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【商店街夏祭り企画】あっちもこっちもサプライズ?

前回に引き続いて「ゆめくら」由芽唯さん、それから「Bar黒猫」の小野大輔くんがゲストです。

 ここは松平まつひら市にある希望が丘商店街ーー通称「ゆうYOUミラーじゅ希望が丘」。国会議員の重光幸太郎先生のお膝元としても有名だ。


 この商店街は実に様々な店舗が入っており、店舗同様個性豊かなメンバーが揃っていて、仲が良い。

 その中でも特に交流が深いのは、「喫茶トムトム」、「篠宮酒店」「JazzBar黒猫」、「居酒屋とうてつ」、「中華料理神神シェンシェン飯店」「美容室まめはる」といった所だろうか。


 翌日、昼の営業が終わってから「ゆめくら」に出向いた玉爾は、由芽唯に開口一番、

「すいません」

と謝られた。

「あれから紬屋さんに行ったら、お店の人に『お作りしますよ』って言ってもらったので……」

と恐縮しながら言う由芽唯に、

「そんなの良いね。気にしない。

で、コレ見て欲しいね」

玉爾は昨日買った本を開いて由芽唯に渡した。そこには何カ所かポストイットが貼られてあり、

「私解らないとこ、ピックしてきた。そこ読んでくれたら後大丈夫から」

と言う。由芽唯が読むと、玉爾はさらさらとそれをハングルで書き取り、

「ありがとね。助かったよ」

ばたばたと「ゆめくら」を後にした。


 予定通りの2枚に減った浴衣作りは順調に進み、祭りはおろかその前にある花火大会の一週間も前に仕上がった。それを天衣と共にダイサクに渡す。

「えっ、これ俺の分っすか」

自分の分だという浴衣を手渡されて、ダイサクはさすがに戸惑いを隠せない。しかも、

「気遣わないでいいよ。コレオンマの手作りだから」

と言われれば余計に。天衣はそれだけコストがかかってないと言いたいのだろうが、確かにコストはかからないだろうが、その分手間は何十倍もかかっている。ただのバイト学生にそこまでしてもらっていいものだろうか。それに正直もらっても……

「浴衣なんて着るところないっすよ」

と言ったダイサクに、

「花火大会・祭り着るあるよ」

個の店のオーナーワンカイがにこにこ笑って言う。

「皆で行くアルよ。花火大会日は、店早仕舞いね」

と開が言うと、

「あ、ごめん。あたし花火大会ダメ。専門学校の子と見に行く約束しちゃった。すし詰めのバスに乗るより希望が丘駅から歩いた方が良いよって言ったらナビ任されちゃって」

天衣がそういって他の3人に手刀を切りながら舌を出す。

「じゃぁ、俺はサークルのメンバーと一緒にいきますよ」

それを聞いてダイサクがそう言った。天衣がいるのならともかく、あのツンデレボケツッコミ夫婦と一緒に行けば、大量の砂吐き必至だ。そして、花火が終われば男共は示し合わせて「居酒屋とうてつ」になだれ込む。巻き込まれたらつぶれるまで飲まされるに決まってる。そうなれば当然、神神飯店で泊まることになるだろうし、そんな醜態を天衣にさらしたくない。

「そか、じゃぁ、私オッパと二人で見に行くね」

そして、ダイサクの言葉を聞いてそう返事した玉爾の顔はなんだか嬉しそうで、ダイサクは(ああ、一緒に行くと言わんで良かった。やないと馬に蹴られるとこやで)と思ったのだった。

 そこで、ダイサクはサークル仲間で同じ商店街の「Bar黒猫」でバイトしている小野大輔に電話を入れたところ、二つ返事でOKをもらった。

「杜さんの邪魔するなオーラがハンパないんだよ」

と大輔は苦笑する。ランチデートラブラブ大作戦を大輔に教えたのはダイサクだが、黒猫のマスターも祭りを機にスパートをかけるつもりなのだろう。

「この商店街ホントに暑いよな」

ダイサクは対象者の東明透とうめいゆき澤山璃青さわやまりおのはにかんだツーショットを思い出しながら、そう返した。

由芽唯さんには浴衣が作れなかったので、お礼としてピンクのあんまんを二つ出前しときました。

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