プロローグ1
この世界には地上世界と呼ばれる世界と、夢世界と呼ばれる世界がある。
地上世界に住む人類には自発的に夢世界に行く手段は無いとされてきた。
そのため、『認識だけの世界』という認識から、空想の世界、お伽話など、およそ現実の世界ではないと考えられてきた。
だが、『運命の刻』を境にその考えは覆されることとなる。
夢世界から来たと思われる異形の物があちこちで発見されるようになったのである。
中には生物型のものも存在し、そのどれもが人類に害を与えていた。
人々はその脅威に対してなす術が無いことから、『絶対脅威』や『死の使徒』と呼ぶようになっていた。
誰もが死を待つだけの存在と化していた中、
『希望の大樹』という12個の黄金の果実を実らせた大樹が出現し、その果実を食べたものに、常軌を逸した能力を与えた。
そして、『希望の大樹』より能力を授かりし12人の戦士はその力で夢世界からくる脅威に立ち向かい、3人の戦士を失いながらも此れを退けた。
その後、戦士達は『ラウンズ』と呼ばれ、人々に崇められるようになった。
『ラウンズ』はそれぞれが国家を形成し、脅威に対抗する術を模索し続けていた。
ーー『運命の刻』からちょうど1年後、『ラウンズ』は忽然と姿を消す。