ピクニック・デート!! ファースト・パート
前後編に分けます。
理由は長くなるからです!
決してネタが浮かばないからではない!!
そして、投稿遅れたのもバイトが忙しいからであり、ネタ切れではない!!
日曜日。この『宝殿高校』基本高校の外に出る事は出来ない。
出る事が出来るのは夏休みと冬休み。それぐらいだ。
その為敷地内には様々な物が置いてある。
服や菓子などなど。しかも此所に無い物は通販などで頼める。しかも無料だ。
その為外に出なくても不自由しないのだが、これには困った事がある。
高校に居るのは18歳以下の生徒が大半だ。
その生徒達はまさに青い春を爆走している。
そんな青い春でのデートと言えば一緒に帰宅。買い物。映画。ゲーセン。などなどだ。
だが、全員寮で1分足らずで着いてしまうのに一緒に帰宅もクソもない。
買い物など寮に置かれているカタログで頼めば半日もせずに届く。
映画館は流石に無い。
勿論ゲームセンターもだ。
さて、問題です。
デートはどうすれば?
「森へ行こう!!」
星野宮が言った。
「………何故?」
空河が尋ねる。
現在2人は第二校舎前広場にて、イスに座っていた。
星野宮は顔を赤くし、空河は照りつける太陽に舌打ちをしていた。
そんな時にいきなり星野宮が「森へ行こう!!」などと言った。
この学園には、ぶっちゃけ森しかない。
その為デート=ピクニック的な感じになってしまう。大自然に囲まれて良いな。とか思われるかもしれないが、現代っ子に取っては鬱陶しいモノなのだ。
「な、何故って………だって森しかないって……皆言うから………」
ボソボソと顔を赤くして空河から顔を逸らす。
その姿を見ながら空河は頭を乱暴に掻いた。
「あぁ~解った、解った。行ってやるよ。森だろ!? 行くから!」
どうにでもなれ!的な感じで言う空河。
それを聞いて星野宮の顔が明るくなる。後ろに「ぱぁ~」と言う文字が出ている。
さてと、どうして何時もは「面倒臭い」で誘いを蹴り飛ばす空河が、こうも簡単にお誘いに跳び乗るのか?
少し時間を巻き戻す。
本日朝。RANKⅣ専用寮。
雀の鳴き声か、「チュン、チュン」なんて喧しい音で目覚める。
「………今日日曜だよな? ……………うん。そうだよ………」
寝ぼけているのか、尋ねて自分で答えている。
「寝られる。まで……………」
再度目を瞑り、夢の世界へダイブする。
ドンドンドンドンドン!!!
空河の部屋の扉を叩く音が響く。
RANKⅣも相部屋なのだが、空河の相部屋相手は現在旅に出ている鬼手なので今は1人部屋みたいなものだった。
因みに前までの相部屋相手であった草島は鴨梨と同じ部屋になっている。
「朝ですよぉ~。そしてご飯ですよぉ~。そしてあぁ~そぉ~ぼぉ~」
喧しい声が部屋の外から聞こえている。
「今日の朝ご飯は焼き魚に、豆腐の味噌汁に、何故かトーストですよ! ご飯じゃなくてトーストですよ! 目玉焼きのってますよ! てかさ、トーストの上に目玉焼きのってたらさ、天空の城のあれ思い出すよね。凄く美味しそうだったよね。でもさ、パン一口も食わないで卵最初に速攻で食べるよね。それと、青リンゴ美味しそうだったよね」
何故か解らないが天空の城○ピュタの話に。
「でもさぁ~焼き魚には白米だよね。てか、お米で思い出したんだけど、昔良く米残したら「目玉潰れる」的な事を言われたんだよね。アレって家だけ? でもさぁ~親って時々しつけなのか解らないけど恐ろしい嘘言うよね。スイカのタネ飲んだら臍からスイカの芽なるって、別にそんな嘘言わなくて良いよね! てか、これも家だけ?」
何故かあるある話を始める。
「それにさ、ぼぐはッ!!!」
いきなりドアが開き、馬鹿は盛大に吹き飛ぶ。
そのドアを開けたとは勿論、
「…………あぁー……ごめん、ごめん」
棒読み。空河が頭を掻きながら立っていた。
馬鹿は鼻を思いっきり打ったらしく、鼻を押さえて痛みを我慢しながら笑みを作る。
「い、いや、大丈夫だ。起こしに来たんだから……ドアに近すぎた俺が………悪かった」
空河は頭を掻きながらどうでも良さそうに、そして苛つき、蔑む様な目で言う。
「いやぁ~そう言ってくれて助かる。部屋の外で鳥が鳴いてて煩かったから」
「えっ!? 俺、鳥!?」
自分を指さしながら驚く。馬鹿とか色々言われて居るが、鳥とは言われた事がないらしい。
「………ピーチクパーチク鳴いてるんだ。鳥だろ。……………死ね」
バタンッ!!!
