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雪
寒くて 寒くて 凍えそう なのに手袋忘れた
ばかだな あたし
そっと右手があたたかくなった
あなたの すこしゴツゴツした手
私の手ごと ポケットに突っ込まれた
雪が降ってきた 辺り一面 白い水玉模様
なんかいい雰囲気だなんてちょっとだけ思ったんだ
期待していいかな?
だけど何も起こらなくて 少しだけ ばかだな私
そう思った そんなとき
家に着いちゃったんだ
さよならと言えない二人 右手と左手つないだまま
立ち尽くしていた
やがて 手を離した
頭をぽんぽんして 「またあした」って言ってくれた
君の後ろ姿 見えなくなるまで 立っていた
ちょっとずつ頭に積もる雪
そっと自分で払い落としてから
玄関のドアあけた