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ル・ガル帝國興亡記 ~ 征服王リュカオンの物語  作者: 陸奥守
大侵攻~忍耐と苦痛と後悔の日々
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聖導教会との戦い 01


 暖かな風が王都に吹き込む4月の始め。

 王府は公式に次期帝であるキャリ・アージンが婚約したと発表した。


 余りに唐突な慶事の発表だった為か、全土が一斉に沸き立った。

 この数年、余りにも国難続きであった為、久しぶりの明るいニュースだった。


 ただ、その内容が余りに衝撃的で、王都は元より全土で話題になった。

 それこそ、慶祝奉賀の前に、驚きと戸惑いが沸き起こったのだ。


 ――――太陽王は次期帝となるキャリ殿下の婚約を承認された

 ――――聖導教会で慈善活動を行ってきたシスターが見初められた

 ――――サウリクル家の前当主カウリ公の妃であったオリビア妃の姪である

 ――――後日公式の場にてお披露目される


 ここまでならば何も問題はないのだろう。

 まさか市民も王権の生前譲位が行われるとは思っていなかったはず。


 では何が問題になったのかというと……


 ――――追記

 ――――冬前には太陽王の初孫が誕生される見込みである

 ――――以て太陽王はその王位を次期帝キャリ殿下に譲られる


 ……と、書き記された追記文だった。




     『 王 は 譲 位 さ れ る の か ! 』




 国民の間に発生した衝撃は如何ばかりであったか。

 様々な所から王府への問い合わせが殺到した。


 各公爵家は元より、寝耳に水であった聖導教会からも何ら相談無く王権譲渡が行われるのは遺憾だと文句が来たくらいだ。


 各方面への根回しなど一切無く唐突に発表されたそれは、王府による深謀遠慮そのものだった。キツネの悪巧みに対し強力に抵抗する為の準備であり、もっと言うならばカリオン・アージンというひとりの男の闘争を支援する準備。


 更なる波紋が沸き起こるのを狙っての行為だが、その実と言えば多くの国民がウォルドなるキツネの精神作用によりおかしな事に成らないようにする為の、いわばプレショックを与える行為だった。


「さて、これで後には引けないぞ?」


 満足そうな笑みを浮かべるカリオンは、王の執務室で寛いでいた。部屋のソファーにはキャリとビアンカのふたりが居て、その周囲には今上帝の政権を支える事に成る者達が揃っていた。


「引く気はないですけど……何か問題が?」


 不思議そうな顔をしたキャリはふと隣のビアンカを見た。それに気が付き視線を交わしたふたりは、自然に笑顔になる。


 このふたりがどんな人生になるのかは解らないが、少なくとも幸せであって欲しい。太陽王が修羅の道なのは解っているのだから、せめてその苦労や痛みや悲しみを分かち合って乗り越えて欲しい。


 皆がそんな事を願うのだが、そこに遠慮なくすごい言葉を叩き込んでくるのは、やはり空気を読めないトウリだった。


「秋までにはキャリの次の王になる子をこさえてくれないと困るからな」


 ……あっ!


