カーム・ビフォー・ザ・ストーム。 ハウエバー……
いやぁ~今解った。
私にラブコメは無理だと!!
だって……全然湧いてこないんだもん!
無理無理!!絶対無理ぃ~。
ですから、早急に戦闘シーンに突入したいと思いますが!!
やっぱり少しのんびりとしたのも書きたい!
才能無いのに! あぁ~文才が欲しい。それと天才の脳。
タルトの『天下の生徒会長様に喧嘩売ったよ』一件での次の日。
現在陣内、越智、大熊田は左右と共に居た。
「昨日は結構な騒ぎだったらしいな?」
左右が3人の前を歩きながら尋ねる。
「それはどっちの?」
越智が尋ね返す。
「どっち? 私が言ったのは誰かが鈴葉に喧嘩を売った事だが?」
「あぁ。その事は吉の方が詳しいだろう?」
越智が隣を歩く大熊田を見る。
「………まぁ………鎮圧された」
相変わらずの話し方。
「で、どっちのもう1つは何だ?」
「それは雪袖の方が詳しいだろ?」
隣を歩く陣内を見る。
「……………………………………」
無視。
「………? 一体何があったんだ?」
「いやぁ、会長の仮面が剥げたって事かな?」
越智は笑う。
その説明だけで左右は理解し納得する。
「成る程。まぁ、お疲れだな」
左右も笑う。
「で? 今から何処に連れて行かれるんですか? 此所は一般生徒立ち入り禁止ですよ?」
陣内が面倒臭そうに、そして苛々しながら尋ねる。
「私は唯の案内役だよ」
「………そう言えば………今は眠れる老人………の元に」
「そう。無期限で使えるんだよ。それが私への処罰。あの爺の元で、な」
頭を掻く。
「ご愁傷様。で、その爺から俺等を案内しろと?」
「あぁ。どの様な話かは………爺から聞け」
説明するのが面倒なのか、聞いていないのかは解らないが、面倒だと言うのはヒシヒシ伝わる。
「俺あの爺好きじゃないんだよ」
頭を掻き、苦笑する。
「………………俺も」
珍しく同意する。
「私も好きじゃない」
陣内も同意。
それを聞いて左右が笑う。
「ハハハハッ! 私もだよ」
そんな事を話していると、目の前に洞窟の入り口が見える。
熊なんかが出てきそうな雰囲気を醸し出す洞窟に、左右は躊躇無く入っていく。
3人もそれに続き、洞窟に入る。
洞窟内は薄暗く、少し進めば外の光が届かない。
水が落ちる音が響く。何ともらしい感じだ。
「こんな不便な所で良く暮らせるわね」
「まぁ、身を隠すなら良いんじゃないか?」
「………暗い」
「まぁ、使い勝手は悪いな」
好き勝手言いながら、4人は歩く。
すると、
『心の眼で見れば住みやすいさ』
洞窟内に声が響く。
反響し、響き渡る。
そんな中、4人は「何処から聞こえている!?」的なリアクションは取らず、
「心の眼って………」
越智が恐ろしい程冷めた目で言う。
「ウザぁ~」
陣内も恐ろしい程冷めた目で言う。
「……………………はぁ~」
大熊田は大きな溜息を吐く。
「娯楽が無いから漫画ばっかり読んでたんだよ」
左右が同情する様な目で言う。
『………いや、ツッコミならまだしも………それは酷いだろ?』
第二校舎。空き教室。
机が無造作に置かれた教室。
生徒の数により使われなくなった教室。
RANKⅣの生徒は少ないのに校舎全ての教室を使える筈もなく、必然的に使われない教室が出来る。
特別事務室も使われない教室があったから出来た事だ。
そんな使われなくなった教室で、机に座りながら鴨梨が耳に携帯を当て電話していた。
「………あぁ。『隻眼』とは接触した。随分いけ好かない奴だったがな……………いや、向こうからの命令は無い…………で、情報は? …………『死ぬ者の末路』。世界最大の能力者収容刑務所。随分な所に幽閉してくれているな。で、敵は明確となったのか? ……………………『白夜』の人間!? おいおい、例え『白夜』が全世界最大の組織だと言っても、無能力者の集団だぞ? …………チッ! 解った。それと、『溶けた翼』が動き出している。気を付けろ。…………あぁ。解った。それじゃ………………」
携帯を耳から離し、大きく息を吐く。
天井を見つめる。
「……………レイド隊長…………」
『宝殿高校』南側門。
白いトラックが5台。
その周りには白衣を着た男女が10数人居る。トラックの荷台から機械を運び出したりしている。その機械を運びながら、金属探知機の様な物を潜る。
「………はい。次の方。通って下さい」
白衣を着ているが、この者達は『宝殿高校』の無能力者エンジニアだ。
そして、金属探知機の様な物に通るのは今日此所にやって来た無能力のエンジニア者達。
「………はい。次の方」
次々と白衣を着た者達は中に入って行く。
そして、1人の長髪の男が潜ろうとした時、
ピィィィィィィィィッッッ!!!!
