炎の党の逆襲
外様政権の政策のごとく黒字化できるかもと思っていたのが前政権だと思います。
リアルはさすがに厳しいですけどね、
まず反外様派の炎の党は、アメリカに対して貢いだ40兆円を返還するように最後通告した・・・。
従わなければアメリカを国際法違反で訴える用意もあるが、たぶんアメリカは無視するだろう。
外様政権は、貿易黒字と化したアメリカとの貿易を加速させる為、貢物を50兆円増額する事にした。
これをアメリカは拒否するが、流石のアメリカも貢物は国内を弱体化させるだけだと気付いたらしい。
「日本にお金を返還するか、ドルを大量に発行すればこの苦境から逃れられますよ。アメリカ以外の国は大不況に悩まされる事になるが、そんなの俺達の知った事じゃない」
部下の発言を聞いたアメリカ大統領は、即座に5兆ドル紙幣発行に同意する事となった・・・。
アメリカに物資を供給していた日本企業は、大打撃を食らうが致命的な失策ではない。
既にテロ支援国家に認定された時に、殆どの企業がアメリカを見捨てて去って行ったのだ。
残ってる企業は、自動車と家電製品の会社位であるが、アメリカは関税を300倍に引き上げた。
これにより日本企業は販売の拠点をEUとアフリカとアジアと中東と南米に移す事になる。
「世界の国からカツアゲするなんて、それでもアメリカは超大国と言えるのか?プライドを捨てたか?」
だがアメリカにとって日本は目障りな貿易相手国であり、撤退してくれてむしろ感謝してるらしい。
「炎の党は、アメリカを国際法違反で訴えます。恥を知るなら法廷で貿易の利を争おうではないか」
「ふん。弱小党が何を言ってやがる。アメリカ大統領たる俺は偉いのだ。黙って従ってれば良いのだ」
アメリカは日本を再びテロ支援国家に指定するが、4大陸の国家からの融資もあり今回は効果がなかったようだが、こうなればアメリカにお金を貢ぐ必要性は全くない。
どうせ幾ら貢いでも、気に入らない事があれば、平気でテロ支援国家に指定してしまうのだ。
カラシナの乱の影響もあって、物資は某国ルートかアメリカルート、ロシアルートしかなくなった。
アメリカに見捨てられ、ロシアも北方4島問題でぎくしゃくしてる今某国ルートに頼るしかない。
某国も日本の弱みに付け込んで、ささやかに関税を2倍に引き上げたが、石油が手に入る事になったので有難いと企業はお金を支払った。
「総理。来年の1月末までに貢いだ40兆円を返還しなければ、内閣不信任案出しますよ?」
「国のトップがそんな弱腰でまともに交渉できると思ってるんですか?」
炎の党は、小波の会に対抗するべく北海道を拠点に活動を始めた。
北海道の100万の民草を支配下に置けば、外様打倒の為のデモ行進が容易に出来るからだ。
西は別の反外様派の拠点であり、昨日今日作った政党がそう簡単には票を獲得出来ない。
「北海道の知事選を行え~。知事は国民の声に耳を傾けろ~。選挙をやれ~」
炎の党は、北海道での知事選を要求して、デモを行った。
そんな中、アメリカがカツアゲした40兆円を返還してくるが、もう遅い。
誰もアメリカと取引しなくなり、アメリカは武力で脅してメキシコとかカナダとかと交易している。
「日本にはドルで1兆ドルを貢ぐように申し渡す。円で貢ぐなよ?あれは嫌がらせだ・・・」
嫌がらせしてるのはアメリカの方だと外様は思ったが、口には出さなかった。
「取り敢えず返してもらった40兆円は、借金返済に使おうぜ。それとドルを買い増す費用だな」
最近の為替レートは、かろうじて1ドル=120円を維持していた。
アメリカが本気でドル安競争に打って出ればもっと相場は安くなるだろうと思う。
「だが関税200%もかけられちゃアメリカとは商売できないよ。別の取引先探そう」
「アメリカ3億の市場は魅力的なんだが、こうなっては仕方がないな」
カラシナの乱で、6千の兵が40万人のフィリピン軍と激闘を繰り広げていた。
炎の党は、日本の資金提供を要求したが、他人にやるお金は1円もないので拒否するが、炎の党は之を見て、小波の会を批判し始めた。
日本円はアメリカにとって鬼門である。
「フィリピンルートを失えば、日本は某国やアメリカから高い石油を買うしかなくなるんですよ」
「俺達は総選挙で外様政権の真意を問う事を要求して総選挙の準備に入った。
まあ今総選挙をやったところで、外様政権が圧勝するに決まっているが、炎の党も議席を増やせる。
「別に良いぞ。じゃあ解散総選挙だ。外様政権と野党のどちらを国民が支持するか真意を問おう」
こうして外様政権以後2回目の総選挙が始まり、各地で遊説が行われた。
だが炎の党の政党支持率が2%なのに対して、外様政権は45%である。
党員も2千万人を超える大政党にのし上がっていた。
炎の党の党員は、北海道に20万人程度である。
選挙などやっても炎の党の大惨敗に終わることは明白だが、炎の党は諦めていなかった。
出口調査でも炎の党の議席は4議席、与党が380議席の圧勝の予想である。
アメリカ追従政策が不人気を誘ったが、それでも財政黒字化を達成した救国の英雄なのだ・・・。
