表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/47

1万円の軍資金

結局定額給付金しかやることありません。

ここまで衰退した日本だと・・・。

クーデター鎮圧により、反抗勢力がだんまりを決め込んだ今がチャンスだった。

外様は「農業の生産拡大をやりたいんだが」と呟き、残った農家に増産を促す。

そして国民から臨時税を1人1万円取り立てる事にして野党に猛反発された。

「総理。この不景気の時代に増税などすれば消費が落ち込み更に事態は悪化しますよ」

「消費税と所得税の1%辺りの収入を増やすべく、消費拡大を待つべきです」

野党は総理のやる事なら皆反対のようである。

まあラミラ・ゴードンと美香が、必死に軍資金を集めてる筈だが期待は出来ないからな。

「下手な事を行えば直ぐに国民は反抗しますぞ」

「クーデターの影響で、株価が450円も(平均22500円)上がったのは良いんですがね」

暫く外様政権が続く期待から、株が買われたらしかったが、これはチャンスだ。

日銀だって買い込んだ国債の一部を売る時は今しかない。

分かってるよね?

「金融緩和は続けるんだ。そうしないと日本の好景気は維持出来ない」

「これだけ民衆苦しめておいて何が好景気だよ?いずれ日限は破綻するぞ」

外様は官房長官の譜代大吉と美香に依頼してやっと6千億円を企業から集めてきた。

定額給付金は強行採決でも出来るので、早速この金を国民に配る事にする。

「ただの人気取りじゃねえか?」

「日本の経済成長率が上がらなかったら暴動が起こるぞ」

まあ日銀のアキラ総裁は期待出来ないので、企業に土下座巡りで改革の資金を集めさせた。

財務大臣にお願いして、この金を即座に国民に配る事にする。

最近消費は回復(富裕層と資産家のみ)してるので、定額給付金は効果がある筈だ。

5月になるとやっと定額給付金の効果が出始めた。

キャベツの値段が外国産に押されて値下がりしてると知った外様は即座にトラクターで踏み潰して生産調整を行う事を止めさせる。

どうせ夏になったら値上がりするんだ。

何とかして保管して、国の食糧計画に貢献してくれ。

外様はガチガチの農業安保の信望者だった。

TPPのなれ合いさえなければ、国を閉ざして食料自給率を上げたいくらいなのである。

「総理。1万円支払い、食べ物を買えば、いずれは我々が豊かになれるんですよね?」

総理の増税計画を知った農民や市民が一縷の望みを抱いて総理に聞いた。

「約束してください。総理」

「もし豊かになれるなら、身内を説得して納税と消費に走ります」

国の食料政策に貢献するべくキャベツを国に寄付する農家が増えた。

民衆の願いは物価が下がる事だが、政府の方針が増収なら従うしかない。

「約束する。5年後も俺が総理でいられたらの話だが」

民衆の支持率がこれで5%に跳ね上がり、総理を称える歓声で周囲は満ち満ちた。

この時を境に期待から株価は上がり続け、5月の中盤には24000円に脹れ上がった。

説得に応じた市民と富裕層の国家への寄付で、1兆円を超える事になる。

この軍資金の半分を中小企業への定額給付金に、残りを年金生活者に分配した。

野党はクーデターの関連を追及されたくないので、黙ってるしかない状況である。

「さあ約束だからレストランで優雅に昼食食べるぞ~」

「俺達が物買えば消費が拡大して、国も豊かになるんだぁ」

春闘の賃上げも好調だった事もあって、消費はこれで拡大したが一時的なものだろう。

資金が底を突けば年金生活者は食っていけなくなり生活保護が増える。

そうなれば困るのは国だけだった。

「総理。消費税増税は撤回してください。増税されるくらいなら、貯蓄切り崩してでも物買います」

「消費が上向けば、消費税8%につき1.6兆円の増収になり儲かりますよね?」

消費税の税収の資産価値が3兆円になったらの話だ。

「今の調子なら3・4兆円位は行けると思うぞ」

「そしたら4.8兆円の増収。やる気が沸いてきますです」

そして所得税も5兆円位は増収が見込めたら、一気に69兆円の税収なんだが・・・。

「でも公務員の給料を税収の20%で支払う約束は残っていますよ」

そんなものは口約束だから勿論約束は破るが、消費税だって一緒だ。

ギリギリまで駆け込み需要を煽ってから、増税延期すれば国民も納得するだろう。

「総理としての給料は300万円しかもらっていないから、パーティで資金調達しないとな」

上手くいけば総理のパーティで銭をたらふく稼ぐ事が出来る。

政治家だって人間だ。

愛する妻の為にお金は蓄えないといけないが、今回のパーティは純益500万円位で止めておこう。

一応軍資金は貯金が1億、株が総額3億円分位保持している。

「あたしはラミラと軍資金集めに行ってくるわ」

支持率が驚異的に回復してる今こそダメ押しの定額給付金で好景気を決定的にするべきだった。

アメリカはついに日本製品に高関税をかけ、アメリカはもはや市場として魅力的ではない。

ならば内需に走るしか、日本の生き残る道はないだろう。

支持率は最近の定額給付金で12%にまで回復していたが、まだ信任を得たとは言えない。