金属探知機の様な物が鳴り響く。
「なっ!?」
「チッ! クソがッ!!!」
長髪の男は胸から拳銃を取り出す。
「なっ! 紛れ込んでやがったのか!?」
白衣の男は急いで連絡しようと無線を取り出す。
「連絡はさせねぇ!!」
叫び、そして左手を地面に付ける。
その瞬間、『領域』が広がる。
「なにを―――――――」
無線で連絡を取ろうとした白衣の男性がいきなり止まる。
それ以外にも、周りの人間全てが止まっている。
「はぁ………はぁ………やっぱり……こ、この数はキツイな………」
長髪の男は息を切らしながら笑う。
能力者。
「でもまぁ、最初からこうすれば良かったんだ………へへッ………」
笑い、立ち上がり学園内に入ろうとした時、
「その一歩。もし、その上げた左足を地面に付けた場合、既にそこは貴様の常識は通用しない世界。治外法権みたいなもんだ。侵入者=死が許された世界だ」
声が響く。
長髪の男は動きを止める。
「………何処だ?」
辺りを見渡す。だが、人影は無い。
「何処を見ている。目の前に居るだろ?」
「!!?」
男は前を見る。
そこには、長髪の10人中10人が振り返るだろう美貌の持ち主が、笑みを浮かべ立っていた。
「へへっ………こんな綺麗な子がお出向かいとは……ラッキーだな」
長髪の男は笑みを浮かべる。
そう、男は外部の人間。
だがら知らない。
「ラッキー? そうか。貴様に取っては………死ぬのはラッキーなのか」
目の前に立つ、女生徒の正体を。
「へへっ………アンタみたいな綺麗な女相手に昇天出来れば最高だろうな!」
下種な笑みを浮かべる。
「………それなら………一歩前へ出ろ。そうすれば直ぐにいかせてやる」
「俺の相手してくれるのか!? 最高だね!! マジビンビンくるぜッ!」
長髪の男は舌を出しながら、上げていた足を、地面に付けた。
その瞬間、
「あぁ。………逝かせてやる」
この女生徒こそ、天下の生徒会会長様、『完璧女王』だと。
長髪の男が止まる。
「なっ、……な、何でお前が……お、俺の『止まる世界』を使える!?」
長髪の男は焦り出す。
だが、その焦りを鼻で笑う。
「ハッ! 『止まる世界』? 随分大層な名前で呼んでいるな。だが、今私が使っているのは貴様の能力ではない。私が使っているのは『裏切りの身体』。対象の身体の動きを封じる能力だ。時を止めるのとでは、大分楽だぞ?」
「て、テメェー………」
「話せるだけマシだろ? それとも、気付いたら死んでいるの方が良いのか?」
ゆっくりと、歩き出す。
「無能力者に紛れて侵入とは、ベター過ぎる。だが、だからこそ侵入し易いと言う事か。けれど、能力探知機にはちゃんと気を向けるべきだったな」
長髪の男の後ろにある金属探知機の様な機械、能力探知機を指しながら言う。
「まぁ、貴様の様な四流、五流以下の能力者では色々と限界だろ? 今、逝かせてやる」
一歩、更に一歩。
「お、お前………まさか………『守護する悪魔』か!?」
長髪の男が声を上げる。
「ん? 外ではその様に呼ばれているのか? 悪魔か………私はこれでも『女王』と呼ばれているのだけれど……それに、悪魔だったら………天使と対になってしまうじゃないか」
ジジジジジジジッッ!!!
