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資金調達

日本が頼めばお金貸してくれる国はある筈です。

「お願いです。お金恵んでください。日本を見捨てたら世界中の国と民が迷惑しますよ」

緊急に各国の閣僚を呼びつけて、日本の窮状を訴える外様と譜代大吉と美香であった。

こうなったら面子などどうでも良い。

日本さえ助かれば、周辺諸国も安泰だし販売ルートの確保にも重要だから各国もお金くれる筈だ。

だが外様が分かってくれそうだと考えていたイギリスとフランスは、断固拒否した。

「なんで定額給付金しか出来ない総理にお金恵まないといけないのか?定額給付金やるんだろ?」

「外様の人心掌握の為に出すお金はないぞ。こっちだって財政は厳しいんだ」

「どうしてもっていうなら、日本はもっと市場を開放しろ」

このセリフはアメリカ代表のものである。

「金満日本がお金がないなんて説得力ないんだよ」

「そもそも国有地を売り払って、財政に余力はある筈だろう?」

「それだけなら俺達は帰るぞ」

これで殆どの国が大事な会議を中断して本国に帰ってしまった。

お金貸す事に同意した国はタイとトルコとフィンランドの3国だけである。

「可能ならばタダで恵んでほしいのですが、駄目でしょうか?」

この外様の言葉に、歴史的に友好国である3国の閣僚は頭を抱えるが一応同意した。

「で、幾ら欲しいんですか?俺たちゃ小国なのであまり高額を言われても困りますよ」

「当面は5千億円もあれば大丈夫です。貰ったお金は教育資金にあてる事にします」

本当にこいつタダでお金せびり取ろうとしてやがる。

だが困ってる国を見捨てる気にもなれないし、日本を見捨てたら次は3国に飛び火するだろう。

先進国はどうもそれが分かっていないようだと3国の閣僚は思った。

「お金は差し上げますが、本国の国民を(くにたみ)説得しなければいけないので・・・」

「説得に失敗したらこの話はなかったことになります」

「金満日本にお金貸せるなんて、俺の民は大喜びすると思いますけどね」

「俺達全権大使じゃないですから、俺と合意しても国民が反対するかもしれないし」

それでも約束を取り付けただけマシな方だと外様は思った。

早速本国に電話を入れさせ、各国の代表に日本の窮状を訴えさせる。

「あんたらに見捨てられたら日本は終わりだから、どうかよろしくお願いします」

外様は他にも仕事があるので、財務大臣の美香に後の事を任せる事にした。

「これから緊急会議を開いて決めてくれるらしいです。俺達も本国に帰りますので」

俺達の賛成票は日本と3国にとって有益である事に間違いなかった。

3国は緊急会議の下、10兆円規模の大型無償融資を決定して、日本にゴマをする。

「これで教育の無償化(大学まで)が出来る。3国には感謝しないとな」

フィンランドは平穏だが、トルコは戦争してるし、タイは政情不安に悩まされている。

それでも日本にお金くれた。

この恩は、景気が良くなったら返さないといけないと思う外様である。

「追加の融資はないものと考えてくださいね。それと国民に説明する為明細も書類で提出を」

「分かりました。財務大臣の妻に指示しておきます」

こうして日本に好意的な3国の融資を受けた日本は、教育改革と医療の充実に力を入れた。

人口減少により、日本の若者は減ってきており、それが出生率に跳ね返る。

保育士の給料を1人当たり50万円に引き上げる事によって子供を産める世の中にしようと考えた。

これは例の10兆円から賄う事にしたが、即時発行の条件にしたので既婚者が増える事になる。

「子供が増えれば、経済も潤い国も豊かになる。子供を産みやすい世の中にするべきなのだ」

外様は来年の税収入を80兆円と見込んでいた。

国民はやけっぱちになって消費に励んでいるので、税収は上向く筈である。

