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ル・ガル帝國興亡記 ~ 征服王リュカオンの物語  作者: 陸奥守
少年期 ~ 出逢いと別れと初陣と
23/665

初陣(中)

 遠くガルディブルクまで流れていく大河ガガルボルバも、シウニノンチュの真ん中を流れる時には沢レベルだった。


 そのガガルボルバへ注ぐ支流の一つ。チョウルベッツ川の上流にある小さな街パンケ。

 シウニノンチュの衛星都市でもある小さな街ペンケと共に、広大な農場地帯のある平原部として高台に広がっている山岳地にしては珍しい広大な平場だった。

 

 イヌの国の創世神話にある大神の一人が、山をも削る大太刀で山を切り落とし作ったという場所。この平場には幾つもの公設牧場が設置されていて、広大な面積を必要とする酪農に供されている。農民は一定の自家消費分を除いた収量の全てを行政へ差し出せば、基本的に利用料は掛からない仕組みだ。行政は市場への供給量を調整し物価の安定を計りつつ、売上を回収し住民サービスの原資としていた。


 行政と住民の信頼関係が盤石だからこそ出来る仕組み。無条件に相手を信用するお人好しなイヌにしか出来ない経済システム。そして、そのシステムの根幹と言うべき住民の財産。丹誠込めて育てた家畜を護るのは行政の義務。住民サービスの原資である予算を割いて行軍資金にする事に異を唱える馬鹿者などいない。誰かがやらねばならない仕事を引き受ける騎兵達は、道中様々な街や集落で歓待を受けた。


「これはこれは」


 小さな街ペンケの長は初陣になったエイダへ片膝を付いて最大限の感謝を示した。

 王族の一人として危険を冒し住民の為にやってきたエイダ。

 その姿に街の住民の、取り分け幼い娘を持つ親達が色めき立った。


「なぁ? 言ったとおりだろ、兄貴」


 カウリは公の場に出るとゼルを兄貴と呼んだ。

 そして、ペンケの広場で馬に乗ったエイダの周りへ花を持って集まる娘達を見ていた。


「早めに許嫁を発表しようや。エイダの為にも、あの娘達とその親達の為にも」


 儚い夢を描いてエイダに娘を紹介する親達。一人ずつ花を貰い挨拶を受けるエイダ。

 だが、ややあってゼルが現れたとき、エイダはその挨拶を止めた。


「僕は初陣です。学ぶ事が余りに多いので、またゆっくり来ますから。その時皆で食事にしましょう」


 と、話してその場を離れた。

 ゼルに並び馬を進めるエイダの姿にノダはぼそりと呟いた。


 ────オヤジが見たら泣いて喜ぶだろうな


「ゼル! エイダ!」


 どこへ行っても人に囲まれる二人を助けるようにノダは呼んだ。


「お呼びですか!」


 逃げるように走るエイダ。その後ろをゼルが歩く。


「ゼル様。ご子息エイダ様の側女にうちの娘を」

「バカを申せ。あの子はまだ八歳だ。マセた小僧にしてくれるな。まだまだこれからだ」


 全く取り合わないゼルの姿に落胆を隠せない親達。

 それを慰めるようにカウリは声を掛けて歩いた。


「あと十年したらもう一度挑戦すると良い。それまで娘をしっかり育てろ。学校で学び、貴族の家で恥をかかない躾をするんだ。エイダに選ばれなくとも、価値ある花嫁になるだろうて」