右腕に雷が帯びる。
「なっ!? ふ、2つも能力を!? き、貴様多重能力者か!?」
それを見て、男が焦る。
「違うな。では、答える義務もないのでさようならだ」
右手の人差し指を、ゆっくりと長髪の額に近づける。
「や、止めろ………止めろ!!!」
声に応えず、そして、
「……………逝け」
ジジジジジジジッッ!!!ビリリリリィィィィィィ!!!!!!!
「ぐがぁぁああぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
額に人差し指が触れた瞬間、長髪の男は小刻みに震え、そして倒れる。
その姿を見ながら、能力探知機の方を見る。
すると、止まっていた無能力者達が、
「――――する気だ!? ………へ?」
「あれ? ………一体?」
「何があった?」
「私は………あれ?」
皆首を傾げる。
「今侵入者を気絶させました。それと、今私無線を持っていないので連絡してくれませんか?」
月柏が無線を持つ男にお願いする。
「は、はい!」
男は直ぐさま無線で連絡を始める。
無能力者達も困惑はしているものも、各々機械を運ぶ作業を始めたり、探知機の前に列を成す。
その列に並ぶ、無能力者が月柏に話し掛ける。
「いやぁ~、それにしても凄いですよ。見てませんがよ」
自分の頭を掻きながら男は褒める。
「それ程でも」
軽く会釈する。
「いやいや、その美貌にその強さ。まぁ、我も見てはいないのだが」
その後ろに居た男も褒め、そして苦笑する。
「私など、今のままでは井の中の蛙です」
など謙遜しながら月柏は学園の方へ歩き出す。
「いやぁ~綺麗な子でしたね」
そんな姿を見ながら皆騒ぎ出す。
「そうですよ。綺麗でしたよ」
「我もそう思う」
「では、次の人!」
「おっ、俺の番だよ」
探知機を通る。
「………はい。これ地図ですので、このマークされている所に向かって下さい」
そう言い学園の地図を渡す。
「了解だよ」
「では、次の人!」
「うむ。我か」
探知機を通る。
「………はい。これが地図です」
「解った」
受け取り、歩き出す。そして小さく呟いた。
「………本当にそうか、確かめてやろう」
「では、次の方!」
眠れる老人の元にやって来た陣内、越智、大熊田。そしてその3人を連れてきた左右。
4人は洞窟の中で立っていた。
「で? 俺達を呼び出した訳は?」
越智が尋ねる。
『うむ。まぁ、今でなくとも良い話なんだがな』
洞窟に声が響き渡る。
声は若く、この声が本当に老人のモノか?と疑わせる。
「前振りは良い。さっさと話せ」
陣内が怠そうに、そして苛々しながら急かす。
『敬え少しは。……まぁ、良いだろう。話そう。と、その前に。何故主等3人を呼び出したと思う?』
老人は尋ねる。
「…………俺等だから……だろ?」
大熊田が答える。
『流石だ。その通り。さて、今から話す事は他言無用だ』
何とも言えない空気か流れる。
『単刀直入に言おう。この学園内に空河の坊主以外に組織に所属している者が居る』
陣内は首を傾げる。
「ヤバい事なの?」
「まぁ、組織に入っている事は普通だったら変かもしれないが、可笑しくはない。問題はその所属組織か?」
越智が尋ねる。
『あぁ。予想される組織名を言う。覚えろ』
「………組織名? 誰かは解らない………のか?」
大熊田の問いには左右が答える。
「残念な事にな。組織名だって可能性が高いだけの話。鵜呑みにしなくても良い。参考にって事だ」