最後に付け足し、勢い良くドアが閉められる。
馬鹿は勢い良く立ち上がり、ドアを叩きながら叫ぶ。
「なっ! し、死ねって!! 最後に死ねって!! 酷いよね!! 酷いよね!? 起こしに来ただけなのに!? 死ねって、どぶッ!!」
再度ドアが開き馬鹿は盛大に後ろに跳ぶ。
「……………………マジ、パン喉に詰まらせて死ね」
バダンッ!!!
「なっ! 今からパン食べるのに!! 朝ご飯今からなのに!!!!」
泣き叫ぶ馬鹿。
すると、部屋の中から、
「マジ死ななくて良いから気絶しろよ。壁に頭打ち付けて気絶しろよ。そして俺の記憶だけサッパリ忘れろ。…………でもやっぱり死ね」
また最後に付け足す様に言い放つ。
「…………起こしに来ただけなのに……」
床に両手をついて落ち込む馬鹿。
まぁ、彼は煩いだけで悪い事はしていない。空河に言わせれば「煩いのが罪」と言うだろうが………。
そんな絶賛落ち込み中の馬鹿の後ろから、イチゴ牛乳を飲みながら鴨梨が現れる。
「どうした? そんな草島みたいな格好して」
「草島みたいな格好って何!?」
「あ、ごめん間違えた。馬鹿みたいな格好して。だった」
イチゴ牛乳を啜りながら笑う。
「まぁ、そんなカッカするなよグラス。早く飯食べに行かないと無くなるぞ?」
草島は「何!?」と大きな声を出しながら驚くが、空河の部屋を指さす。
「でも天士出て来ないんだよ。俺頑張って起こそうとしてるのに」
起こそうと言うか、勝手にドアに向かって喋る変態ではあった。
鴨梨は床に落ちている血痕を見て若干驚きながら、無論血は馬鹿のだ。
「ん? これだから低血圧は………」
などと言いながらノックする。
「おぉ~い、天使ちゃん! ご飯だよ! でも何で焼き魚にパンなんだろうな! てか、俺朝は洋食派なんだよね! 焼き魚と味噌汁要らないんだよね!!」
起こしているのか?自分の事を紹介しているのか? イマイチ解らない。
暫くドアを叩きながら要らぬ話をしている時、鴨梨が思い出す。
因みに、ドアがいきなり開けられないのは馬鹿じゃないからだ。
「て、言うか、幼なじみちゃんが来てたよ? 何か約束でもしてるの?」
幼なじみちゃんとは星野宮の事だろう。
本当に鴨梨のあだ名は安直だ。
直ぐに返事が返ってくると思ったのだが、中々に沈黙が続く。
「……あれ? 聞こえてる?」
暫くの間が空く。寝ているのではなく、考えているのだ。
「…………………………………してない」
と、長い沈黙を得ての答え。だが、明らかに嘘であろう。若干声が震えているのは何故だろう?
その問いの答えを聞いて、横を見ながら尋ねる。
「だそうですけど?」
そこには顔を真っ赤にして震えている星野宮が立っており、確認を取る。
「…………………………………そこに居る?」
と、部屋の中から小さな声で尋ねる空河。声が震えているのは何故だろう?
