医師確保
地下銀行と正規ルートの送金が良く分からん。
唐突だが少子高齢化は深刻な医師不足を抱え込んでいたが、前政権は外国人を訓練して危機に備えいた。
240兆円も予算があり、税収50兆円も儲かる金満日本なら医師など外国から調達すればいいのだ。
それが分かってるから、外国人は日本市場に切り込もうと、確実に儲かる医者を養成していたのだ。
「TPP加盟国の諸君。医師を調達してくれたことに感謝する。このお礼は1国辺り千億ドルで・・・」
「流石外様政権は分かってらっしゃる。我が国の商品を買ってくださる限り協力は惜しみません」
「外様政権に倒れられたら我々も困るのですから、感謝される覚えはないですな。お礼はいりません」
こうして外様政権は外貨を失ったが、医師は確保出来たので後は老人ホームの拡充であるが、空き家になってる元店舗とかを改装して老人を受け入れる事にして、老人達に大いに喜ばれる事になる・・・。
老後が不安だったが外様政権は老人と障碍者の事を大事に思ってる偉大な指導者だと評判であるのだ。外様に批判的だった西方と北海道の反外様派の炎の党も今は外様の熱烈な支持者である。
2040年問題が終わるまで外様を倒す事は出来ないだろうというのが、諸外国と国民の総意だ。
日本が動けば世界は震えると言う訳で、総兵力75万人の自隊隊の戦力も日本の実力と受け止められた。
「日本にも飛び級を採用しよう。そうなれば優秀な戦力が20万人は確保出来るだろう」
少しでも即戦力な戦力を欲する日本至上主義の外様は、飛び級を採用するべく野党の許可を取った。
野党もこの段階ではたった2議席を保持するのみにまで勢いが低下してしまい外様には逆らえない。
外様は独裁者として、2040年問題を解決するべく外国から融資と人材の確保に奔走していた。
もう7月も終わりだから、後5ヵ月しかないので、焦りまくりの外様政権である。
「どうしてお前は医者の確保に奔走しなかったんだ?TPP諸国が人材派遣してくれなかったら危なかったぞ。240兆円も貯め込む位なら医者を雇えよ。高給でな・・・」
外様がこの親友の官房長官をなじると、譜代はムッと来たが反論はしない事にして黙って聞いていた。
ただ一言、「あの時は日本にお金の山を積んでおく必要があったんだ」とだけ言い残して、機嫌を損ねたのか、3日間執務室から出てこずに電話で国政の命令を下していたようだが、俺は尊大に命令する立場で実際の内政に携わる気はないので譜代の好きなようにさせておく。
譜代が官房長官の機嫌が直って執務室から出てくると、今度は看護師の確保に乗り出した。
これもTPP加盟国の高給に釣られて派遣されてきた看護師で賄われる事になったが、外国人の看護師だと言葉が通じずに困る事があるので、日本語教師の大量需要が生まれる事になる。
徹底的に日本語教育を施す事にしたのだが、TPP加盟国の看護師はよく訓練に耐え現地に配備される。
「権力者って良いなぁ。命令さえすれば国民が黙ってついてくるんだもんなぁ」
外様の考えは危ない方向に傾いたが、直ぐに思い直して「2040年問題を解決したら総理辞めよう」と思い、辞表の書き方を練習していた。
「総理。看護師と医師には現地で活動するように言っておきましたが給料はどうしましょう?」
財務を預かるミリアが尋ねた。
この外様総理は金と食料に五月蠅いし、出費を嫌う傾向にある。
「来年の予算に計上する。今年の予算はもう決まってるから今年給料支払う事は無理だ・・・」
これを聞いた看護師と医者はやる気をなくしたが、もしタダ働きでも日本を助ける為に来たのである。
悪いのは給料踏み倒した日本政府であって、日本の老人や障碍者ではないのだ。
「別に支払わないとは言っていない。預金240兆円もあるのに医者と看護師の給料踏み倒すかよ?」
不穏な噂を聞き付けた外様が慌てて釈明して、貯金40兆ゴールドを前払いで支払った。
残りの成功報酬は100兆円ほど称す高齢化を乗り切った時に支払う心算である。
本当はやりたくないのだが、けちな事を言って、看護師や医者に逃げられたら日本が困るのだ。
国家予算は奇跡的に、70兆円まで抑え込んでいるから、来年も50兆円黒字になる筈である。
「こんなに給料くれるなんて日本はなんてお金持ちの国だ。可能ならば移住したい位だぜ」
「よせ。どうせ2040年問題が解決したら俺達リストラされる」
看護師は老人の病人を手厚く看病し始めたが、これも少しでも功績うぃお立てて報酬の増額を期待したからであるのが、見え見えだったが外様は何も言わなかった。
