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One-eyed  作者: 龍門 
『殺人集団』襲撃編 =Blood-stained fight=
48/60

夾竹桃

今回からサブタイを花の名前に。

理由としては姫響に関係しています。


夾竹桃。キョウチクトウですね。花言葉は「危険」「油断大敵」「用心」「危険な愛」とかです。

今回は「危険」をイメージしての夾竹桃。


ぶっちゃけカタカナも含めてこの襲撃編なのですが、襲撃前に花の名前がサブタイって若干ね。ですから此所で変えます。作者は若干の違和感を感じています。

ぶっちゃけるとカタカナ面倒。ホントスイマセン。


今回は短いです。はい。短いです。









 時刻は23時58分。


 暗闇が包む静寂な世界。

 消灯時間を過ぎている為、寮に明かりは灯っていない。

 校舎や無能力エンジニア宿舎にはちらほらと明かりが灯っている。


 街灯が頼りない光を発し、その周りに蛾が飛び交う。


 そんな中、警備なのか男が2人懐中電灯を片手に持ち、談笑しながら歩いていた。


「この前かなり儲けたぜ? あそこの台は良い感じだ」


「本当か!? 俺今月ピンチだからな………」


「今度一緒に行くか?」


「おっ、良いねぇ~」


 笑いながら歩く男2人。


 すると、辺りを適当に照らす懐中電灯の光が、誰かを照らした。

「!?」

 1人の男が止まり、隣を歩く男を片手で止める。


「ん? おい、どうしたよ?」

 制止された男は首を傾げながら尋ねる。


「………誰か居る」


「!? 何処だ?」

 誰か居ると聞き、首を傾げていた男が正面を睨むように見つめる。


 懐中電灯で照らす。

 すると、

「どうも。俺、または僕、または私の名は天酉凍あまとりこごえです。お見知りおきを」

 光に照らされた男か女か解らない人は、丁寧に自己紹介し、深々と頭を下げ。


 警備の男は腰に下げる拳銃に手を伸ばしながら尋ねる。

「貴様………外部の人間か?」


 そう尋ねられると、天酉は笑みを作る。

「えぇそうです。俺、または僕、または私は先程塀を乗り越え、侵入しました」

 何の躊躇も無しに自分が侵入者だとバラす。


 警備の男2人は拳銃を抜き、天酉に銃口を向ける。

「両膝を地面に付け、両手も地面に付けろ」

 銃口を向けながら命令する。


「ん? 四つん這いになれと? 嫌ですね。ですが、撃たれるのも嫌ですね」

 ニコニコと笑いながら、腕時計に視線を落とす。


 その様子を見て警備の男が叫ぶ。

「何をしているッ!? 早くしろ!!」


 すると天酉は笑みを浮かべた。

 先程までの挑発的な笑みではない。完全な狩る側の笑み。

「ジャスト、0時。さて、始めましょうか」


 そう言った瞬間、


ブシュゥゥゥゥウウウゥゥゥゥウウウウッッッッッ!!!!!!!!


 警備の男の体からいきなり血が噴き出す。

「なっ……………」

 男はそのまま後ろに倒れる。


 それを見たもう1人の警備の男は天酉を睨みながら叫んだ。

「貴様! 能力者か!?」


「能力者を目の前にして、怯えるも逃げるもせずに、「能力者か?」と尋ねる。流石学園内部の人間。無能力者だろうと、怖じ気付かない………面白い」


 警備の男は引き金に力を入れようとした時、


ブシュゥゥゥゥウウウゥゥゥゥウウウウッッッッッ!!!!!!!!


 同様にいきなり体から血を噴き出す。

「なっ………に………?」

 そのまま倒れる。


 その様子を何も篭もっていない目で見つめる天酉。

「さて、仕事スキンシップを果たしに行きますか」


 天酉は血塗れな男達を踏みながら、闇に消えた。





















 暗闇の中、白いドレスを着飾った少女が立っていた。

 その少女が見つめる先には明かりが灯ったRANKⅣ女子寮。


 消灯時間だが、全員が全員それを律儀に守りはしない。


 白い少女は、地面に咲く花に視線を落とす。

「………綺麗」

 甲乙とした表情。


 その表情のまま、前へ一歩踏み出す。また一歩、更に一歩。

 すると、


ビィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッッッッッ!!!!!!