 そんな顔になったキャリとビアンカ。

 はにかむふたりを見つつ、笑みを浮かべるカリオン。

 幸せな空気がそこに流れているのは間違い無い。


 ただ、キャリの王権が相当苦労するのは間違い無いだろう。

 少なくとも、獅子の国との闘争で荒れてしまった国内を立て直す必用がある。


「まぁ、それは夫婦の間のことだからともかくだけどさ――」


 同じように薄笑いのリリスは、サンドラを一瞥してから言った。


「――先ずは国家や社会をどうにかしないと、国が続かないわよ?」


 太陽王の后が国母として様々な所に口入するのはリリスの代からだ。

 今はサンドラがそれを受け継いでいて、農事や食糧供給に腐心している。


 問題はそこに眼力が求められると言う事だ。


 才ある者を探しだし、仕組みを飲み込ませ実務に当たらせる。

 その結果に責任を負い、上手く回るように指導せねばならない。


「……まだまだ至りませんので、ご指導いただきたく思います」


 段々とリリスやサンドラとの距離感を掴んできたビアンカ。

 そうやってひとつひとつ帝后としての階段を登るしか無い。

 様々な圧の掛かる環境で夫である太陽王を支えねばならないのだ。


「あなたも苦労するのでしょうね。だから、遠慮無く私達を頼りなさい」


 サンドラはリリスに一瞥すると、ビアンカにむけそう言った。

 リリスの推挙で帝后の座に着いた彼女がそうであるように、先達が必用なのだ。

 そしてここには、様々な経験をしてきた帝后がふたりも居るのだった……











 ――――――――帝國歴400年 4月 3日 午後

           ガルディブルク城 太陽王執務室











「陛下。聖導教会より使者がお見えになっております」


 どこか暖かな空気に包まれていた太陽王の執務室だが、王府スタッフの報告でカリオンは一気に現実に戻された。太陽王の世代交代に聖導教会が口を突っ込んできたと言う事は、少なくとも面倒な事態になるのが確定していた。


「……そうか。では謁見の間へ通せ。すぐに向かう」


 小さく舌打ちしつつもカリオンは立ち上がった。すぐさまヴァルターが剣の抜け留めを外して近くへと寄った。室内の空気が瞬時に険しいものになり、まるで戦支度でもするかのように、皆が一斉に動き始めた。


「陛下。送り狼しやすか?」


 リリスの近くに立っていたリベラが冷静な声でそう問うた。ただ、いつの間にか両手には手甲の付いた手袋をしていて、その中身と言えば間違い無く生身の人間を最大効率で殺す為の道具なのが見て取れた。


「いや、先ずは話を聞く。その上で判断する。場合によっては再び本業を頼むことになるだろうが……」


 リベラの本業と言えば暗殺と決まっている。およそ考え得る全ての殺人術を体得した稀代の細作は、足跡を残さずにどんな者でも殺してしまうのだ。ただ、それ故に使いどころが難しいカードでもある。


 事の成り行きを黙って眺めていたキャリは、リベラの表情からその内心を読み取ろうとした。だが、基本的に表情を一切変えない男故に、その努力も無駄なものになってしまう。そして……


「キャリ。お前も来い。あのカッパ禿げ連中とやり合う術を覚えろ」


 ビアンカが居る前で遠慮無く聖導教会を罵倒して見せたカリオン。

 だが、彼女もまたその言葉にフッと笑みを浮かべていた。


 およそ教会などと言う所がまともな訳が無いし、そこに属する者が聖人だなんて幻想も良い所だ。管轄する地域の信者から様々なモノが寄進される組織なのだから腐らない方がおかしいのだ。


 不労所得を得られる環境で、尚且つ地域の者達からチヤホヤされてしまう。そんな環境に居れば、妙な勘違いをする者も続出する。やがて彼等はそんな特権的立場を維持しようと努力し始める。神を奉る聖地に鬼が住むと言われる所以だった。


 ただ、キャリを連れ謁見の間へとやって来たカリオンも、面会を求めた使者を見た時にはさすがに面食らった。そこに立っていたのは、遠い日に一度だけ面識を持った聖導騎士だったからだ。


「ご無沙汰しております。太陽王猊下」


 太陽の地上代行者である太陽王の統べる国で、太陽王を陛下と呼ばぬ者達。聖導教会の関係者にとって、最高の肩書きを持つ者は法主であり王では無い。太陽王は法主の承認と戴冠の許しを得て即位する者なのだ。