やる気になってくれて嬉しいが、ミリアが悲鳴を上げる・・・。
「総理は少しは財政の事を考えてください。来年は70兆円に抑えられるか分からないんですよ?」
何とかだましだまし、税収120兆円を維持してきたがそろそろ税収も下がるかも知れない。
外様チルドレンが就職年齢に達するのが早いか、それとも税収が低下するのが早いか。
「仕方がないだろう。看護師と医者に逃げられたら日本は終わりなんだからな」
TPP加盟国が給料支払ってくれる訳ではないらしいので、日本で負担しなければならない。
因みに今年は米が大豊作で、台風の影響も少なく、この時点で食料自給率は150%位である。
人口は減っているから、当然1千万人の労働者が食料を作れば食物は余るので自給率は上がるのだ。
「外様総理。それでも今年の出生率4.2%ですよ?2040年問題さえ終われば・・・」
ミリアは外国に使者を飛ばし、日本を助けるように訴えたが誰も豊かになった日本にこれ以上の融資はしなかったので、50兆円分の国債を発行する事にした。
貯金の200兆円で何時でも返済してもらえると思い、国民は国債を買っていく。
「日本の国債は信用されてるせいか利率は高くないけどね?」
「そうか?2040年問題を乗り切れなかったら日本は崩壊するからこの利率なら丁度じゃない?」
世の中黒字倒産と言うのもたまにあるので油断はできないと思う国債購入者であった。
「でも何で貯金が200兆円もあるのにわざわざ国債売るんだ?外様のやる事は訳が分からん」
それは日本にお金の山がなくなったら、途端に財政破綻するからです・・・。
「消費税15%に減税してもらったのは嬉しいがこの調子じゃまた上がるかもな」
「今のうちに食料と防災グッツを買い込んでおこうぜ」
意外に将来への不安から消費は上がる事になるが、国も調子を合わせて民事再生法を申請してきた企業と原発の株を全て国有化する事を宣言して、電力会社と国民の圧倒的賛成で実行される。
50兆円はこれで消えたが、廃炉にはまだ10年はかかりそうであった。
「廃炉を手伝ってくれる奴がいたら、喜んで電力会社の株を売るぞ。株100%60兆円でだがな」
関東の電力を独占できればぼろ儲けが出来ると考えた鉄血の1万人がこれに名乗りを上げた。
原発の廃炉は金がかかるが商売が独占出来るなら安いかもしれないと思ったのだ。
医者も看護師もこれには呆れ返ったが、原発は鉄血の1万人の責任で廃炉する事になった。
こうして借金は即座に返済される事になったが、残り40兆円をどっから調達しよう?
高速道路の料金の大幅な値上げでねん出しようと心に誓う外様であったが、9月抗議デモが起こった。
「政府の内情が苦しいのは分かります。医者と看護師に給料をやらないといけないのも黒字倒産も」
「ですが何故高速道路の通行料値上げ何でしょうか?国債40兆円分も国民から搾り取る気ですか?」
消費税減税はこの計画の為の伏線だったんですね?まあ俺達は高速道路利用しないから良いんだけど」
それでも2040年1月1日、借金は返済し終わったので、高速道路の料金は元に戻った。
高速道路で通勤してる医師や看護師は大喜びだが、国は諦めずに今度は借金取りに税金をかける。
外国人向けにお金を貸していた違法グループ蝙蝠の爪を摘発する物だった。
この蝙蝠の爪の貯えた、国家予算に匹敵する120兆円もの儲けはすべて国に没収されてしまう。
国の収入は380兆円になってしまった。
関係者は罰金で許され元の仕事に励むが、資金が貯まったら法を盾に取り再び没収されるだけだ。
「人でなし~。別に外国人にお金貸していただけじゃないか。他国の外国人に金貸して何が悪い?」
そういうのは俗に言う地下銀行だと思われるので多分最初から違法です。
医者と看護師もこれを聞いて困ったが帰国するまで国が家族にお金を届けるようにお願いした。
多分正規のルートは、国の許可を貰った企業が運営してるのだろう。
「当分帰れないんですよね?俺の妻や娘はどうしてるかなぁ。大金持って戻ったら喜んでくれるかな」
「いよいよ今年ですね。俺達この事態から日本を救うべくこの地にやって来たんだ」
「総額40兆円に成功報酬の100兆円ももらえるんだから死んでも思い残す事はねぇ」
「この厚遇に報いないなんて人の道に外れているわ」
看護師と医師は、決意新たに少子高齢化のピークを迎える日本の高齢者を守るべく尽力していた。
男主体で書いていましたが、冷静に考えると看護師って女性の方が圧倒的に多いですよね?
反省してます・・。