 上手く場を収めて歩くカウリ。

 その姿にゼルを演じる五輪男は感心していた。

 責任ある貴族の振る舞いとは、一朝一夕に身には付かない。

 エイダだけでなく、ゼルの中の五輪男もまた学んでいた。


「エイダ。ゼルも聞いてくれ。農夫の話を総合すると──


 状況説明するノダの話では、盗賊団は山中に野営地を作っているらしいとの事だった。

 そして、夜になると牧場へやってきては家畜を盗み出し山へ逃げるらしい。

 何度かそれを追跡した農夫がいて、山中の隠れ家は場所が判明しているようだった。

 道案内を依頼してあるので、一網打尽にしてしまう作戦だ。

 厳しい山道だが馬で駆ければたいしたことは無いらしい。


 ──そんなわけで挟み撃ちが良いだろう。片方から追い立て水涸れ沢へ誘い込んでやるんだ」


 共に従軍して来た各騎兵団の隊長が集まりブリーフィングを重ねるなか、エイダはいつも愉しそうだった。


「追い込み役は誰が?」

「それはゼルの役目だ」


 エイダの質問にカウリが答える。


「じゃあ僕は父上と共に走ります」


 やる気満々なエイダが元気な声で言う。

 だが、直後にゼルがそれを否定した。


「おいおい!馬鹿を言うな! お前の役目はあの高台で盗賊団の動きを見ることだ」


 ゼルに続きカウリが言う。


「敵の動きを見極め、満ち潮なら青い旗を。引き潮なら赤い旗を振るんだ。各集団へ伝令を走らせ戦況を操作する役目だ」


 ゼルとカウリに続きノダが言う。


「歴戦の参謀をお前のそばに付ける。まずお前が学ぶのは、全体を見て場面を考える事だ。優勢な時、劣勢な時。戦線全体をどうすれば良いか。それから学ぶんだ」


 父ゼルと思う存分走り回ると思っていたエイダは拍子抜けだ。

 ちょっとふて腐ったようなエイダを父ゼルが諭す。


「いつでもどこでも勝てばいいって事じゃない。時には上手く負けなきゃいけないんだ。そして、敵は調子に乗って追いかけてくる。誘い出し追い込むには、そんな駆け引きが必要なんだ。まずはそれを見て覚えろ」


 ゼルの手がエイダの頭を抑えた。


「犠牲を出さないように上手く負ける。実は勝より難しい。それが出来るようになれば、戦い方の選択肢がうんと増えるんだ。勝つ為に負ける。そのさじ加減は場数でしか身につかない。」


 エイダを諭すゼル。

 その姿をノダもカウリも驚きの眼差しで見ていた。


「さすがゼルだ。戦にかけてはゼルに勝てそうに無いな」

「俺もだよ。兄貴の軍略はいつも予想外だ」


 その言葉が演技ではないとエイダは思った。

 そして、どこか鼻が高い思いだった。

 

「さぁ動こう。早めに食事を済ませ罠をはるんだ。今夜は忙しくなる。雪が降る前に全部かたづけるぞ」


 ノダの言葉で散開となったのだが、ゼルとエイダを虎視眈々と狙う親たちの目は盗賊団よりも鋭い。どこか後ろめたい欲望にまみれた儚い望みをもって接近を図る親たちをどう交わすか……


「ノダ。ちょっとこの先を見てくる。エイダを連れて」

「……そうだな。それが良い。一個小隊連れて行くと良いだろう」

「そうする」


 程なく、カウリの手引きでヨハンを含めた騎兵一二名がやって来た。

 みな、食事を前にして腹ぺこの筈だが……


「食事の楽しみを取り上げてしまってすまないな。ちょっと沢まで付き合ってくれ」

「なに、おやすいご用です。さぁ、若を連れて行きましょう」


 多くの騎兵が街で食事を始める中、ゼルとエイダは街を離れた。

 その様子を見ていた街長を初めとする者達は、心底落胆しているのだった。

 見かねたカウリが言う。


「あの子はこれからの人間だ。みな思う事もあるだろうが、まずは人を育てさせてくれ」


 そんな言葉に頷きつつも、親たちの落胆は深い谷のようであった。







 ――――ペンケの北西約一〇キロ


 




 たき火を囲んで食事を始めるライトキャバルリー(軽装騎兵)一二騎。ゼルとエイダもその話に加わっている。太陽は山並みの向こうへ沈もうとしていて、秋の日が釣瓶落としに暮れようとしている頃だった。


「エイダは海を見てないな」

「うん」

「海という所は河の果てる所だ。川の水が海へ注ぎ、巨大な湖ですらも飲み込む大きな水たまりになっている。その水たまりの上に浮いている小さな島が、このガルディアラだ」


 世界を教え始めたゼル。その言葉にエイダだけでなく騎兵の多くが目を輝かせている。

 主な交通手段が徒歩か馬しか無い世界だ。こんな内陸の山国育ちな者達は、死ぬまで海という物を見ずに終わる事が多い。吟遊詩人の語る世界譚や冒険譚に出てくる『海』と呼ばれる水の草原を、見た事の無い者達は想像で補う。


 ふと、ゼルの内で五輪男は思う。


 飛行機や鉄道や自家用車や。それだけじゃなくテレビや映画や様々なメディアや。そう言うモノが溢れた世界よりもこの世界の方がきっと何倍も広いのだと。想像力の果てる先に何があるのだろう?と。ヒトの世界の古い古い時代。海の果てる先に滝があって、どこかへ水が消えていくと想像した時代がここに有る。

 その時代。この世界の方が素直に神を信じる。人も信じる。自分の力が届かないし及ばないし、そして余りに無情がありふれているからこそ、人は人を信じるし愛するし、なにより、裏切らないのでは無いかと……


「その海には波という物がある。大きな湖でもそうなのだが……


 エイダの知る大きな湖と言えば、ガガルボルバが自然にせき止められて出来た湖、プユニ湖程度だ。地形的に見れば土砂流入による自然堰き止めで出来た自然湖。ただ、地形的に弱い場所が多かったらしく、沢山の横穴が空いている場所だった。その畔は波らしい波が殆ど無く、海の様に大きくゆったりとした波は来ない。


