁぁぁああああ!!」
そういって僕は泣いた。
いや、驚いて声を出したつもりなんだけど結果としては泣いた。
鳴き声をあげたから女の人がやってきて僕を抱きかかえあやしてくれる。
どうやら僕は転生してしまったらしい。
どうやっても自分が赤ん坊という事を認識させられる。
お腹がすいたので泣いてみる。
「おぎゃああああああ!!」
おっぱいをくれる。
ある時は暇なので泣いてみる。
「おぎゃああああああ!!」
あの女の人、おそらく母親が構ってくれる。
うんこを漏らしたので泣く。
「おんぎゃああああああああああ!!!!」
おしめを変えてくれる。
ただ・・・。なんか自分じゃ何もできないのって悲しいよね。
まあ、赤ん坊だから仕方ないか。
そう思いまた泣いた。
今後はおしっこを漏らしてしまったからだ。
それから数年がたった時。僕は5歳になっていた。
その間にこの世界のことを色々知った。
まずは自分の名前。テリー・ホーンという。
僕の母、マザー・ホーンが付けてくれた名前だ。
父もいて父はファザー・ホーンという。
後は兄にライ・ホーンがいる。
兄は僕より2歳上で7歳だ。
これが家族構成。
僕の家は先祖代々傭兵をしているらしく父は僕たちが傭兵になるように色々指導してくれる。
後は魔力とかが存在し、それを使って魔法とか道具に魔力を付属したりして色々できるらしい。
魔法とか使ってみたい!と言ったらまだ早いって言われたので今は何も使えないが。
そんなものか。
あとはここは村ということくらいか。
「ライ!テリー!そろそろ訓練始めるぞー!」
父の声だ。
僕は日課の筋トレをやめ庭に出る。
対してきつくないからやる必要ないんだけどなぁ・・・。
「まずは剣の素振りだ。ほら。」
そういって木剣を渡される。
兄はまじめな性格できちんと剣を振っているが・・・。
うん。圧倒的に僕の剣のほうが早いんだよなぁ。
父から強いほうが家業(傭兵)を継げると聞かされていたのでそんなのになりたくない僕は手を抜いて剣を振る。
「・・・はっ!・・・はっ!」
剣の太刀筋は兄より遅く、重心をぶらしながら。
「よし!そこまでだ。次はあの山を走るぞ。ついてこい!」
「「はい!」」
そういい僕らは木剣を置き父について山の中に入る。
1時間くらい走った後は兄と打ち込み稽古。
父がいいと言うまでひたすら剣を兄に振るわなければいけない。
少しでも手を休めたらダメ。剣を受けてしまったらダメ。
これが本当にしんどい。
何がしんどいって兄より弱い振りをしながら打ち込むのが気を物凄く使う。
こんなことやってる暇あれば魔力の使い方を教えるか個人でトレーニングさせてほしいなぁ。
そんなことを思いながら剣を振っていると父から止めの合図が入る。
「今日はここまでだ!晩飯まで自由にしてていいぞ!子供は遊んで来い!」
「「はい!」」
僕らはそう返事して解散になった。
ふぅ・・・。
よし。誰にも見られてないな。
辺りを確認してから一人で鍛錬を積む。
お腹がすいたら周りの動物を狩りながら。
今着てる場所は僕が住んでいる村から少し離れた森だ。
盗賊の小屋で体を鍛える。
始めここを見つけたとき、おやおや。坊やどうしてここに?迷子かな?って小汚い男が喋りかけてきたので散歩と答えたら中に案内された。
そのあとは縄で縛られた。
奴隷商人にうりとばしてやるぜぇぇぇ!!とかぬかしやがったので足で盗賊のナイフを奪ってそいつをぶった切った。
そいつは物凄く驚いた表情でこの化け物が・・・とか言って死んだ行ったけどそれは君の鍛えなかっただけだよね。
まぁいいや。そんな訳からここの小屋を僕の鍛錬の場所として活用している。
なんか大きな斧もあるし、金貨の山もあってトレーニング器具もそろってるし。
まずは腕立て伏せ。
この小屋にある金貨の山を頑張って背中に乗せて・・・。
うん。重い。
今の筋力的にはちょうどいい重さだ。
とりあえず1000回してから次のトレーニングに行くか。
日も落ちてきて晩飯ができそうな頃合いを考えて家に帰る。
そんな生活をもう数年。
僕は10歳になっていた。
この間に成長したことといえば魔力、魔法を覚えた。
これがすごい力で基本的には何でもできる。
火を起こしたり水を出したり電気を出したり風を起こしたり土を作ったり今持ってる木剣に魔力を通して固めたりすることも出来た。
言葉にするには簡単だけど、実際にそれらをやるとなると本当に難しい。
まず魔力を出します。
次に自分の創造に沿って魔力を練ります。
そうして火や水を作り出す。