黒字化すれば、後はお金が貯まるだけなので、これからは豊かな生活が送れるだろうと国民は思ってる。
その外様政権を退陣に追い込んだら、財政が再び悪化するかもしれないではないかと国民は思った。
それ故結果的に外様政権382人、野党68人、炎の党だけだと5議席となった。
「選挙などやらねば良かった。これで外様独裁政権はますます勢いを得る事になるだろう」
「諦めないぞ。与党を切り崩して炎の党への参加者を募るんだ。選挙で勝ちたいが為に、小波の会から立候補した隠れ炎の党の支持者もいる筈である」
こうして与党議員に勧誘の魔の手が及ぶが、議員だって与党で威張り散らしていた方がいいに決まっているのだから、炎の党に合流する勢力は2名だけだった。
「やった。言い忘れていたが、炎の党の規約で食べ物は全て国産品を食べるというのがある」
「それ外様政権でもやってるかも?2千万人の党員が国産食べれば食料自給率も上がるからな」
2千万人の党員には家族もいる。
実質5千万人は国産飲食に動員出来るのだ。
「今年度の目標は、税収110兆円を維持する事である。支出は105兆円に抑える心算だから、当面は黒字の維持が目標だ。アメリカから返還されたお金は10兆円は企業に返済して、残りの30兆円は、10兆円だけ使って定額給付金を行いたいと思う」
「外様総理万歳~。こんな独裁者なら俺達国民も大歓迎だぜ。何時までも総理を勤めてください」
外様も勿論その心算だが、定額給付金も10兆円もばらまけば経済成長率1%は底上げ出来る。
「米を収穫したが、今年の米は余り美味しくないな。最近猛暑だからな」
「暑さに負けない品種の米を研究はしてるんですけどね」
最近は猛暑のせいもあって食料の値段は高い。
だがそれでも5千万人の党員と家族は、必死に国産野菜と肉を食べ続けていた。
ここで農家を見捨てたら、せっかく食料自給率65%まで回復したのが無駄になってしまうからだ。
炎の党ともこの辺の事情は与党と一緒なので、あえて逆らわないが、食料自給率70%越えは無理だろうと、与党も野党も思っている。
TPP関連で、安い食材が大量に輸入されるので国産に頼っている訳にもいかないからだ。
外国産を否定すれば国同士が仲が悪くなる位だけなのである。
「それでも増産するさ。不味いコメでもカレーか何かをかければ気にはならない」
「不味いコメでも数さえあれば自給率に貢献出来る」
農家は貧しい生活を強いられるかもしれないが、それでも畑を耕すことを止められない。
「愛国的行為として国産の肉や野菜を食べよう」
「薩摩芋の完全自給化すれば、食料自給率も上がる筈。休耕地に薩摩芋植えよう」
日本完全自給化するには、芋と魚位しか食べられなくと言ってた奴が昔いたが、食料自給率75%位なら今の日本でも可能な筈なので、早速収穫して外国高値で売り飛ばそうと思った。
国内で消費出来ればそれに越した事はないのだが、この季節の野菜不足困った。
一応氷室は完備してあるが、それでも品薄になるのである。
「炎の党は完全食料自給化を国に要求する。20兆円もお金が残っているなら融資出来るだろう?」
鉱山の跡地とか、解体した空き家とか食料を作れそうな土地は余っているのだ。
活用しない訳にはいかないので、早速空き家法を議会に通した。
いわく、空き家は政府が安く買い上げ、持ち主がいない土地は没収出来る法案である・・・。
「いや~、これで20兆円分の資産が儲かった。早速安く転売して農地を増やそう」
「竜一さん。国家経営って儲かりますねぇ」
だが自衛隊の当面の目標は台風対策である。
毎年来るのは分かり切っているのだから、自衛隊の力で台風被害を軽減しようと思ったのだ。
軍隊を動かすには莫大なお金がかかるが、防衛費で賄う事になる。
「自衛隊を動かしたら、農家の収入の何倍も費用がかさむのではないか?」
「それ言うなよ。自衛隊の仕事は国民の安全を守る事だぜ。その為には多少の予算は・・・」
結局国民が負担する事になるんだが、今年中の消費税増是は無理だなと外様は思った。
そもそも財政黒字化で増税などしたら、国民の反発が怖いので、延期する事にする。
2022年1月1日をもって1%増税する事に決まった。
最近は物価も高いし、仕事はきついし良い事なしの労働者と高齢者だが景気は良かった。
10月、小麦が植えられ農民は冬野菜の生産に取り掛かるが今年は寒そうである。
北海道にも自衛隊を派遣して、炎の党を切り崩さねばと外様は思っていた。
だがあからさまにそれをやると職権乱用になるので、取り敢えずは我慢して成り行きを見守る。
そして2021年2月、税収の予想金額が108兆円、補正予算に充てる分が6兆円となった。
「予定よりは少ないが、これでも財政黒字化は達成出来ている。借金返済用の資産を50兆円ほど確保して、借金の残高を減らすぞ。良いな?文句があるなら先に行ってくれ」
外様政権は豊かな財政の下、支持基盤を固めつつあったのだ。
この政治改革の話は俺の妄想です。
そんな上手く行く訳ないだろとか本人も思いますが・・・。