「大きく海へ引き返し、それから一気に浜辺を駆け上がってくる。ザブーンザブーンと繰り返してな。戦もそれと同じ。時には一度下がって相手を引きつけ、一気に叩く事も必要になる」


 ゼルはエイダに手のひらを見せた。


「手を合わせてみろ」

「うん」


 ゼルの手にエイダが手を合わせた。


「力一杯押すんだ」


 エイダがグッと力を入れる。その力に対抗していたゼルは、突然力をふっと緩めた。

 勢い余ってゼルの側へ倒れ込んだエイダを、今度はゼルがドンと押し返した。


「これだよ。わかるだろう」

「うん」

「どんなに指揮官が優秀でも、一般兵卒までこれが出来るとは限らない。だからこそ、統制の取れた動きというのが重要なんだ。そして指揮官は全体を把握している必要がある。どこか強い攻勢を受けている所があれば、その近くでワザと弱い所を作る。勝っている側には必ず欲が出るからそこも攻める。そうなった時、点では無く面で受けてやって押し返すんだ」

「じゃぁ点で攻められたら」


 楽しそうに笑ったゼルが地面に図を描き始める。


「そうなった場合は全部承知でいったん引き入れる。縦深突破という戦術を使われた場合の対処法だ。点で突破を図る敵は接敵する点に一番強い者を置く。だから、その敵を倒す必要は無い。離れた所から矢を射掛けて疲れさせ、尚且つ深い所まで誘い込む。敵は縦の線で攻めてくる。それを左右から挟んで徹底的に叩く。そうすれば点で攻め入った敵は孤立する。補給も支援も絶ってからジリジリと攻めていけば良い」


 ゼルとエイダの戦術講義を騎兵達も黙って聞いていた。

 一番驚いていたのはヨハンだ。まさかあのヒトの男がこれほどの知識を持っているとはと驚くより他に無かった。


「じゃぁ、敵が波のように繰り返し攻めてきたら?」


 ゼルは再び画を描いた。


「面で攻められたら面で受ける。ただし、これも同じように面で受けながら後退する。後退し敵の移動距離を長くしてやる。矢を放ったって飛ぶ距離はたかが知れている。だから、手痛い一撃を受ける時は矢では無く槍が多い。ならばこっちは大きく凹んだ弧を描いて敵の力を受ける。この時は受ける方が強い。二人で一人を倒す。三人で一人を倒す。それを繰り返す。寡兵で多数の敵と戦う時もこれが良い」


 図を書くゼルの戦術講義は続く。


「一対一で勝つのが一番良い。だけど、どうしても勝たないとダメな時がある。その時は嵩に掛かって捻り潰すしかない。一対一ではなく一対多数にするんだ、相手が面で来たなら、こっちはうんと引き下がって相手を押し包むようにしてやる。人的優位に立った時は、最初には多少圧されるが最終的には必ず勝つんだ。相手より多いってのは、それだけ有利なんだよ」


 まだまだ続くゼルの戦術講義。エイダを含め皆が耳を傾けるなか。釣瓶落としの夕日が、沈んでしまった。音もなくやってきた暗闇が辺りを黒く染め、総ての視界を奪っていく。こんな時間に馬を走らせるのは危険だが、騎兵にとっては必要な能力だった。


