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輝け! 女体研究同好会  作者: 鮎太郎
第三章 お別れの女体研究同好会
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健吾の部屋

学校を後にして家路に着く。そして、徒歩五分程度のところで、健吾は足を止める。そこには二階建ての住宅があった。色は白いが長年の風雨によって色がくすんでいる。庭と言えるようなものは無く、駐車スペースがある程度であった。今はそこに車は止まっていない。

 大きい訳ではないが、決して小さすぎる事も無い。実に一般的家屋であった。


「ここが俺の家だ」


「本当に近いのね。でも、あまり歩く必要が無かったから、楽でいいわ」


 機嫌の悪い健吾に対して、他の二人は上機嫌で辺りを見回している。特に誠は目を輝かせてキョロキョロしている。これが、スーパーの店内とかだったら確実に万引き犯だと思われるだろう。


「そんな所を見ていても、何も無いぞ。さっさと家に入れ」


 健吾は二人を押し込むように玄関へと招き入れる。


「お邪魔します」


「お邪魔するわね」


 二人は靴を脱いで家へと上がる。ここでも、二人は興味深そうにあたりを見回している。ゆっくりと見学させてもいいのだが、ここでうだうだしていると、奴が現れかねない。早いところ部屋に行って遭遇は避けるべきだ。そう思って、早速部屋へ向かおうとした瞬間、背の高い女性が健吾の前に立ちはだかった。


「お帰り、健吾。なに? 後ろの人達……、友達?」


 最も出会いたくない人物に鉢合わせてしまった。

 タンクトップに短パンという実にラフなスタイルな女性は古代こだい 矢理乃やりの、健吾の姉である。


「げぇ! 矢理姉やりねぇ! だ、大学はどうしたんだよ!」


「何を言っている。今日は午前の講義だけでな、午後からはフリーなんだよ。よくある話だろ。それより、その人達は友達なの?」


 身構える健吾に対して、矢理乃は興味津々といった感じで後ろにいる友里と誠を眺めている。その表情はいつも以上にニヤニヤしており、正直不気味である。


「何々? 女の子がいるじゃない。もしかして、彼女?」


「いいえ、違いますわお姉様。私達は同好会の仲間ですわ」


 友里は即答した。こういう場合って、少し戸惑ったり、顔を赤くしたりするのがお約束なのではないだろうか。まぁ、友里の境遇を考えれば仕方がないのかもしれないが。


「ふーん、そう。ま、私には関係ないね。それじゃあ、ゆっくりしていきな」


 矢理乃はあまりしつこく絡む事無く、家の奥へと引っ込んでいった。何となく嫌な予感がするものの、あの姉が何処かに行ってくれたのは正直ありがたい。特に友里のレースクイーン姿に深く突っ込まれなかった事に関しては、助かったと思うほどである。


「じゃあ、部屋に案内するぜ」


 健吾は歩を進め始めた。その後を二人は無言で付いていく。

 階段を上がり、二階へ行く。二階の部屋は四つあるようで、廊下を挟んで向かい合う扉が二組ある。その中の階段のすぐ右横にあるドアを健吾が開く。


「ここがオレの部屋だ。他の部屋は姉と妹が使ってっから、開けんなよ」


 健吾は二人に釘を刺すが、肝心の二人はそんな事はまるで気にしていない。というより、健吾の部屋にしか興味が無いといった感じで、開いた扉から中を覗こうとしていた。健吾は軽くため息を吐くと部屋の中へ入っていく。


「ちょっと汚いが、三人ぐらいなら問題ないだろ」


 部屋の中は、脱いだ衣類や雑誌、漫画、食べ物の空き袋、何かの空箱等が散乱しており、辛うじて足の踏み場はあるものの、座る事は難しい有様だった。


「ちょっと所じゃないわよ! 汚い! 汚すぎ! ちょっとは掃除しなさいよ!」


 ベッドの上には脱ぎ捨てた寝巻きが放置されているし、テーブルの上には空き缶やら、空きペットボトルが並べられている。勉強机であろう机の上には、プリント類が山のように積み上げられている。


「健吾、勉強は一体何処でやっているのですか? あまりにも、散らかりすぎです……」


 その部屋の惨状に、二人の訪問者は唖然とするしかない。


「ん? さほど汚くはないだろ。別に変な臭いはしないし、虫もわいていないぜ?」


「そこでいったら、もはや部屋ではありません。ゴミ捨て場所です」


 誠の冷静な突っ込みを受けて、成る程と納得する。確かにそんな環境では部屋とは呼び難い。


「悪いな、ちょっと掃除するから、外に出ていてくれ」


 そう言うと、健吾は部屋に散乱している衣類やゴミを片付け始めた。


「仕様が無いわね。私も手伝ってあげるわよ」


「私も手伝います」


 お別れ会の前に健吾の部屋掃除をする事になった。友里と誠は健吾の指示に従い、部屋を片付けていく。


「やっぱり、掃除といえばここよねぇ……」


 友里は屈んで体を低くすると、ベッドの下に手を伸ばす。


「おい! 何やってんだよ! そんな所は掃除の必要ないだろ?」


 机の上のプリントを纏めていた健吾は、友里の不審な動きに振り返って何をしているのか確認しようとする。すると、屈んだために友里のスカートが少し捲りあがっていた。そこから彼女の白いショーツが見えてしまう。

 健吾は生唾を飲み込むと、そこをじっと見つめてしまう。


「あれ? 何も無いじゃない。男子ってこういう所に、エッチな本を隠しているものだと思ってたけど、違ったのかしら?」


 友里が立ち上がった為、ショーツが見えなくなり健吾はハッとして我に返る。

 すると、誠が軽蔑の眼差しでこちらを見ていた。とりあえず、笑って誤魔化したものの、誠の心象は悪くなったに違いない。


「ああ、そういう本は矢理姉ぇや、由美子ゆみこが目ざとく見つけるから、持ってないんだよ。だから、探したって無駄だぜ」


 今は誠の事は放っておこう。それより、今はさっさと掃除を進めるべきだ。


「そんなはずは無いわ! 健全な男子高校生がエログッズの一つも無いなんて、ありえないもの!」


 友里はムキになって、部屋中を調べる。もう、掃除どころではないので、友里も放っておく。

 健吾と誠はお互い無言で掃除をする。何となく声をかけ辛いし、向こうも話しかけてこないので、気まずい空気が流れ続ける。


「何で何も出てこないのよ!」


 遠くでは必死になっている友里の叫び声が聞こえてきたが、気にしない事にした。

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