 故に聖導騎士であろうと、或いは司教や大司教であろうと扱いは統一される。太陽王陛下では無く、猊下と言葉を換えてしまう芸の細かさだった。


「そなた…… 一度面識があるな…… そうか、思い出したぞ」


 驚く程に年老いたその男は、年齢に似合わぬ覇気を漂わせて立っていた。

 純白のローブには聖導騎士を示す薔薇の蔓で描かれたマークが刺繍されている。


「覚えておいででしたか。光栄な事にございます――」


 胸に手を当てて僅かに頭を垂れた老騎士は、胸を張って言った。


「――聖導騎士(パラディン)、ジークムント・バッハシュタインにございます」


 そう。この男は遠い日、ゼルと共にフレミナの補給団と合戦した男だ。あの時点で相当な年嵩だったはずだが、まだ存命だったのかとカリオンは驚く。この男は聖導教会が持つ武力としての騎士団を束ねる聖騎士達の長だ。


「父ゼルと共に走ったのだな。もはや懐かしいほどだ」

「手前も同じにございます。すぐに謁見して戴き恐縮に」


 随分と腰の低い聖導騎士だが、気を許して良い相手でもない。神の意志を地上に伝える役目を持つ聖導教会の法主を護る騎士の長。その立場と肩書きは近衛騎士団と同じく狂信レベルでの忠誠を要する。


 何より、太陽王の統べる国にあって太陽王の差配を受けない独立した武装集団なのだ。そもそも王都に最高の精兵と言うべき近衛師団が置かれる最大の理由は、ル・ガル国軍とは異なる強力な武装組織が王都に存在するからだった。


「で、本題はなんだね。早速聞こうじゃ無いか」


 あくまで鷹揚とした姿勢のカリオンは、遠慮無く言って見ろと要件を求めた。それに対し老騎士ジークは法主からの書状を差し出した。薔薇の紋様が刻印されたその封書は、聖導教会の法主のみが使える特別なモノ。


 そしてそれは教会の最高位にある者の言葉であると同時に、聖導教会という組織の意志でもあるとするもの。遍く地上を照らす太陽の地上代行者である太陽王に対し、遍く人々を救済し導こうとする神の地上代行者である存在の意志を意味する。


「こちらに法主よりのお言葉を持ってまいりました。どうかご一読頂きたく存じまする。若王の即位に反対するつもりは毛頭ございませぬ。ただ、どうか我らにもご配慮頂きたいという法主の願いにございます」


 ……飛びきりの面倒が飛び込んできた


 そんな本音が思わず顔に出たカリオン。だが、ジークは任務を果たしたとばかりに一歩下がって言った。きちんと礼を尽くし、筋を通し、それなりに敬意を示した形のパラディン。


 しかし、その物言いは不遜かつ不敬極まるものだ。そもそも神の権威を柱とする組織である以上、王の権威に対し折れる事など出来ない相談だろう。だが、だからといって王の側も余り邪険に扱う事も出来ないのが始末に悪いのだった。


「大いなる神の導きが若き王に道を示されるでしょう。神の教えを皆に伝えんと欲される我らもまたこのル・ガルの一部。どうか我らも心から新しき王の即位を祝える形になりますようご配慮賜りたくお願い申し上げまする」


 深々と頭を下げた老騎士は、言いたい事を言って去って行った。そも、王権に一切配慮しないのが聖導教会の恐ろしいところだ。カリオンはその書状を小脇に挟みつつ、顎を擦りながら思案していた。


「……ッチ!」


 盛大に舌打ちしつつ封書をジッと見たカリオンは、近くに居たウォークに封書を渡し歩き始めた。この場で封書を開けないのは、安全上の問題だ。執務室に戻ったカリオンはウィルを呼び、封書を確かめる様命じた。


「何らかの魔法作用等は見当たりません。ですが……」


 ウィルが顔を上げた時、リベラがスッと寄ってきた。

 作り物の身体を持つふたりが集まってやることと言えば、爆発対策だ。


「あっしの出番にござんすね。お嬢。申し訳ありやせんが――


 ニヤリと笑ってリベラがそう言うと、リリスは『解ってるわよ』と軽く応えて手を差し伸べ意識を集中した。手の先にボンヤリとした光の玉が形成され、その玉がグッと大きくなってリベラを包み込んだ。


