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林業手伝い

林業が100兆円規模の産業になると言ってた偉い学者さんが昔いました。

この時林業を志す若者を助ける名目で、自衛隊員が盛大に間伐材を伐り出していたが儲かった。

儲けは林業組合「ブラックシスターズ」(黒姉妹)の物になるが、税収も上がるだろうから、やる気の出る商売であり、自衛隊の目的は本来こうあるべきだと、外様は考えている。

「外様総理。自衛隊を称揚に使わんでください。憲法違反になる恐れがあるいますよ。わかってますか?」

「自衛隊をこのような任務に使い、万一大災害が起きたらどうする心算なんですか?」

野党が文句を言うので一応小波の会の幹部に野党対策をするように命じておいたが心配である。

心配なので、一応黒姉妹の儲けに貢献するように偽装工作をしたが、一文も受け取らなかった。

「自衛隊の協力があれば黒姉妹も力を伸ばせるという物です。これからもよろしく頼みますよ」

「うちらだけ優遇されるのは不味いですから、ほかの林業業者にも手助けしてあげてくださいね」

最近自衛隊に就職を希望する若者が増えて自衛隊員は20万人を超えていたが丸抱えしていた。

自衛隊員になれば商売がタダで覚えられるというのが万民に受けたのだが、食料の需要もこれで高まる。

兵隊という職業の人は良く食べてよく訓練しなければ、体がもたないので大食なのが普通だった。

「逃げ出した狼の居場所が特定されました。探索隊を送り込んで駆除して良いでしょうか?」

「しばらく待て。鹿や猪の駆除に使えるかもしれないからしばらく様子を見よう。手を出すなよ」

外様総理が土壇場で狼駆除に待ったをかけるが、農家はこれを支持する事にした。

「冬のボーナスで散財に注ぎ込んだ穴埋めをしたせいもあって、ここ数か月消費は低迷してます」

「それでも税収は82兆円見込みですから、努力すれば日本でも豊かになれるんですね」

「来年度の増税は止めてくださいね。消費する気がなくなりますから。これでももう限界なほどに消費してるんですよ。賃金上がらないとやってられないですよ」

「約束しよう。将来的には引き上げるが、今年の増税は延期する事にする」

「正気ですか?増税しなければまた赤字国債発行する羽目に陥りますよ。分かっていますか?」

「竜一さん。消費税増税の6兆円の増収(資産価値が1%辺り2千億上がった)を捨てるんですか?」

それは痛いが、消費税増税したら来年の税収は落ち込むだろう。それに約束してしまったし。

「安請け合いはしないでください。緊縮財政に走らないといけませんね。6兆円分はきついですよ?」

それでも買い控えが起こったら基本の税金ですら手に入らなくなるから暫くは増税出来ない。

「待て。林業での収益が上がれば1兆円近くの増収になる筈だ」

「残りの5兆円分どうする心算なんですか?増税するように国際的圧力が強まってるんですよ」

タイとトルコとフィンランドに借りたお金の事もあるし、消費税はきちんと増税しないと・・・。

「国家支出は100兆円で抑えるように編成しろ。国債発行額は18兆円だ」

「増税すれば国債発行額は12兆円に抑えられるかもしれないのに」

美香はまだぶつぶつ言うが、最初から決まっていた2%の増税は議会の全会一致で延期が決まった。

野党には通告しておいたが、ぶつくさ文句を言う者も当然いたので説得に入る。

「今増税をすれば増収分の23兆円が目減りする事になります。今は我慢してください」

いずれ頃合いを見て税収は85兆円になったら、消費税を1%引き上げようと外様は考えていた。

それは兎も角当面の目標は林業による増収計画であるが、自衛隊の協力の下栄え始めていた。

とにかく自衛隊は独自の販売ルートを持っているらしく、木材が売れるのである。

黒姉妹の下に集まった300人の若者も、林業に精を出して儲けていた。

「さあ間伐したら苗木を植えるぞ。20年もすればこの温暖化の時代材木として使えるようになる」

「どうせなら花粉症対策に杉の木から伐採しようぜ。花粉症対策でいくら国費がかかってると?」

その国費の穴埋めは、民衆への増税で賄われるのだから民間企業たる黒姉妹は必至である。

「黒姉妹だけを湯遇してる訳ではないのですが、誤解されても仕方がないですね」

外様総理は黒姉妹優遇を認めたが、国に助けを求める企業には基本的に自衛隊を派遣する方針である。

本来軍隊とは民衆を守る為に使われるべきなのだ。

「そんな訳でタイとトルコとフィンランドの皆さんには引き続きお金を融資していただきたいのですが」

「無理です。この前の10兆円だって、国力の限界を超えていますよ?」

「日本は税収82兆円も儲かったんだから、自力で何とかしてください」

「むしろこっちが融資してもらいたい位なんだぜ」

流石にこれ以上の金の無心は無理だと悟った外様は、国費を切り詰める命令を出した。