これにはコツがつかむまで時間がかかった。
家の兄のライはセンスがいいらしく教わってすぐて来ていたが僕は出来なかった。
そして励ますように,――テリーは出来なくても大丈夫だよ。そんなこと出来なくても僕が守ってあげるからね☆(キラッ)
僕は大人なので少しも悔しくなかったしどうでもいいと思った。
けど魔法は必要になるかなぁーと思って文字道理陰で血を吐くほど練習した。別に他意はないけど。
まぁその結果として魔力操作の制度はおそらく村一番どころか圧倒的に上手くなっていった。
僕の夢は強くなることなのでもうこの村にいても意味がないから父に村を抜けて街に行きたいっと言ってみた。
「そうかそうか。テリーももうそんな時期か。でもな?10歳で旅をするのはまだ早いと思うぞ?せめて後2年待って12歳になってからでも遅くない。」
むぅ。ダメと言われた。
家業を引き継ぎたいので修行の旅に出ます・・・。いや。傭兵とかしたくないからこの言い訳はなしだな。
他にもっといい言い訳はないものか。
そんなことを考えながら皆が寝静まったとき日課の盗賊狩りに出かける。
やっぱり鍛えるだけではなく実践も必要だよね。
そんなことを思いながら村から少し離れた森を探索する。
そんな中一つの明かりを見つける。
近寄ってみるとどうやら当たりのようだ。大柄の男が2人いる。
そいつらはどこかの集落を襲った後だろうか。
色々な高価そうなものを拠点であろう小屋の前に乱雑に置かれていた。
そんなことはどうでもいい。
僕は人と戦いに来たのだ。
試合をしに来たと言っていい。
まずは簡単な挨拶から。
「しねぇぇぇぇぇえええ!!」
そう叫びながら魔力で作った大きな釘みたいなのを作る。
そうして一人の男の喉にねじ込む。
いやぁ。ほんと魔力って便利だね。こうやって実体化させて固めたら武器になっちゃうんだもん。
しかもその魔力で作った武器を体に溶かしこめば魔力はほとんど消費したことにならないし何より証拠隠滅にもなる!
「な・・・。誰だお前は!何故我々の場所が分かった!!」
そう言って男は剣を抜いた。
けどそこには僕はいない。
「遅いよ。」
そう言って男の背後から魔力でコーティングした手刀で首を切る。
「・・・いつのまに背後・・・に・・・。」
そう言って盗賊は倒れた。
あとは戦利品を回収するだけだな。
俺はそう思い小屋の前に散らばった数々の財宝を見ていく。
一部盗賊の血液が付いているが気にしない。
洗えばいいことだ。
結果からして特にいいものはなかった。
強そうな小刀を見つけたのでそれをもらっていく事に。
金貨も10枚くらい持っていこう。
ほんとはもっと持っていきたいんだけどそれ以上は家族にばれる。
後は小屋の中を見て終わりだな。
そう思って扉を開けたら手足を縛られた少女がいた。
耳が長いからエルフかな。そう思って起こしてみた。
「ひっ!」
なんか怯えられた。
まぁ服に返り血が付いているので当然か。
とりあえず縄をさっきの小刀で切って助けてあげる。
少女はきょとんとした目でこっちを見てきた。
どうしたんだろう。
もう自由の身なのにこっから出たらいいのに。
まぁ僕はそんなことお構いなしに小屋を探索する。
なんか地図みたいなのを手に入れた。
これだけ貰っていくか。
地図をベルトにさして小屋を出ようとする。
「まって!」
「何かな?」
「・・・!あ、あの・・・。私の村盗賊に滅ぼされて行く当てがないんです!しばらくご一緒させてもらえませんか!?」
「断る」
僕はそう言い残しすたすた家の方角に向かって歩いていく。
「まってくださいよ!な、何でもしますから!雑用でも肩もみでも!・・・っちょ!待ってくださいってばぁ!」
そのまま家に帰って軽く仮眠してから夜が明けた。
「ライ、テリー昨日のうちにこの村にエルフが侵入したらしい。」
朝家族一緒に朝食をとっていると父がそんな話をした。
「へー珍しいこともあるもんだね。」
ライがスープを飲みながら答える。
「だね。」
僕はパンをかじりながら答える。
「で。そのエルフが言うには少年をさがしているということだ。」
「ふーん。エルフにかかわりある人とかいるのか。」
と次はスープを飲みながら答えた。
危ない。
喉にパンがひかっかて死ぬとこだった。
「ということでお前ら少し来い。」
僕らは父に着いていく。
案内されたのは村の軽い収容所
「あ!昨日の人だ!」
そう言って僕を見たエルフはぐるぐる巻きにされていた。
まぁ、勝手に村に忍び込んだから妥当か。
て。思い出した。これ昨日助けたやつか。