「誰が?」
何時の間にか復活した馬鹿が尋ねる。
「いや、誰とかじゃなくて………」
「いや、誰が?」
立場が逆転したからか、馬鹿は凄まじく強気だ。苛々する程強気だ。
空河は消えそうな程小さな声で、
「…………………ミナが」
と、答える。此所まで弱気な空河も珍しい。
「呼んでるよ?」
横を見る馬鹿。
「いや、呼んではいない。全然呼んでない」
焦っています。かなり焦っています。
星野宮は下を向きながら、尋ねる。
「…………天士………覚えてる?」
凄まじく怖い切り出し方。
「は…………えぇと………」
「はい」と素直に言おうとして篭もらせる。
「…………約束!! 私が勝ったから1日デートしてくれるって約束!!!」
顔を真っ赤にしながら叫ぶ星野宮。
好きになるとか本人目の前にして言ってはいたのだが、矢張り恥ずかしいには恥ずかしいらしい。
「勝負って、何時の間にそんな面白そうな事を!?」
鴨梨がイチゴ牛乳を床に落としながら驚く。空だから零れる心配は無用。
「ポロりもあるよって!?」
勝手に妄想の風呂敷を広げ始める馬鹿。
「………………この前、生徒会室で皆とじゃんけんして、1日デート権を私が勝ち取った」
下を向きながら説明する星野宮。てか、じゃんけんって………色々端折り過ぎだし。
まぁ、じゃんけんで済むなら平和だろうけど。
「そうか。そうなのか……………ですって」
落とした空のイチゴ牛乳パックを拾いながらドアの向こうに居るであろう空河にキラーパス。って言うか「テメェー殺す!」的な、そんな勢いのパス。ボールは友達ではなく凶器だったらしい。
「……………………………………………………………………………………………」
沈黙。
「「「??」」」
鴨梨、馬鹿、星野宮は同じタイミングで首を傾げる。
流石に違和感を察知し、鴨梨がドアノブに手を掛ける。
そして、
「……………あ、開いている」
と、サスペンス風に言う。
ドアをゆっくりと………ではなく勢い良く開けた。
バンッ!!!
すると、
バサバサバサバサバサ――――。
白いカーテンが風に揺れていた。
カーテンの隙間から、窓から身を乗り出しながら今から逃げます的な空河。
「なっ! 天士!!!!」
星野宮が叫ぶ。
鴨梨と馬鹿はと言うと、
「「ル○ン!?」」
的な予想通りのボケをかましてくれた。
空河は何も言わず、窓から外に飛び出した。
星野宮は窓から身を出し、
「天士ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
と、まるで今生の別れ的な感じで叫ぶ。
そんな星野宮の後ろで、
「ル○ンはやっぱりファーストコンタクトが面白いと思うんだけど」
「いやいや、ワルサーも人気だろ?」
未だル○ンを引っ張り、しかもTVSPの話になっている。
「約束したじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッッッッ!!!!!!」
叫ぶ星野宮。
それを聞いて、鴨梨はビシッと外を指さしながら叫ぶ。
「彼女の為に天使ちゃんを捕獲するのだ!! 行け! 雷の化身! くさ………馬鹿!!」
「何故態々言い直す!!」
「さっさと行け」
「…………くそがぁぁぁあああぁぁぁぁぁああああああぁぁぁッッッ!!!」
涙を流しながら脚だけを雷に変え、外に飛び出して行った。
ボソッと、外を見ながら、
「流石『雷化』だな」
「スタンガンじゃねぇぇええぇぇぇぇえええええぇぇぇぇ……………………」
と、遠くから声が聞こえた。
てか、聞こえたのか………恐るべし馬鹿!
