23 残火
遅れてしまって申し訳ないです。
次回の投稿は来週辺りの予定ですのでよろしくです^_^
では本編をどうぞ
バルバトスは翼をはためかせ、クレスと距離をとる。
「体が燃えているように見えますが、それは何でしょうか?」
バルバトスは眼を細め、どういう仕組みなのか見極めようとする。
しかし、いくら観察していても何らかのアクションを起こさなければ殆ど何も解らないと考えたのか、右手を左から右へと振るう。
「自分で確かめろと、そういうことですか。ならば遠慮なくそうさせていただきましょう」
バルバトスの右腕から伸びる神光の不可視部位がクレスを切断しようと迫るが、クレスはそれを避けようとはしない。まるでその必要は無いとでも言っているかのように。
バルバトスの神光はクレスの右肘を切りおとし、そのまま脇腹へと入り内臓をも切断し、反対側の脇腹から抜けていく。
もし、この場に第三者が居れば間違い無くそのように考えていただろう。
しかし、神光はクレスの体を通過しただけであって上下を分けることは適わなかった。
「……なるほど、そういうことでしたか。まさか、炎と一体化する技だったとは」
バルバトスもクレスが何かしらするだろうとは考えていたが、まさかこうなるとは考えていなかった。
そのため、クレスが次にする事を考えておくことが出来なかった。
「喰らえっ」
クレスは目の前でクロスさせた両腕を勢いよく、かつ大きく広げ、周りに火の粉を振りまき散らす。
すると、その火の粉が周りの火の粉を巻き込んで大きくなり、高速の火の玉となってバルバトスへと迫る。
一瞬反応が遅れたバルバトスは、ギリギリのところで目の前まで来ていた火の玉を左手で払い落とそうとする。
「この程度の目くらまし、私に通用すると思ってーー」
しかし、火の玉は手に触れた瞬間に破裂し、バルバトスを巻き込んでの大爆発を起こす。
至近距離での爆発はバルバトスの身を焦がすのに充分な効果を発揮しているのか、バルバトスの叫び声が響く。
「目くらましだと油断するからそうなる。つってもこの程度じゃ大した効果は期待出来ないだろうな」
そう言って自分の左手の甲をさする。そこには先程まで無かった黒い模様が浮かび上がっていた。模様は他の部分よりも硬質化しているようだった。
この模様は恐らく肉体の限界を表しているんだろうな。弐の型・炎は肉体を炎と一体化する事によって物理的な干渉を殆ど受け付けない。その代わり負担も大き過ぎる。その事から考えるとこの模様は経過時間で変化するか、もしくは何らかのアクションを起こすことで変化するかのどちらか。どちらにしても逃げる事を考えると限界はたかが知れてる。
「なら目くらましでダメージを与えれないといけないわけだな」
いつの間にか止んでいた叫び声に気づきクレスがバルバトスへと目を向けると、身体中から煙を上げ所々黒ずんでいるのがわかった。
「……」
先程まで饒舌だったのにも関わらず、今は完全に沈黙している。
「どうした、お前こそ終わりか?」
クレスの声に頭をあげる。その顔は更に凶悪なものへと変わり、クレスに恐怖を感じさせる。
「……殺す」
「は?」
バルバトスは今までの比ではないほどの速度で動き出す。
クレスが気づいた時には神光に胸を貫かれていた。
「なっ⁉︎」
バルバトスは神光で貫いた箇所をずっと見つめている。その間にもう一度距離をとる。
炎を発動させているために物理的な干渉は受けてはいないが、急激な速度の上昇に驚きを隠せない。
「これはやばいな。尚更アリス達のところには行かせられねぇな」
こちらを見つめるバルバトスに恐怖を感じながらも向き合う。
※※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※※
「ハァハァ」
クレス達の闘っている場所、広場からは大分離れたところまで来た。
しかし、アリスは後ろから流れてくる魔力の残滓と時折聞こえる爆発音に不安を隠せない。
「クレス、大丈夫だよね?」
アリスは振り返り、姿の見えない少年の名を口にする。
「これだけ離れれば大丈夫だよね。今の内にお祖父様の手当てを」
グレムを一度地面に降ろし、傷の具合を見る。
「すごい出血、ワタシに出来るのかな」
心細さから不安を口にしてしまう。
「……出来るのかじゃない、しないといけない。時間を稼いでくれてるクレスのためにも」
決心したアリスは精霊達を呼び、傷の手当てをしていく。
「だからクレス、アナタも絶対に生き延びて」
第1章の章設定の追加と過去の分の多少の訂正を行いました。
こうした方が良いんじゃないかとか、ここは間違っているといった意見があると正直助かります。自分で探すと時間がかかってしまうので。
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m