「さて、そろそろ戻るか。エイダ。木の枝に注意するんだぞ」

「うん」


 ゼルが馬に乗ろうとしたとき、背筋に電撃のような寒気を感じた。

 刑事の感を思い出した五輪男は馬に乗らず腰を落とし辺りを窺う。


「どうしました」

「……誰かが居る」

「え?」

「見られている」


 馬上マントを外し、腰へ佩いていた刀を閂挿しへと差し替えたゼル。

 腰帯びに括ってあった抜け落ち留めを緩めると、大太刀を半分ほど抜いた。

 音を立てずゆっくりと息を吐いていき、自分の姿が闇に融けるイメージを浮かべる。

 エイダは見た。ゼルの姿が消えて行くように気配を消して行くのを。


 そのまま太刀を抜き放ったゼル。

 やや俯き目を閉じて耳を済ませた。

 暗闇で目が効かぬ以上、頼るのは音だ。

 上段に構えて息を殺し続けている。


 刹那。何かの音がした。

 この場合、聞こえる音は二種類しかない。

 安全な音か、危険な音か。そのどちらかだ。

 そして今聞こえる音は……


「エイダ! 伏せろ!」


 音のした方へ太刀を振り下ろす。理屈ではなく無意識に。

 両手に掴む太刀の柄に鈍い感触が有った。


 矢だった。


 全く偶然に近いタイミングでゼルの太刀は矢を叩き落した。

 次に瞬間にはヨハンが矢道を読んで薄暗がりの茂みへ突入した。

 鈍くて嫌な音がいくつか聞こえ、その後で慌てて逃げ出す音がする。


「諦めろ」


 茂みの中から引きずり出されたのは、酷く汚れた姿のウサギの男だった。

 長い耳が頭に付いたウサギ頭だ。

 その姿が余りにコミカルだったのでゼルは笑いかけたのだが。


「矢を落とすとは、大したもんだな」


 まだ弓を背にしているウサギの男だが、その右腕はヨハンが切り落としたらしい。

 刃を喰いしばって痛みに耐えるウサギを騎兵が調べる。


「これはなんだ?」


 小さなインキ壷を見つけたヨハン。

 中には刺激臭のする液体が入っていた。


「毒じゃ無いか?」


 何となく察しの着いたゼルだったが、その前にヨハンは壷の臭いをかいだ。

 鼻を押さえうずくまる。姿を見れば、どうやらあたりだと思って間違いない。


「ちょっと貸してみろ」


 その毒壷の蓋を開けたゼル。

 木ヘラですくった粘性の高い雫は、鼻をつく刺激臭だった。

 ただ、何となく塩素臭にも似た感覚だったのは、思わず懐かしいと思ったのだが。


「どれくらい毒性があるんだ?」


 ゼルの目が片腕のないウサギをジロリと見た。


「験すのが一番だな」


 ウサギの男の表情に絶望が浮かんだ。

 しかし、ゼルはそれすら意に留めず、ウサギの男の右腕の、まだ鮮血が滴り落ちる所へ塗り付けた。


「冴えねぇ終わりたぜ。イヌの国で一儲けしようと思ったのに」

「残念だったな。まぁだいたい、盗人稼業は録な死に方をしないもんだ」

「しかもヒト風情に()られるたぁツいてねぇ」


 ウサギの男はゼルの正体を見抜いた。

 僅かに狼狽したゼルだが、鼻をおかしくしていたヨハンが鼻声で言った。


「ますます生かしておく訳にはいかなくなったな」


 周りも承知だったかとウサギの男は気が付いたようだ。

 だからと言って救われる訳もなく、また、一歩確実な死へと近づいただけだ。


「大した眼力だな。正直殺すには惜しいが」

「フンッ!」


 ゼルの言葉を鼻で笑ったウサギ男は一瞬胡乱な表情になった。

 だか、その後は糸の切れた操り人形のように地面へと崩れて落ちた。


「冴えねぇ終わりだぜ…… まったくよぉ……」


 最期に僅かに血を吐いてウサギ男が死んだ。その死体をゼル達が見ている。

 やおらにゼルはウサギ男の腹を咲いた。驚くヨハンやエイダをよそにゼルはウサギ男の胃袋を確かめた。


「随分空きっ腹だな」

「どういう意味?」


 エイダはすかさず質問する。


「空きっ腹と言うことは飯を喰っていません。つまり、拠点へ帰る途中です。これから一仕事と言うなら腹拵えするはずです。そうですね?ゼル様」


 ヨハンはゼルの意図を見抜いた。


「つまり、この男が帰らない場合、助けが出るか無視されるか。そこが重要だって事だ。そして多分だが」


 ウサギ男の所持品を確かめたゼルは、その持ち物に刃物が無いことを確かめた。

 その他に、干し肉の入った袋が一つと塩の包みが一つ。それだけだ。


「すぐ近くに仲間が居るだろう。身を守る最低限の武装を所持していない。だが、近くに気配は無い」

「なんで分かるの?」

「例えば仲間三人なら接近戦の刃物使い二名と飛び道具の弓専門で一名。刃物を一切持ってない。もっと言えば、干し肉があるのに刃物が無い場合、どうやって食べると思う?」

「あぁ。そうか」

「そうだ。つまり、刃物担当がここに居ないって事だ。しかも、こっちの人数を見て突入を躊躇うほどの数しか居ない」


 鉛を飲んだような重い空気が漂う。


「エイダ。これを持っていろ」


 ゼルがエイダに手渡したのは万能薬(エリクサー)の小瓶だった。かつてゼルと間違えられた五輪男が飲んだ魔法薬だ。瀕死の重傷もたちどころに快復する。


「そろそろおいでなさる頃だ。ヨハン。ノダに繋ぎを入れろ。複数で行け。必ず伝えるんだ」

「どのような?」

「お客さんをご案内するから、大歓迎してやってくれ。それだけ言えばわかるだろう」

「承知!」


 ヨハンが馬を駆って闇の中を走って行った。

 その後ろ姿を見届けたゼルはエイダの頭に手を乗せた。


「今夜は酷いことになるだろう。かってに死ぬんじゃないぞ」


 エイダは元気よく頷いた。

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