「竜一さん。無理です。医療費がかさんでとても30兆円以内には抑えられません」

「国防費だって最近自衛隊は野良仕事ばかりしてるが、かなり予算がかさむんですよ」

譜代大吉は、外様の経済政策に反対する野党と与党の議員と官僚を説得していた。

「国産材木は高いですが、これを我々富裕層に買えと?余分なお金は残っていませんよ」

内部留保を吐き出す決断をして実行に移したので蓄えは企業全体で20兆円位である。

「今年は去年ほどには消費は上向かないと思いますよ。外様の経済政策で皆疲れ切っています」

大丈夫そうだと思って消費税増税されたら大変な事になる筈である。

「分かってる。今年は税収82兆円の維持に努める事にするから安心してもやし作ってくれ」

もやし業者の陳情を聞き、増税で国費を補う時代は終わったことを悟った。

「林業の方はどうなってる?順調に産業は育っているんだろうな。黒姉妹はどうしてる?」

「増員をしてるらしいですけど、なかなか人材が集まらないらしいです」

「自宅警備員の説得の方は?生活保護費は高くつくから可能ならば支払いたくないしな」

「ボチボチ就職する者も増えてきていますが、重労働には使えませんよ」

長らく家に引きこもっていた自宅警備員の若者は、労働をして給料をもらう喜びに目覚めた。

だが重労働をしたい訳ではなく、出来るだけ簡単な作業でお金をもらおうと考えてるらしい。

「それで良い。可能ならば農地に派遣しろ。農家の人口は減る一方だからな」

それでも来年の今頃は、農作物は豊作かもしれないと希望を持つ農家と林業の業者であった。

麦と苗木はすくすくと成長を遂げてるが、今年は寒い・・・。

自衛隊の用意した温室がなければ(太陽光パネルの)値段が高騰していただろう。

「冬でも値段が夏並みなんて何十年ぶりだろうか?」

「去年の今頃は値段の高騰に苦しんだからなぁ」

それも自衛隊の協力の下解決してしまったようだが、こうなったら娘を説得しなければならない。

外様政権の下、農業安保にひた走る日本の農業なら娘も農家になってくれるかもしれないからだ。

林業でも良いが、昔は農家が林の手入れをしていたので、林業と農業は兼業出来る筈である。

「最近仕事クビになって困ってたんだよね。遺産くれるなら農家になっても良いよ」

農家は遺産相続で土地が分割されると商売が出来なくなるから、独り占めが大前提の商売だ。

こんな感じで農家に戻ってくる若者が少しずつ出現した。

最近は人手不足だが、人にこき使われるよりは親にこき使われた方が良いと考えたらしい。

農地は売る気になればそれなりの財産にはなる筈だし、独り占めできるなら条件は悪くないのだ。

「やっと税収1兆円分売ったぞ。流石は軍隊のコネと販売ルートは凄いな」

「だろ?国民と企業の利益を守るのが自衛隊の義務だからな。向上心のある企業には協力は惜しまん」

これで予定より1兆円多い税収83兆円になる事になった。

「じゃあ蛍光灯の電気で苗木を育てるぞ。こんなんでも育ち方が結構違うらしい」

「これで出荷が10年早まれば、それだけ国費が浮く訳だからな。税収が増えて」

自衛隊員は、取り敢えず自家発電用の自転車を暇な隊員に漕がせていた。

太陽光パネルを使えない雨の日は、自転車漕いで自家発電し、苗木の成長を助けるのである。

「こんな仕事は若者の仕事だ。自宅警備員。面倒だろうが1時間漕いでくれ」

「え~、面倒臭いよう・・・」

「時給千円だ。食事も用意してやる」

「分かった。我慢する」

こんな感じで農家に流れた自宅警備員は、ぶつくさ言いながらも働き始めた。

自転車漕ぎは結構重労働だが、流石は若者でそれなりに効果が上がってるようにも見える。

「後2時間追加だ」

「え~いやだぁ・・・」

「時給千円に特別手当200円付ける」

「分かった」

こうしてエサで釣りながら自宅警備員に自家発電をさせていた。

自家発電は農家の電力も賄う事になるし電気代がかからない上に電力は売れる。

農家の経済を助ける有り難いシステムなのだ。

「さあ薪割りだ。自宅警備員。面倒だろうがちょっと割ってくれないか?」

「良いけど時間かかるぞ。俺そんなに頑健でもないからな」

「今日中にノルマ達成してくれれば構わない。だが薪割りしないと今日の夕食は抜きだぞ」

「何でだよぅ?」

「薪で煮炊きしてるからな」

これだと真面目に働かないと食事にありつけないので仕方なく働き始めた。

こうしてるうちに何となく手間仕事をしながらお駄賃をもらう構図が出出来上がってしまった。

農家も林業業者も、せっかくの若者に逃げられては困るので優遇している。

そして3月25日の夜、急ピッチで税収の計算をしていた財務大臣は、日本の税収が85兆円を超えた事を宣言して世界に激震が走ることになったのである、




この国の市民はやけっぱちで散財に走っています。

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