 けたたましい音が響き渡る。

 少女は驚きもせずに足下に視線を落とす。


 そこには茂みに隠された黒い機械が設置されていた。

「…………熱感知………」


 侵入者と言う者はこう言うシチュエーションだと多少なりとも焦るモノだ。だが、少女は笑みを浮かべた。


「誰が………来るのかな?」

 そう嬉しそうに呟く。


 視線を下に落としたまま、咲く花を見る。

 腰を下ろし、その花を根本から抜く。

「………コスモス」


 抜いた薄い紫の花。

 その花を見つめ、甲乙とした表情を見せる。


「愛を…………愛を………私に………愛を」

 祈るように、呪文の様に目を瞑り呟きながら歩き出す。


 鳴り響く警報により、女子寮の明かりは次々に点き出す。


「愛を………愛を………愛を」

 白い少女は呟き続ける。


 コスモス………花言葉は、愛情。

























 場所は変わり無能力エンジニア宿舎。

 明かりの付かない月明かりに照らされた一室。その一室で2人の男が笑みを浮かべていた。

 BGMは侵入者を知らせる警報。


「おいおいよ………随分なオープニングだなよ!! こらぁ、フィナーレまで体力持つのかよ!?」

 心底嬉しそうに、愉しそうに赤髪オールバックで刺青、ピアスを付ける男が叫ぶ。


「役者は十分過ぎる程居る。後は、正義ヒーロー悪役ヒールを決めるだけか?」

 黒髪で浴衣を着る男が尋ねる。


 その問いに、赤髪の男は答える。

「そんなもん終わりの前に決めてどうするよ!? 敗者が悪で勝者が自ずと正義を名乗るんだよ。それが世界だろうがよ? 合衆国だって、戦争と言う悪を振りかざし君臨してんだ………ソイツ等は勝者だからよ、自ずと正義を名乗ってやがるって事よ。結局は、勝てば良いんだよ!」

 赤髪は心底嬉しそうに叫ぶ。


 世界は十分過ぎる程悪に塗れている。

 その悪の定義は人それぞれだ。


 戦争を掲げる者は、戦争を正義と思っている。

 人が人を裁く事を、人は正義と思っている。


 境界線が曖昧な中人は随分身勝手に正義を名乗っている。


 死屍累々の戦地を見ても尚、人は動かない。

 テレビで流れる孤児を見つめながら、人は冷めた事を平気で言いのける。


 どれが正義だ?

 そんなモノは誰にも解らない。


 目に見えないモノが、言葉になっている事自体が可笑しいのだ。


 赤髪が言った通り、目に見えないからこそ勝った者は正義になる。

 戦隊モノのヒーローの様に、明確なら良いのだ。


 世界を牛耳る。

 そんな事を言う者が現れれば、解りやすい構図に変わり出す。


 だが、そんな大雑把な悪などこの世に存在しない。

 その為人は自身の、周りの正義を否定せず肯定する。


「それもそうだな。正義など、後から着いて来る様なモノだ。それに我は正義と言う言葉が好きではないのだ」


「カッカッカッ!! 奇遇だよ? 俺もだよ」

 赤髪は窓を開ける。

「今から始める殺し合いは正義や悪はよ………終わりに立っていた奴が決める事だ、よッ!!」

 勢い良く部屋を飛び出す。


「そうだな」

 黒髪も赤髪に続き部屋を飛び出した。


 戦いに正義や悪など存在しない。

 それは、誰でも知っている当たり前の事なのだ。


 掲げるは、死にたくないと言う思いと、生き残る為の力だ―――。















まぁ、始まりと言う事で短い。

今回はかなりドロドロしてます。

最後に正義や悪だの言っている時点でドロドロです。


正解がない事を書くのにはかなり疲れます。

人それぞれですからね。あれですよ、「何で人は生きるのですか?」的な疑問と同じです。

人それぞれの答えがありますからね。

だから疲れます。


次回はどっぷり戦闘です。

あっちで、こっちで、戦闘です。

誰が誰と戦うか…………。


この話から色々と明かされます。

伏線だらけのこの話、早く回収しないと「え?そんな話あった?」的に私自身も混乱するので。そして忘れてしまう伏線の数々………。


頑張ります。


と、言いますか、何時の間にか読んでくれている方が増えています。

嬉しい限りです。嬉しい……限りです(嬉し涙)

まだまだ序盤。私的には空河の過去を書いてこそ始まりだと思っています。


もう暫く。未だスタートラインに立っていません。

控え室でスポドリ飲んでます。暢気ですよね。


それでは、それでは………。

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