「資金を調達出来なければどうにもならないが、国民の貯蓄は0に近い」

取り合えず来年の税収まで、自宅警備員の人を説得して農家にする事に集中した。

失業者は1人でも少ない方が良いに決まっているからだ。

説得に応じて農家見習いになる者も当然いた。

自宅警備員も、団塊ジュニアの就職難で仕事につけずに自宅警備員化した者も多い。

それらの人材を確保出来れば、食料自給率も上がるだろうと思う。

「本当に雇ってくれるのか?俺食事位しか作れないぜ」

「勿論雇われるよ。この際だから非正規雇用でも構わない」

こうして失業率は2.4%にまで改善したが、長続きするかどうかは不鮮明だ。

「外様内閣を倒せ~。独裁者はこの国にはいらない」

野党の1部議員が叫ぶが、東京でのデモは起こらなかった。

外様政権は定額給付金のおかげもあって、貧困層に人気がある。

そうこうしてるうちに日本の冬がやってきたが、寒かった。

自衛隊を派遣して、里山に入り間伐林を手に入れてるうちに1部若者が触発されたらしい。

「俺も手伝います。林業のやり方教えてください」

「木を切るだけでお金になるなんて危険だけど美味しい商売だぜ」

自衛隊に雇われて、仕事を覚えたいと名乗り出てきたのだ。

「待て。農水大臣に問い合わせてみるから。勝手に木を切り出すんじゃないぞ」

農水大臣は結果的には許可をくれた。

林業は衰退してるので、若者の参加は大歓迎である。

ついでに林業に就職してくれたら、100兆円分はあると言われてる日本の人工林を活用出来る。

そっから1兆円位の税収は期待出来る筈であった。

「じゃあ間伐材で火を起こして、畑を温めるぞ」

「冬は野菜が高騰するから、何とかしなければと常々思っていたんだ」

自衛隊員は、慣れた手つきでキャベツ畑を温めるべく火を起こしたが、たいして効果はない。

それでもやらないよりはマシなのだ。

「太陽光パネルを持ってきた。こっちの方が金はかかるけど保温出来るぜ」

「余った電力は売れば農家のささやかな収入にもなるしな」

「太陽光で温めた水を雪にぶっかけて除雪しよう」

自衛隊員は、精力的に働く若者に仕事教えながら食事を作っていた。

鹿や猪を狩りながら、自衛隊員は今日も農作業に明け暮れる。

「豚の肉があるんです。約束通り焼肉パーティやりましょう」

「俺らの所有してる豚や牛は、養いきれる数ではないですからね」

それで焼肉パーティを行ったが、自衛隊員は民衆に混ざって焼肉パーティを行った。

「大変です。狼のつがいがこの辺りで逃げ出したらしいです」

「何だと?すぐに警察を呼んで対処させろ」

この狼のつがいは山奥に逃げ去り、自衛隊員も手が出せなくなった。

原生林に近く、捜索するだけでも各方面の許可が必要なのだ。

「これでは狼が自然繁殖してしまう。そうなったら家畜が狙われるぞ」

暫くは鹿や猪を狩って過ごすだろうが、そのうち食料が山になくなったら・・・。

だがもはや手が出せないので、成り行きを見守る事にする。

来年の5月位頃には6頭に増えてるかもしれない。

「総理。自衛隊員は焼肉パーティなど行っていますぞ」

反外様派の議員達は、自衛隊の行いを糾弾するが与党は無視である。

「取り合えず逃げ出した狼を駆除する為遠征隊を派遣しよう。それで良いな?」

「反対~。総理は辞職しろ~」

「狼が逃げ出した責任は、総理にあるのだ」

それでもほっとく訳にもいかないので、遠征隊を派遣したが見つからなかった。

外様政権は狼が逃げ出した人工林の近くの農家に警戒を呼び掛けると、ハンターに依頼して狼を捕らえるように依頼したのである。







タイは大地震の影響で電力が不足した時に、組み立て式の発電所くれたんですよ。

電力は微々たるものであったが、その志が嬉しいです。

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