「何か国民に負担をかけずに増税をする方法はない物だろうか?」

こんな話になるとすぐにやり玉に挙げられるのがタバコ税であるのだ。

議会に働きかけたら、内心不安に思ってるのだろう。

ビクビクと震えながら、それも表面的には友好的にタバコ税を3倍にする事に同意した。

吸わなくなれば肺がんの死者が減るし、吸ってくれれば税収が10兆円は上がる。

別に国は困らない。

「ふざけるなぁ。増税反対~。喫煙者の権利を守れ~」

「タバコ税でどれだけ儲けさせてやったと思ってるんだよ」

などと抗議するが、国民の理解は得られなかったようだ。

皆ざまあみろ位にか思ってないらしく、喫煙者は泣く泣く税金を支払った。

この収入は年間8兆円の税収を日本にもたらす事になる。

「これで税収の予定額は77兆円だが、国民に配る定額給付金は欠かさずやれよ」

定額給付金を欠かさずやるとなると財源が必要だが、当てはあるのか?

「ある訳ないだろう。財務大臣には金貨を発行するように言っておけ」

全世界に100万円金貨を売りつければ、多少は定額給付金の財源になるかもしれないではないか。

「然し幾ら余剰食料を消費する為とは言え、こうもキャベツばかりではなぁ」

「我慢しろ。世の中にはキャベツを食べられない人間だって多いんだ」

取り敢えず政権の課題は、この山のようなキャベツを腐らせずに夏まで持たすかである。

夏まで持たせれば絶対に値上がりする。

そうなれば他の農作物と合わせて、3兆円はぼろ儲けが出来る筈であった。

「そうは言っても酢漬けにでもするか氷室にでも保管するか。どういたしましょう?」

「氷室にしよう。早速手配させろ。グズグズ言うようなら罷免しろ」

こうして6月頃には氷室が完成して、キャベツはそこに保管される事になる。

そして雨季が過ぎ初夏に入ると猛烈な暑さが日本列島を襲ってきて計画通り食物の値段が上がった。

「良し、今こそ売り時だ」

外様の号令の下キャベツや他の作物は市場に出されて売れに売れまくった。

これで2兆円も軍資金を得たので、早速定額給付金を行うと国民が大喜びである。

「国は良いよなぁ。命令するだけで保管料の高い氷室をタダ同然で作れるんだからなぁ」

「氷室作れば保管出来る事位誰でも知ってるがお金がないんだよ」

「でもおかげで猛暑の被害の少ない地方は大金持ちじゃないか。感謝はするべきだよ」

農民の意見は様々だが、ふるさと納税で儲かってる村とかには徐々に人口が増え始めている。

猛暑の打撃が少ない場所が多かったので、蓄財に精を出した。

「俺やっと正社員になれたんだ。結婚してくれ。俺30歳だから定年まで勤めあげて年金貰える」

「財産目当てで良いから俺の嫁になってくれ。70歳にもなって独り身は辛いものがある」

などとホンのちょびっとだけ村の人口が増加した。

日本の国民そのものは、人口減少に悩んでいる。

「言い忘れたが。米を作ってる農家は収穫したら必ず裏作で小麦を作れよ」

農家の収入を上げるべく、国が率先して資金を農家に与えないといけないのだが今は出来ない。

クーデターの負い目から今は黙っているが、改革に本腰を入れたら不信任案を出されるだろう。

そうなったら少数与党の小波の会は野党の要求を丸呑みするしか手段がなくなる・・・。

「この国で冬小麦作って売れるんですか?」

「あんたは命令する立場だから何とでも言えるが、作物は売れなきゃ生ゴミ化するんですよ」

「心配するな。国で買い上げてやる」

いい加減な約束だが、嘘も方便と墓場まで秘密を持っていく覚悟を固めた。

「それに家畜の餌に出来るから、無駄にはならんさ」

「折角作った作物が豚の餌になるのは、ちょっと嫌なんですが」

「心配するな。牛に食べさせれば良い」

「分かりました。冬小麦作ります」

農家の説得に成功した外様は、財務大臣に作らせた金貨をいよいよ売りに出した。

結果から言うと1兆円の儲けになり、(返品不可)定額給付金が行われる。

この定額給付金の効果で経済成長率が1.2%押し上げられ、2.7%になった。

株価が25000円近くに膨れ上がってきている。

「氷室を普及させて農作物の劣化を防ぐんだ。自衛隊の皆さん。お願いしますね」

「え~?俺たち農作業はやった事ないんだけどなぁ」

「俺はある。こんな事になるなら親の後継いだ方がよかったかもな」

この隊員は、任務終了後即座に除隊して農家を継いだらしい。

「ついでに荒れ果てた森林も間伐してきてください」

「命令なら従いますが、林業と漁業と狩猟はまだまだ儲かる余地がありそうですね」

俺の知り合いにも林業に興味を持つ女子がいたから、今度誘ってみよう。

あいつなら大喜びするに違いない。

そして2人は恋人になったらしいが、外様はこの兵士のその後を知らなかった。

「兎に角選挙で多数与党にならなければどうにもならん」

外様は、総選挙で野党と戦う覚悟を固めるが、野党の方も総理を追い詰めるべく、内閣不信任案の提出を急いでいたのだ。

こうして野党対与党のバトルが開催される事になるのである。




財務大臣の名前忘れてしまった。

次回にはちゃんと名前で登場すると思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