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黒と蒼空の魔導戦線  作者: 悠
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第1話

隙間時間が出来たので、1話を投稿させていただきました。空いた時間を使って書いたので相当短いですが、明日から10日までの間に次の話は投稿する心づもりなので、どうか勘弁してください。

 2752年、4月28日。日本・静岡上空を飛行中の空中都市・天照にある小隊棟。その屋上。

 「・・・平和だなぁ・・・。」

 座学棟の屋上の床に寝そべって昼寝をしている、黒髪の少年ーーー天照所属である事を示す、他の空中都市とは違い、地上の高校のものと同じ色と型の、ブレザータイプの制服を着崩しているーーー龍崎翠人はそう呟くと、大きなあくびをした。今は午後1時半過ぎ。中等科はまだ座学の時間だが、高等科は基本的に午後は自習か任務があるため、授業は実質午前だけに限られる。他の学生が任務に向かったり、友人らと共に自主練に励む中で翠人は昼寝の真っ最中であった。

 「ずっとこんな感じだったらいいんだけどなぁ・・・。」

 そう翠人が呟いていると、屋上の扉が開く音がして、同じように天照の学生である事を示す、ブレザータイプの女子用制服を着た少女が顔を覗かせた。

 「・・・あ!やっぱりここにいた!」

 その少女は翠人を見つけるやいなや、腰近くまで伸ばした濡羽色の黒髪を靡かせながら駆け寄ってくる。

 「あー、そういや約束してたっけ・・・。また説教かぁ・・・面倒だなぁ。」

 悪態をつきながら翠人が体を起こすと、少女が目の前に膨れっ面で立っていた。

 「全くもう・・・。今日までに出す書類の残りの作成手伝ってくれるって言ったじゃない。ちゃんと約束守ってよー。」

 「悪い悪い。いやぁ、ちょっとだけ昼寝するつもりだったんだけど、あんまりにも暖かいし気持ちよくてな。寝過ごした。」

 翠人がとぼけた顔でそう言うと、ロングストレートヘア(本人曰く、先の方をふわっとした感じにしているのは彼女なりのこだわりらしい)に、後ろの髪の一部を桜色の結い紐で束ねている、容姿端麗な少女ーーー光原詩織は呆れた顔で溜め息をついた。

 「相変わらずそのダメ性は平常運転なんだね・・・。まぁ、今更どうこう言うつもりはないけど。ほら、さっさと動く!書かなきゃいけない書類が沢山あるんだから!」

 「わ、分かったからそんな引っ張るな・・・!」

 詩織がぐいぐいと翠人の手を引っ張って、小隊棟へと連行していく。この光景が、天照の学生にとってはもはや日常になっていた。

 

 「早く入って書類を書く!これ、小隊長命令だからね!」

 「あーはいはい、分かったって・・・。」

 場所は変わり、小隊棟の2楷にある146小隊室。翠人が溜め息をつきながら詩織の後について中に入ると、いきなり全方位からの言葉の砲撃が飛んできた。

 「おい翠人、テメーどこほっつき歩いてやがった?(怒)」

 ボサボサ髪の少年ーーーレオ・グラフィスが握り拳を作って指を鳴らし、

 「に、兄さん、落ち着いて!早まらないで!?(汗)」

 長い茶髪をポニーテールにした少女ーーーアイナがそれを羽交い締めにして必死に止め、

 「相変わらず仲睦まじいねー、お二人さん。」

 ショートヘアの金髪少女ーーー渡瀬舞がその光景を素知らぬ顔でスルーし、

 「鍛練の時間、削られた・・・今度特訓に付き合って。」

 茶髪をショートボブにし、もみあげを長く伸ばした少女ーーー煌月時雨が手元の書類にペンを走らせながらこっちをボーッとした目で見ている。小隊室の一番前、教官用の机には大量の書類が積まれていた。ざっと見ただけでも50枚以上はある。

 「・・・ちょっと待て、何だこの量。普通こんなに書類貯まらないだろ?どうなってんだ、レオ。」

 146小隊の事務書類整理役はレオの担当だった。彼がちゃんと書類を出していればこんなには貯まらない・・・はずなのだが。

 「あー、それか。実は最近書類まとめてた棚を倒しちまってね、どれがどれだか分からなくなって、終いには整理が面倒くさ・・・」

 「アホタレェェェ!それでも書類整理役かテメェ!?ちゃんと働けよ!?そうか、最近詩織の機嫌が悪かったのテメェのせいか!?そうなんだな!?こいつの機嫌が悪いと大抵俺が理不尽な制裁食らうんだぞ!?とにかくさっさと終わってる書類片っ端から出してこい!そしてさっさと終わってない書類を書け!ペナルティ食らったらどうすんだ!?死にたいのかお前は!?」

 ガックガックとレオの肩を揺らし、ひたすらツッコミを入れまくる。流石にヤバいと思ったのだろう、血相変えて棚から終わっている書類をかき集めると小隊室を飛び出していった。一方の翠人はと言えば、「ペナルティだけは勘弁ペナルティだけは勘弁ペナルティだけは勘弁・・・」と呪文のようにひたすらブツブツと呟きながら頭を抱えていた。

 「ほら、翠人もペナルティ嫌なら終わってない書類早く書いて。黒呪生物(カーズ)に関する書類なら、翠人の知識量ですぐに書ききれるでしょ。今日中に終わるって、私信じてるからね?」

 レオが出ていくと、詩織がそう言いながらこっちを見てきた。目をキラキラさせながら、満面の笑みで。

 「うぅ・・・分かったよ。晩飯までには間に合わせる。」

 彼女の機嫌はさておき、「信じてる」などと、長い付き合いの少女に言われてしまってはどうも断る事の出来ない翠人だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆様おはこんばんにちは、悠です。第1話を読んでくださりありがとうございました。何か・・・自分でも短いなぁと感じております。空いた時間を使ってるからか・・・。明日から10日までは丸々暇ですので、そこで書いたのを投稿したいなぁー、と思っております。どうかゆっくり待っていてください。

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