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輝け! 女体研究同好会  作者: 鮎太郎
第二章 揉め事
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本格始動

 女体研究同好会の活動が本格的に始まって、一週間が経とうとしていた。

 誠と健吾は相変わらず、中庭に写真集を置いて引っかかるのを待っていた。

 だが、結果は芳しくなく、友里の後は誰も中庭を通っていないという有様。

 友里は独自で行動して女性会員を勧誘しているが、そちらも芳しくないようだ。彼女曰く、「私好みの女の子がいない」らしい。えり好みしている場合かと思うが、今から二年以上一緒にいる相手を選ぶ事を考えると、妥協できない点らしい。

 そんな訳で、一週間経った今部員数は変わらず、三人のままである。


 それ以外に変わった事はあった。クラスメイトが健吾に向ける視線が以前と変わった事である。今までは厳つい顔から、畏怖の視線を向けられる事が多かった。だが、今は……。


「よぉ、健吾。今日も女研通いなのか?」


 利明は健吾に向けて薄ら笑いを浮かべながら声をかけてきた。どう見ても、笑いを堪えているが、全く隠せていない。ちなみに、女研とは女体研究同好会の略称として、全校生徒に広まっている呼び方である。


「うるせぇよ……」


 この前、女体研究同好会の会室に入る所、居る所を目撃されて今や学校一の変態である。あの大量の衣類、写真集は誠のものだというのに、見た目的に自分の方が変態っぽかったのだろうか。クラスメイトから向けられる視線は、今や軽蔑の眼差し。


「まぁ、まぁ、そんなに怒るなよ。お前は脅されて仕方なく入会してるんだろ。頑張って会員集めるんだな」


 女体研究同好会に協力している事がばれてすぐに、利明には状況の説明をしたのだが、あまり信じてもらえていないのが現状である。


「てめぇは黙ってろっ! 本当にどうしてこんな事になったんだよ。強面だけど心優しい頼れる気さくなクラスメイトを、本気で目指してたんだぜ?」


 正直、現状に負けそうです。入学して一ヶ月も経っていないというのに、あんまりな仕打ちだ。神様、オレはそんなに悪いことをしたのでしょうか。


「それこそ、犬にでも噛まれたと思うしかないのかもな」


「犬は犬でもケルベロスに頭から噛まれたけどな」


 利明と駄弁っていたら、結構な時間が経過してしまった。急いで会室に行かないと、誠にどんな嫌味を言われるか分からない。

 最近は会員勧誘の結果が芳しくなくて機嫌が悪い。ただの八つ当たりなのだが、その度に胃壁が荒れるので勘弁して欲しい。


「はぁ……、今日も会員勧誘か。それじゃあ、行ってくんぜ」


 健吾は荷物を肩にかけて、席を立つ。だが、利明の言葉に呼び止められる。


「なぁ、前から気になっていたんだが、何処で会員の勧誘やってるんだ? お前の姿を見たことが無いんだがな」


 まさか、中庭でなんて言う訳にはいかない。だからといって、特にいい嘘も思い浮かばない。それに、嘘を吐くとばれた時がやばいので、適当に答えを濁す事にする。


「馬鹿か? そんな事言えるわけ無いだろ? ただでさえオレは変態扱いだ。場所が知れたら誰も寄りつかねーよ」


 ちょっと本当の事を言ったら、凄く適切な言い訳になった。それなのに、何故か居た堪れなくなってきた。


「それもそうだな。だけど、女研でも部活動に参加出来てよかったんじゃないか?」


「いい要素が全く見当たらないのだが?」


 常に脅され、胃壁を犠牲にして、粉骨砕身頑張らざるを得ないこの状況の、何処がいいというのだろうか。他人から見たらそういう苦労は分からないのかも知れないが。


「最近、妙に生き生きしてるよな。女研に巻き込まれる前は、何かつまらなそうな顔に見えたんだがな」


 自分自身の事なので、今一ピンと来ない。だが、最近誠に振り回されて、色々と考えている余裕が無いのは事実であった。

 でも、生き生きしているのとは意味合いが違うような気がする。


「さぁな。実際どうかなんてわかんねぇよ。でも、関わってなければ、少なくとも変態扱いはされなかったぜ」


 健吾は利明に背中を向けると、そのまま教室から出て行った。利明はそんな健吾の背中を見て微笑んでいたが、その事を健吾は知らない。

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