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臨時国会

政治には無知ですが、俺の妄想の中の物語ですから・・・。

強引に法令無視で議会に通してしまった、借金返済法案とその他は当然野党に叩かれまくった。

「総理。こんな放漫な国家経営が許されると本気で思っているんですか?」

「総理は辞職して国民の真意を問うべきではありませんか?」

国会は会期終了となったが、臨時国会が開催され外様は野党に糾弾されている。

「外様総理・・・」

議長が言うと外様はいきなり野党に向かって発言する事になる。

「このような事案より、もっと緊急に討議すべき問題があると考えますが」

「何だとう?国会軽視、役職無視に国民軽視の内閣に言われたくはないぞ~」

「議員は静粛に」

「・・・」

外様総理は更に続けるが、議会はこの時与党議員からも糾弾される事になる。

「外様総理は退陣しろ~」

「こんな総理に日本を任せていたら日本がどうなるか分からん」

「皆さん静粛に」

議長の紫蘭が止めに入るが、外様は野党との対決姿勢を崩さない。

「野党は定額給付金と借金返済を行った、譜代大吉と辣腕鈴木の罷免を要求する」

それは困ると外様は思った。

だがこうなってはひたすら謝らないと野党の勢力が増すばかりであろう。

「申し訳ございませんでしたぁ。以後は法令と議会を遵守しますのでお許しください」

外様は態度を一変させ、土下座で野党議員に許しを請う事になった。

こう素直に出られると処罰がしにくい雰囲気になるもんだが、いきり立った野党は止まらない。

「譜代大吉は俺の親友なんです。辣腕鈴木の方を罷免いたします」

「良いだろう。裏切り者の辣腕鈴木から罷免しろ~」

「あの裏切り者だけは絶対許せん」

これを聞いて辣腕鈴木が騒ぎ出し、必死に助命を乞うた。

「そんな。俺はあんたの為に定額給付金の資金をねん出してやったんだぞ・・・」

その俺を罷免するというのか?

外様は酷い男だが、外様を見捨てたらあの愛らしい美香がひもじい思いをする事になるだろう。

「せめて依願退職にしてください。それなら良いでしょう?」

「駄目だ。即刻首にしなければ国会審議に応じないぞ」

別に野党抜きでも国会運営は出来るけど、そうなると俺の人気が下がるよなぁ。

だがその為に辣腕鈴木を犠牲にする訳にもいかない。

「すまん。鈴木。お前の志は俺が必ず引き継いで、日本の借金を返済して見せるぞ」

外様はその場で罷免命令書を書かされて、関係各所を巡り巡って罷免が決定した。

新たな財務大臣には、美香が就任する。

「さて次は譜代大吉の罷免問題ですな。覚悟していただきましょうか。外様総理?」

「裏切り者~。俺を騙したのか?」

出来るだけ穏便に事を進めようと、野党に妥協したのが間違いの元だった。

これでは外様だけが損をする事になる。

「その話は解決済みの筈です。農業問題を話し合いたいと思うのですがどうでしょうか?」

「その前に総理の罷免だ」

「内閣不信任案をもう一度提出してやる~」

だが内閣不信任案は、支持30人不支持420人で否決された。

「裏切り者~。これではもう外様を失脚させる事が出来ない」

不信任案を廃案に追い込まれ、打つ手のなくなった野党は与党の反撃を受ける事になる。

「農業問題ですが、家畜の食料は米と麦で賄う事にしたいと思いますが」

「国産の米や麦では高くつかないか?メリットはあるのか?」

ようやくまともな議論になって来たと思う外様であったが、それは黙っていた。

「外様総理」

「国産で自給出来れば、日本の食料自給率が(現30%の設定)12%上がると学者が言ってた」

「42%か。確かに魅力的だな。野党の皆さんも、農業問題話し合いましょうよ」

「外様総理」

「今年は不作だが来年は支給率39%回復するかもしれない。そうなったら51%だな」

これは魅力的だと野党の議員にも思えたらしい。

「外様が総理止めれば食料自給率位すぐに回復する・・・」

子供でも言わなさそうな不貞腐れ方で、野党議員の1人がぼそりと呟いた。

「気持ちはわかるが今日はもう諦めようぜ」

「辣腕鈴木を罷免出来ただけでも上々じゃないか。総理の辞任は後の楽しみにとっておこう」

取り敢えず与党の用意した農業法の審議に入る事にした。

法令は即時発行が大前提の、食料自給率12%アップ法案。

農業法は野党と与党で審議された後、10月にやっと採決が行われる。

「外様は退陣しろ~」

この頃になると野党も諦めたのか農業法の審議に協力していた。

反外様派の西国では、デモが起こり、外様系の議員が辞職に追い込まれている。

だが関東での地盤は外様派が圧倒していた・・・。

「外様総理。本当に冬に小麦育てて食糧の増産になりますかね?」

諦めて協力する気になっても、外様に対する不信感はぬぐえぬものらしい。

「大丈夫の筈だ。じゃ採決に入るから臨時国会開くぞ。文句はないなぁ?」

「ありません」

こうして食料倍増計画が野党と与党の全会一致で可決される事になる。

これによって冬小麦の栽培は、農家の義務となった。

農家は請負会社の協力の下、大規模な小麦栽培に励む事になる。

「小麦なんか作っても労多くて実入り少なしなんだよなぁ」

「ついでに休耕地で家畜を飼うなんて法案を作るとは、臭いを我慢しないといけないのか?」

近隣住民は取り敢えず農家の家に近付かなくなった。

臭いのトラブルも高額のお金をかけて換気する事で合意した。

銀行はお金を貸してくれるので、借金には困らないが、これも美香の土下座のおかげである。




こんなにアッサリと軍門に下る野党ならむしろ扱いやすい・・。

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