大国への道
たった3話(確か)15年経過しました。
今後はスローペースで書こうかと思いますが・・・。
トルコ人傭兵が10万人、タイ人傭兵のハルカ団が10万人で陸上自衛隊の兵力は60万人になった。
これに予備自衛官が10万人に増強され、国防の準備は整うのだが勿論戦争をする気はないので、新たな武器弾薬は購入しないで自国で造る予定だが、それも戦車や航空機よりは農業用の鍬や犂になりそうだ。
鍬こそが日本の武器であり、犂こそが日本の弾薬である為、自衛隊を怖がる国は某国2だけである。
中東では風の党が50万人の兵と30万人の海賊を武器に周辺諸国を荒らしまわっていたが、パピルスの決戦でサウジ、エジプト連合軍が風の党を完膚なきまでに叩き潰して以来、義勇兵は祖国に帰り、風の党は弱体化を続けていたし、海賊もイスタンブール攻防戦でトルコの計略にかかり大敗して以来弱体化している。
「今だ。ダーリーンを奪回するぞ。地上戦で風の党の軍勢に止めを刺せば二度と立ち直れない筈だ」
それでも風の党は3万の精鋭と共にダーリーンに立て籠もり、空爆で援護する連合軍に抵抗を続ける。
「あいつらまだ戦っていたのか?誰でも良いから和平をあっせんしてやれよ。もう血を見るのは嫌だ」
「無理言うなよ。あいつらだって好き好んで世界に破壊と殺戮を広めてるんじゃないと思うぜ・・・」
それでもパピルスの戦い以降、風の党の占領地は減りつづげ市民の蜂起でY国首都は奪回された。陸軍と海軍の両方を失った風の党は、高みの見物を決め込むA議長国(Y国の同胞と統合した)も参戦してくる。
独立に備えて出来るだけ多くの領地を確保するのが望ましいからだが、Z国やY国が再興されれば必ずA議長国の独立に反対してくるに決まってるから、今回は武装を整え50万の兵でダーリーン周辺の街と穀倉地帯を抑え込み、風の党に圧力をかける事にしたのだがこれが意外と上手く行った。
「外様さん。俺達はどっちと外交関係を結びますか?A議長国?それともY国とZ国とトルコ・・・?」
「トルコには借金返済で世話になってる。無下にする訳にいかないだろうが。A議長国には兵糧をプレゼントしてやれ。相場の7倍の値段でな。トルコには戦車を千両売りつけておこう。高値でだな・・・」
悪徳商人の外様は不敵に笑うと国内問題に焦点を移す事にして、自由の島7の食料生産について尋ねた。
「順調だ。食料自給率は130%超えたぞ。日本でもがんばれば食料自給率上るもんなんだな」
当然だと外様は思った。
何の為に苦労して、自衛隊まで派遣して農業をやらせたと思っているのだ?
美味しい米と野菜を腹一杯食べたいと思ったからではないかと外様は思う。
「こうなったら日本を世界一の国にしてみせるぞ。国から子供に定額給付金(1月)一人当たり500円の定額給付金を行うように命令を出せ。それだけあればベーゴマとか縄跳びとかで遊べるだろう」
それとも将来に備えて貯金するのも子供達の勝手であるが、この子供達が大人になる前に風の党と和平して世界に平和を取り戻さないといけないなと心に誓った。
因みに和平特使として送り込んだ美香は風の党のに捕まって謎の失踪を飛べている。
「あいつらだけは絶対に許さん。滅ぼしてやるぞ。あんな奴らには負ける訳にはいかない・・・」
愛する妻を失った外様は一人娘を育てながら村長と最高顧問を務めていたのだが激怒する。
「自衛隊を送る訳にはいかない。日本は平和国家だ。だが賞金はかけられる筈だ。風の党の首領の首に150億円の賞金と日本への永住権を与える。一生保護してやるぞ」
この台詞の一月後、9月に首領の首をもって兵士が寝返って来たので保護する事にした。
風の党は之により崩壊して、Y国Z国で敗北を繰り返し、ついに抵抗を諦めて全面降伏してきた。
降伏すれば命だけは助けると言ったのが効いたみたいだ。
フィリピンやアフガニスタンにいた風の党も、本国の敗北を知ると司法取引を前提に降伏した。