「良いわよ」


 それは魔法で作った簡単な防爆室だ。手紙が何らかの呪物だった場合や爆発などを引き起こすモノ。或いは毒物であった場合などの時には、その光の玉の中で全てが終わるようにしてあるのだ。


「かっちけねぇでやんす。では、開けやす」


 恐ろしいレベルで鋭利な刃物を取り出したリベラは、細心の注意を払って封書の隅をスッと切った。中から何も飛び出さないのを確認しつつ、そのまま展開してゆくのだが、その中に封じられていた便箋は2枚ほどだった。


「陛下。見た限りただの便箋にござんす」


 リベラは次にその封書をウィルへと渡した。もしその内容が呪を伴うモノの場合には、魔法的対処を行う必用があるので魔法使いの出番なのだ。ただ、その中身を読んだウィルの表情が険しくなり、顔色まで変わっていくのが解った。


「陛下。これ自体に呪の気配はございませんが……少々不愉快な内容かと思われますので冷静にお読み下さい」


 ウィルの差し出した便箋を読み始めたカリオン。最初は冷静に読んでいたようだが、段々とその表情に凶相が混じり始めた。眉根を寄せて怒りを噛みしめるような様は、見る者に恐怖心を想起させていた。


「ねぇエル……」


 小声でキャリを呼んだビアンカ。カリオンと共に戻っていたキャリのすぐ近くにビアンカは居た。いつからかビアンカはキャリに対し様を付けなくなっていた。それについてキャリも違和感を持つ事が無い。


 そして、その言いたい事を解っているだけに、キャリは黙ってビアンカの手を握って言った。黙っていても心が通じ合うレベルになっているふたり。その関係性は盤石になりつつあった。


「大丈夫だよ。父上は聡明だ。身勝手な連中の要求など一笑に付されるさ」


 聖導教会がここに来て口を挟んできた理由はひとつしか無い。要するに、ビアンカは教会側の人間だと言う事で、それを寄こせと言うなら筋を通せと。王が法主に頭を下げろと。そう要求してきたのだ。


 そして、それが飲めないならビアンカを返せと言ってくるのだろう。そこに大義が有ろうと無かろうと、ル・ガルの全土に太陽王とは異なる支配力を維持している聖導教会の意向は、軽々しく無視して良い訳では無い……


「キャリ。重要な話だ。本音を言え」


 固い声音でカリオンは切り出した。その様子に執務室の中に居る者達は自然と緊張の度合いを上げた。ただ事では無いと確信し思わず『はい』と応えたキャリは、グッと奥歯を噛んで話を待った。


「この際だ。聖導教会を焼き払い、あそこの坊主全てを撫で斬りにしてくれようと思うが、お前はどう思う?」


 唐突に降ってわいたその言葉に、キャリは思わず裏返った声で『はい?』と応えていた。だが、思案していたカリオンの目がキャリを捉えた時、意味は解らないがキャリは背筋にゾクリと寒気を感じた。


  ―――――狂われている……


 カリオンの目に狂気の色が浮かんでいる。怒りを噛み殺しす事すら無く剥き出しにしているそれは、ひとりの人間として凄まじい怒気を発している姿だった。


「……賛成か反対かと問われれば、反対です。ですが、父上がそうされるというのであれば、それには反対しません。ただ、理由を教えて下さい」


 余りにも当然の言葉がキャリの口を突いて出て来た。ただ、それもやむを得ない部分がある。太陽王という肩書きが持つ権力の全てをキャリが知っている訳では無いし、その闇の深さを把握している訳でも無い。


 遍く地上を照らす太陽が眩ければ眩い程、地上には深く濃い影が落ちるもの。その影を造り出すのが太陽なのだから、太陽王はその闇を自在に扱うだけで無く必用な結果の為にあらゆる行為を実行する。


「そろそろお前にも教えねば成らん時が来たようだな」


 カリオンがそう言った時、リリスとサンドラは顔を見合わせ悲しそうな顔になっていた。太陽王即位以来、カリオンが歩んできた道程は決して平坦では無かった。何より、万民から祝福される訳では無かった。


 ―――――マダラを王に戴けるか!


