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白純の綱渡り  作者: パキスタン
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リアル品評会

私は自分のより下のやつを見下すのが好き。自分の価値を知ることができて安心できるから。人をいじめたら訴えられる。庇ったら自分も標的にされる。なら、どうすればいい?


答えは簡単。傍観してればいい。

人をいじめているわけでもないし、変に情をかけてるわけでもない。合理的でしょ?

私はそうやって生きてきた。面倒くさい人間関係を傍観一つでやり過ごしてきた。


正直言っていじめをするやつの気持ちなんか分かりはしないけど、変に庇って自分に被害がくるくらいなら傍観してるほうがまし。

そう、思ってた。でもそれは、奇跡に近いことだったらしい。

奇跡的に私よりステータスが低いやつがいて奇跡的に私より人に媚びるのが下手なやつがいて

奇跡的に私よりトロくてのろまなやつがいて


だから私は順番待ちなだけだった。

もし、私以外の全員がこれに当てはまらなかったら?私よりステータスが高くて人に媚びるのが上手で素早く瞬時に動けたとしたら


間違いなく標的は私になる。




どのクラスにも必ずいじめられる役の子がいる。でもその子がいきなり転校だのなんだので学校にこれなくなったら?


その役には誰もいなくなっちゃう。

そこからは下のやつから切り崩されるだけ。

いつも品評会のように品定めされている分次にこの役が当てはまるのは誰か?くらい誰でも分かる。


私のクラスにもいじめられる役の子がいた。

でもその子はいじめに耐えきれずに転校してしまった。

もちろんいじめられる役は空く。

そこに誰が当てはまるかって?

考えたくもない。想像したくもない。でも現実は非道。何者でもない、私だった。


明日から夏休みは終わって始業式。

いじめられる役は常に誰かがいないといけないから、私が休まないかぎり私って決まってる。

「かったる...でも行かなきゃなー...」

嫌な気持ちを誤魔化すために頬を叩く。

大丈夫、平然としてればターゲットは変わる

私じゃなければこの際誰でもいい


あーあ。ほんと、学校って


綱渡りだなぁ...

私は過去にいじめを受けた経験が一回。

操り人形のようになっていた経験が7年。

傍観していた経験は2年。


今思えば、傍観経験の時点で同罪なんだということを思い知らされています。

操り人形はいわゆるパシリー。

善し悪しはともかく幼稚園の頃から操り人形を経験した私にとって結構な耐性があったのは唯一の救いです。

でも人には限界がありますから。

我慢にも限界の域はあります。


私が今絡んでる子は非常に好き勝手やる子で自分の気に入らない子は徹底的に悪口を言い自分は知らないふりをする。

そんな子です。

ここでけなしていくのもなんなので詳しいことは書きませんがこれだけ酷い子は初めて。

ということだけ伝えておきます。


私の操り人形経験が何年あろうとこれに我慢するには結構犠牲にするものもありました。


むしろ、前操り人形の主だった子はまだ言葉についてよく理解することができなかった私に自分の言葉に責任を持つ。

というのとを心から伝えようと怒ってくれたぐらい。そう考えるとあのときの経験は操り人形なんかじゃなく人生経験なんだな、と思うことができます。

あの子と喋らないで、というような趣旨の話はありましたがそれでも人生の恩人のような存在です。

同級生からそれを教えられる、ということは新鮮でした。

私がいじめられたのは一昨年。

学年は言いませんが背伸びしたくなる時期です。

それなりに上の地位でやっていたけど、ある日いきなりその椅子から落とされて一気にいじめられる側に転落していきました。


それまでいろいろな経験をした私にとっていじめは遠いようで近い存在です。

あの日がくるまで、ニュースでいじめで自殺というようなことを聞いてもあまり興味を持たなかったのですが、あの日を境に他人事ではない。

と、思い返すことができました。


物心ついた頃から操り人形の心が植えつけられていた。そんないじめ小説、是非いつ、起こってもおかしくないと身近に感じで読んでいただけたらうれしいです。


読んでいただきありがとうございました。


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