風の党の乱はここに終結する事になるが、新たに台頭してきたA議長国の独立問題が待っている。
「ここで独立認めないとA議長国が第二の風の党になりますよ?3千万院の国力をバックにしたA議長国の独立派は、風の党より強いですよ。対空砲もバッチシみたいだし」
日本は必死に独立を認めようとしないY国とZ国を説得しようとしたが、ついでにトルコも反対した。
「テロリストなどを独立国家として認める訳にはいかんわ」
「石油の生産地はすべてA議長国が抑えてます。戦いになれば油田が火の海ですよ・・・」
交渉な長引き、2038年(外様46歳)までもつれ込み、やっとトルコを説得して決着がついた。
A議長国が独立国と認められて、Z国とY国の北部を中心に新国家を建国する事になる。
その間日本の国庫には、日本円190兆円とドル1兆ドルに30年分の種もみが収まっていた。
国民総生産も1200兆円位まで拡大しており、TPP参加国15か国の通貨が10兆円分ずつある。
税収は120兆円だったが、高齢化が進むこの状況でも支出は70兆円に抑えられていた。
「良かったな。戦争が終わってこれで真の平和がやってくる」
「そうしたらY国やZ国の復興資金は日本が出すんだぜ。既に200兆円使っている」
そのかいもあって、Z国とY国は立派に復興し、A議長国も復興を遂げた。
「娘には平和な時代を満喫してもらえそうだぜ。ところで自衛隊はY国に駐屯するのか?」
外様が聞くと渋い顔をして譜代が答える。
「行くしかないだろう。どうせなら10万人位派遣して日本の国威を見せつけようかと考えている」
「程々にしないと某国2が怖がるからな。でも可能ならば戦場を見ておくのも悪くないだろう」
総兵力85万人の自衛隊が某国を侵略する気になれば直であるがそんな事したら某国1が怒る。
あくまで自衛隊の軍拡は国内用のパフォーマンスに過ぎなかった。
だが平和な時代もやってくるようなので、そろそろ自衛隊も解散する時が来たのかもしれないと思う。
そんな空気を察したのがタイ人傭兵のハルカ団とトルコ人傭兵である。
ハルカ団は日本政府が自分たちをクビにしようとしてると考え、軍隊を解散させて本国へ戻る事にしたのだが、勿論報奨金はたっぷりと貰ってである。
この金で農地でも買って百姓として過ごし、近所の子供に農作業などを教えながら平和に暮らすのだ。
トルコ人傭兵も、A議長国を威圧する為に兵力が必要と聞きつけて日本から去って行った。
この空気を読んだ日本の陸上自衛隊員は、老兵がちらほらと辞職願を出してきた。
リストラされると退職金が出ないかもしれない。
まさかとは思うが二十数年前に消えた年金問題とか起こったし国は信用出来ないのだ。
「如何したと言うのだ?最近自衛官を止める老兵が増えているが?」
「クビにされるかもと言う噂が立っているんだよ。このままだと本当に解散だな」
慌てて譜代は自衛隊を解散させる気はないと明言すると離職者はピタリと止まった。
「農作業に必要なお前らをクビに出来る訳ないだろう。死ぬまでこき使うから心配するな」
それはそれでブラック企業で嫌だな・・・。
「190兆円も貯金があるんだぞ。お前らの給料位支払ってやるからそれも心配するな」
年金は最近削減されて9万8千円に減額されていた。
少子高齢化のピークがいよいよ近づいてきており、年金機構も不安なのだろう。
「外様さん。村長辞めて如何していますか?今度解散総選挙行う予定なんですが議員に立候補しませんか?被選挙権はく奪の期間は過ぎていますよね?」
それと可能ならば総裁選に立候補してくださいと譜代は言った。
少子高齢化を乗り切れる総理は外様しかいないと譜代は思っているが間違いではないだろう。
こうして外様は15年ぶりに総理に復帰する事になったのだ。
結局やる事は一緒なんですよね。
農業やったり車売ったり、レアメタル掘ったり・・・。