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守護のカカシと魔法使い  作者: タングステン風味
5/5

頼りになるけど

ご主人様はソフィと共にギルドを出ると一直線に宿に向かった。

しかしこのソフィという女剣士、ご主人様を見る目がどうも熱っぽい。

あれ系の人かこの女。


「ねぇねぇ姉ちゃん達、俺たちと遊ばない?」


テンプレセリフを吐き出しながら視界に入って来たのは、いかにもチャラそうで酔っぱらいの3人組の冒険者だった。


~ご主人ちゃんついていっちゃだめだぞ?~


~わかってるわよ…私を何だと思っているの?~


お人よしのお子ちゃま魔法使いだが。


「ブ男に興味はないのよ。消えなさい」


あーあそんなに喧嘩売るような言い方しなくても、ほら案の状タコみたいに赤くなって怒り出した。


「何だと?!俺たち漆黒の牙に喧嘩売ってんのか?!おら、一緒に来いよ!!」


漆黒の牙のリーダー格っぽい漢は俺のご主人様の手を掴もうとする。

腕を掴むその瞬間

ソフィは前蹴りでブ男を蹴飛ばしたぁ?!


「私のレーナちゃんのおててに触れようなんて4000年は早いのよ」


おててって…突っ込みどころが色々ありすぎだろう。


「てめぇ!!よくも兄貴を!!!」


ブ男共は腰にさしていた短剣を抜いた。

馬鹿なのかこいつら?女の子二人相手に町中で剣を抜いたぞ。


「へえ抜いたわね?」


凄絶な笑みを浮かべソフィは、腰に佩いていた長剣に手をかける。


「貴様等!!何をやっているか!!」


騒ぎを聞きつけた衛兵がこちらに向かって来ているのが見えた。

ふう良かったこれでッ?!

短剣を構えた冒険者がソフィに突っ込んできた!!


「ソフィ!!」


「!?」


ソフィは突き出された腕をつかんでブ男を投げ飛ばし、ブ男は綺麗に一回転し地面に沈む。


そして、流れるような動作で長剣を抜き放った。


「往生せぇやぁ~!!」


最後に残ったブ男はどこぞの極道の様なセリフを言いながら上段から短剣を振り下ろす。


「その程度で私に挑むとは身の程をッ知りなさい」


言い終わる頃には相手の短剣を弾き飛ばし、ソフィの剣は鞘に戻っていた。

全てが終わった後だが、漸く衛兵が到着。


「町中で剣を抜くとはどういうつもりだッ!?ま、魔法使い様?これは失礼しました!!」


「別にいい。それよりこの人たちを拘束してくれる?この人たち、漆黒の牙っていうパーティで私達襲われたの」


「は!!私も一部始終を見ておりましたので、魔法使い様方に非がないのはわかっております」


衛兵はてきぱきと男を縄で縛ると何処かへ連行していった。


「大丈夫だった?レーナちゃん」


ぺたぺたとご主人様の体をまさぐるソフィ。


「やめて」


ご主人様はぴしゃりと言い放ち宿へ向かうのだった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

宿に到着、2階への階段を上がるご主人様達。


「レーナちゃんはどんな使い魔を手にいれたのかな~♪」


俺がいる部屋の扉を開けると俺が視界に入って来た。

ご主人様が感覚の同調を解く。


「チュン♪」


ご主人様を饅頭雀がポケットから頭だけ出して出迎えた。


「キャーこの子が使い魔?レーナちゃんらしいかわいい雀ちゃんね(にしてもなんでカカシ?この子の巣か何か?)」


ソフィが饅頭をなでりなでりと撫でる。

饅頭も嬉しそうだ。


「いや違う。そのカカシが私の使い魔」


「またまたそんなこといって~…ほんと?」


ほんとです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ご主人様がここ数日の事をソフィに話した。


「…ちょっとどう反応はしていいかよくわからないわ。前世が人間の男で雷属性の魔法を操るカカシ?はっきりいって規格外ね」


うさん臭そうに俺をソフィが見ている。


「私を命の危機から助けてくれたし、多分いい人だから心配しないで」


「ちょっと、またあなた人助けで死にかけたの?はあ…もう、何度も言ってるけど、それやめなさい。いつか本当に死んでしまうわ」


ソフィが本当にご主人様を心配しているのが伝わってくる。

というか、いつもあんなことやっているのか?いくらお人好しといっても…一種の病気だな。


「貴族は皆を助けるのが義務だから当然のことをしてるだけ」


貴族?言っては何だが歩き方1つとっても貴族のそれではないのだが…訳ありか?


「はあ…そんなこと守ってるのはレーナちゃん位よ?って!!何で服脱いでるの?!」


ご主人様は服に手をかけている。


「何って服脱がないと私眠れない」


「私的にはおいしいと常々思っているけれど、レーナちゃんの珠の肌を男の前で晒すなんて駄目よ!駄目なの!」


ソフィがもっともなことを言っているが、本当に危ないのはお前自身だと心の中で叫ぶ。

せめて、その鼻息とだらしない顔をどうにかしてくれ。


「はっ!!そ、そういえば使い魔って感覚の共有や体の制御を自由に出来たわよね!?!?もしかして感覚の共有はまだしも、体の制御を渡したりしてないわよね?!」


「した。タクマがろ~ぱ~麺を食べる時に食べたいって言ったから」


ソフィがこの世の終わりみたいな顔をした。


「わ、私が夢にまで見たことをそん所そこらの男にぃっ…私も、レーナちゃんに乗り移ってあんなことやこんなことっ!!」


いやお前が思っているようなことはやらないから。


「ふうふう、…こほん、いい?カカシも男何だから着替える時は布をかぶせるなりしなきゃ駄目。それと体の制御もよっぽどのことがない限り渡しちゃ駄目よ。何されるか分かったもんじゃない」


それについて概ね同意だが、俺よりお前のほうが危険じゃないかな。

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