 そんな声と戦い続けてきたカリオンの本音。

 そこにどんなドラマがあったのかと言えば、それはもう壮絶の一言だ。


「そもそも、余が戴冠した時には聖導教会の承認を一切得ていない。余は国民の前で戴冠し、国民と約束を交わした。政治を知らぬし、様々な仕来りや配慮や根回しと言ったもの知らなかった。その様なモノを教えてくれる先達が居なかった故だ」


 そう。過日キャリも不思議に思っていた、カリオン王即位の話だ。ミタラスの中央で市民を前に戴冠したカリオン。だがその日、日蝕は無かったし聖導教会の法主も姿を現さなかった。


 だが、前もって予定されていた日程と時間は、聖導教会の計算による日蝕日程を確認したモノだった筈。そもそも、暦を発給していたのが教会で、その計算術を独占していたのだ。


「じゃぁ……」


 キャリが腑に落ちたと言わんばかりの顔に成ったそれは、ここまでカリオンが聖導教会へ碌に足を運ばなかった理由の根本だった。そもそも教会の教義としては、マダラやケダマを差別の対象としてきたのだ。


 神の教えに反して生きた者は、死んで生まれ変わるとマダラやケダマになると教えてきたのだ。不義や不忠。密通と姦淫に溺れた者が辿る末路と不遇の未来。その解りやすい姿こそがマダラやケダマだった。


 そんな者が太陽王に即位するなどと言う事自体、聖導教会としては認められなかったのだ。彼等の教義その物とコンフリクトを起こすのだから。故に教会は王権と一定の距離を置いてきたし、カリオンも一切無視してきた部分がある。だが……


「そうだ。あの王都争乱の黒幕だ」


 カリオンが言い放ったそれは、アージン協議会なる負け犬組織によるクーデターを裏から支援した事を示す聖導教会側の確実な証拠を握っていると言うものだ。


「先代の法主をリベラに命じ処分したのだが『え?ほんとに??どうやって??』


 キャリが新鮮に驚くのもやむを得ない。聖導教会の大聖堂には3つの尖塔があるのだが、法主はその1つを私室としていた。異なる塔より渡される跳ね橋のみが通路になっていて、法主以外誰も入れない場所だ。


 法主はその中で死体となっていたのだが、基本的には誰も入れない場所故に教会側も早々に太陽王の送り込んだ刺客だと感付いたらしい。そう。王による魔導の研究が相当な規模なのを彼らも知っていたのだ。


「聖導教会も魔術を使うのは知っているな?」


 カリオンの問いに『はい』と応えたキャリ。だがその直後に『あ、そっか』と漏らしてビアンカを見た。彼女が不思議そうにキャリを見ているなか、ブツブツと何かを言っているキャリは顔を上げて言った。


「そもそも魔法を神の許さざる魔の力と言っているのに、なんで教会が魔法を使うのか?って所だ。矛盾してる……」


 頭の回転が良いキャリ故に、僅かなヒントで次々と事態を正確に把握し始めた。魔法を禁忌としている聖導教会も回復魔法を使う。それだけでなく、毒や麻痺と言った症状を回復させることも出来るし、呪物や呪いその物を解除する事も出来る。


 それだけ高度な魔法技術体系を持っていて、それでいて魔法が禁忌と言う方がおかしい。つまり、魔法技術の独占を図っていると考える方が自然で、もっと言えば金儲けと尊敬を集める道具にしているのだろう。


「お前は次の王だ。だからこそ覚えておかねばならぬ。聖導教会という組織の持つ恐ろしさや狡猾さをな。良い機会だ、あの連中に丸め込まれぬように、全てを教えておく。決して忘れるなよ」



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