非正規労働
今の時代ならストライキやればすぐに正社員になれますよ。
外様政権になってから、非正規紅葉が100万人も減ったがまだまだ労働者の完全正社員化には程遠い。
その殆ど全てが今年大学を卒業した若者であったが、最近の派遣労働者も数を減らしているのだ。
正社員にしてくれない企業からはサッサとサヨナラして、正社員にしてくれる会社に就職すればいい。
労働者にはストライキの権利さえ与えられているので、労働条件が悪い会社では働かねばいいのだ。
プロ野球の選手がストライキをした時、企業側が損害賠償を要求するかで悩んだらしいが、一般企業ならたぶん大丈夫だろうと思えるので、どんどんストライキをやったらいい。
労働者はブラック企業を倒すべく、労働組合に唆されてストライキに走る事になった。
要求は「全ての労働者を正社員にしろ」であるが、会社側が受け入れるかどうかは不鮮明である。
それと年金の掛け金不払い運動も起こっていた。
消えた年金や約束通りの年金が支払われないので、若者が怒って不払いを宣言したのだ。
年金は千円上がったが、それだって約束の金額よりははるかに少ない。
「約束を守らない限り年金の掛け金は1円も払わん」
「政府は年金を満額支給しろ。出なければ生活保護を申請するだけだ」
真面目に働いても年金が支払われない(あるいは少なくなる)のでは勤労意欲が低下する。
「そんな事言われたって少子高齢化で財源に余裕はない。分かってくれよう。年金支給額引き下げたいところを無理算段して決められた金額支払ってるんだぜ」
「そんな事知った事かぁ。とにかく約束を守れ~。外様政権で我慢したがもう限界だ・・・」
「年金支給年齢を60歳に戻せ~」
「経営陣は責任とって辞職しろ~。当然退職金は無しで給料も全額返納だぁ」
経営陣は年金を運用して国民に分配する義務を放棄して年金支給額下げたんだから給料カットも当然だろうと思ってる若者達であるが、年金に余裕はないのできんがくはすえ置きである。
「ふざけるなぁ。60歳からどうやって暮らせばいいんだよ?」
「外様政権は少なくとも定額給付金やってくれただけマシだ。俺はあの総理を支持するぜ」
当然裁判闘争になるが、3年は決着が付かないに違いない。
「取り敢えず労働者の雇用条件改善が先だ。1日8時間労働を維持しろ~」
「定額給付金で1月暮らせるのは有り難いが、最近やってくれないのが残念だ」
労働者達の決死の抗議活動に、裁判所が話し合うように企業に通告してきた。
裁判所に、恐れながらと訴えた奴がいたらしい。
「分かったよ。正社員にすればいいんだろ?我儘な社員だと企業が困るよな」
「何だとぅ?俺達は正当な権利を要求してるだけだ」
労働組合からも派遣労働の見直しの通告が出され、裁判所も動き出した。
止めが外様の圧力であるが、これを機会に派遣労働は姿を消した。
労働者に逃げられては、店じまいする歯科なくなる今の状況では妥協するしかない。
「足元見やがって。労働者を敵に回しては企業に勝ち目がない事を見抜いていやがる。
「いっそ本当に店じまいしてやろうか?そうなったらお前らが困るんだぞ」
「好きにしてください。その時は別の仕事探すだけですから」
こうして労働者の立場が強大化すると、アルバイトも正社員待遇で雇う事になり資金が出ない。
「少数精鋭化の時代が来てるなぁ。正社員待遇じゃバイト減らすしかなくなるだろう」
フリーターを全否定してる外様政権では、正社員が労働力の基本になる事になる。
当然パートのおばちゃんも正社員待遇だ。
「機械化してパートのおばちゃん減らそう・・・」
「うちはファミレスだからバイト減らす訳にいかない」
企業の苦悩は続くが、外様政権は農業回帰と労働問題に熱中していた。
人手不足さえ解消出来れば、日本はまだまだ豊かになれる国力があると信じればこそ。
女性も高齢者も子供も働かねば生産性を維持出来ない時代である。
非正規のデモによる正社員化は、外様にとって追い風だった。
これからもっと消費が上向くかも知れないし、出生率も上るかも知れないのだ。
正社員となら結婚しても良いと考える女性は日本にも多いから、出生率も1.7%は期待したい。
「竜一さん。国民からふるさと納税と称する寄付が1兆円集まりました」
この金は定額給付金に回す事にする。
「返礼品には1万円金貨を造幣局に作らせて配っておきなさい」
「分かりました。皆喜びますよ」
美香は仕事をしに財務省に足を運ぶが、この時労働者の一部が国家に寄付を申し出た・・・。
「あのう。少ないですが国家運営の足しにしてください。10兆円あります」
労働者が根こそぎ財産を持ってきたらしいが、流石に受け取る訳にいかないので謝絶した。
「3千万人の労働者からかき集めたんですから、今更返せませんよ。受け取ってください・・・」
もし返されたら国民に返却する事もできず、我々が国民を騙した事になる。
それは理不尽極まりない状況なので、外様も受け取り国庫に納めた。
野党がこれを聞いて追及していくが、やましい事はしてないので、平然として答えた。
「俺はこの寄付から1円もお金を用立てた事はありません。疑うなら裁判やりますか?」
「いえ、幾ら野党が疑惑追及でも証拠が不十分なのに汚職と決めつける訳にもいきませんしねぇ」
そして労働者達は、ストライキで勝ったこの日を労働者の日と定めて祝う事にしたのだ。
労働者だけで5千万人越えの筈なのに、生産性が低い日本の労働・・・。