鴨梨は駆け、窓から身を乗り出しながら、
「GREEN vs REDは6回観てもなかなか理解出来なかったよぉぉぉぉおおぉぉぉぉぉ!!!」
と、叫ぶ必要の無い事を叫ぶ。
「………私も追いかけます!!」
星野宮が窓から飛び出す。
その姿を見ながら、
「………ツッコミ不在は痛いね。ボケ要員ばっかり増える……」
回想終了
その後、馬鹿に捕まり、追って来た星野宮にも捕まり、今に至る。
空河はぐったりとしながら溜息を吐いた。
「はぁ~………太陽が眩しい」
空を仰ぎながら、目を細め、ボソリと呟く。
「早くい行こう!!」
星野宮は顔を赤くしながらも、笑顔で空河の腕を引っ張る。
引っ張られても中々に動こうとしない。
「……………はぁ~」
溜息を吐き、立ち上がる。
「レッツ! ピクニック!!」
と、拳を掲げ、テンションを上げる星野宮。
空河は思い出していた。
5歳の頃、薄い薄い記憶。
そう言えば、ミナはこう言うテンションだったな、と。
先頭に立ち、率先して様々な所に行ったりしていた。………筈。
空河は遠い目をしながら、
「……………行くか?」
「うん!!」
空河、星野宮両名の周りでは………。
「此方長靴を履いた猫。現在2人は森の中に入る模様。どうぞ」
※鴨梨。
茂みに隠れ、2人を監視し、無線で連絡していた。
「此方茨姫。此方からは後何分位で此方に来る? どうぞ」
※月柏。
森の中。木の後ろに隠れながら無線で尋ねる。
「此方裸の王様。スムーズに行って10分だと思います。どうぞ」
※草島。
第二後者屋上から双眼鏡で2人を視ながら、無線で教える。
「此方赤ずきん♪ お腹減ったぁ~。どうぞ♪」
※麒麟音。
森の中に隠れながら、陽気に連絡。
「こ、此方シンデレラ。お弁当持ってきましたよ? どうぞ」
※明堂。
森の中。大きなバスケットを持ちながら、お知らせする。
「此方白雪姫。後々で合流してお昼にしよう。ていうか、茨姫は来なくて良いから。どうぞ」
※陣内。
森の中で木に凭れながら茨姫=月柏に喧嘩を売る。
「アンタは白雪姫なんて柄じゃないでしょ? 雪女」
喧嘩を買ってしまう月柏。
「アンタだって茨姫って柄? 13人目の魔法使いでしょ?」
「雪中で人を谷に突き落とす女に言われたくないわ」
「小泉八雲では子を愛でる優しい女よ」
と、何故か言い合いを始めてしまう。
何故、2人を監視しているかと言うと、月柏、陣内、麒麟音、明堂は例のじゃんけん大会に参加していた為、星野宮が空河をデートに誘う事は予想していた為。
だが、今日誘うとは思っていなかった。
では、何故4人が揃ったのかと言うと、勿論鴨梨が「面白そう」との事で連絡したのだ。
で、鴨梨、草島は「面白そう」で参加している。
「その前に茂作殺してるじゃない!!」
「どっちにしろ老人では雪中を生き抜く事は出来ないわよ!!」
「てか、アンタの伝承多すぎなのよ!!」
「それだけ有名って事でしょ!?」
などと、不毛な争いをまだ行っていた。
草島の使い易さ。
ついでに様々なネタ登場。
天空のあれとか、大怪盗とか、童話、逸話と。
まぁ、全部三流知識なのですがね。
解らない人はウィキペディアで!
さてと、次回は後編。
後編も笑いに走ります。
そして! ラブコメに挑戦!
書けないけど頑張る!! てか、絶対エロの方が書ける。
でも、どこまでが良いのだろうか? エロの境界線を教えて欲しい。
微で済ませれるエロと、「これ、18禁だね」的なエロの境界線を!
やってはダメなのか!?描写を入れてはダメなのか!?
的な事を思っています。
それでは、それでは………。
追伸
GLとかBLとかにも挑戦しちゃいそうだよ!
でも、この作品って男子間の信頼的な何かでいけると思う。と、思うけど作者が苦手分野なので残念………。
でもGLはいける!!