『では………『白夜』・『魔除け』・『神秘なる使命』・『骨組みの強欲』・『神の如き強者』だ』
「結構有名どころが入ってるな。『白夜』なんて世界最大の無能力者組織だろ? それに『神秘なる使命』も能力者組織としてはデカイ。『魔除け』って言うのは何処の組織だ?」
越智が尋ねる。
「『溶けた翼』の下部組織だ。あそこはヨーロッパ最大の組織だからな。他にも『百目の巨人』とか『守りし竜』とか『混同する獣』とか。『魔除け』もその1つだ」
左右が越智の問いに答える。
「それじゃぁ、後の2つ。『骨組みの強欲』と『神の如き強者』は?」
陣内が尋ねる。
『『骨組みの強欲』は対無能力者組織だ。言わば世界の敵。対する『神の如き強者』は『隻眼の番犬』の様な活動をしている。色々と違う所はあるがな』
老人が答える。
「随分物騒だな。で、今上げた組織の人間がこの学園内に居るかもしれないって話か?」
越智が出てきた組織名に嫌気が差しながらも尋ねる。
『あぁ。『白夜』などは無能力者なら誰しも所属しているぐらいの大きさだ。差程気に注意しなくても良い。だが、『溶けた翼』の下部組織である『魔除け』は注意だ。『神秘なる使命』は言うまでもなく注意。『神の如き強者』は差程気にしなくても良い。下手に手は出してこないだろう。『骨組みの強欲』には注意だ。此方は何をしでかすか解らない』
「『魔除け』と『神秘なる使命』、『骨組みの強欲』に所属している奴を捜せば良いのね?」
陣内が確認を取る様に尋ねる。
『そうだ。まぁ、向こうが暴れ出す前に特定してくれれば良い。人手が足りなくてな。『王様』が最近暴れ出したくてウズウズしているらしい。アイツが暴れ出したら秘密裏にって言葉が虚しく感じてしまう。だから『王様』が動く前にって事になる』
少し溜息混じりに老人はお願いに似た指令を出す。
だが、そのお願いする立場なのに随分上からだな。的な事は気にしておらず、老人が言った王様に気が向いていた。
「………マジで? 『王様』前に校舎半壊させて今アンタの所に居るだろ? ちゃんと抑えろよ」
越智が引き攣った顔で言う。
「………………『王様』は………ダメだ」
顔が青い大熊田。
「面倒臭い奴ばっかり………」
溜息を吐きながら腰に手を当てる陣内。
「人間性の問題だろうな。あれは宗次の『破壊狂』以上だからね。異常性で言えば」
左右が苦笑するが、何処か楽しそうだ。
「それに、『王様』天士嫌いじゃん」
「…………天士も……『王様』嫌い」
越智と大熊田が顔を見合わせる。引き攣り、笑いが「ハハッ………ハハ……」歯切れ悪い。
「面倒臭い」
此所に来て中々に多用している面倒臭い。空河の口癖なのにね。
『まっ、よろしくね』
お願いした本人は気楽らしい。
「「「はぁ~………面倒臭い」」」
3人揃って溜息を吐いた。
組織の名がまた増えた。
止めてよ……捌ききれない。
まぁ、色々とね。大変だよ。
絡む事が絶対無い組織はあるだろうね。
でも
『雷の投擲』・『神秘なる使命』・『溶けた翼』・んで『殺人集団』
この4つは確実に絡む!それだけは断言!!
まぁ、何話ぐらいで絡むんだろうね。そこは解らない。
そんなこんなで、現在39話。まずは50話まで逝くしかない。
そう……逝くしなかない。
50話ぐらいだったら、色々謎解けてるかな?
俺の予想だと増えている様な気がする!!
消化出来るのか!? 俺!!?
それでは、それでは………。




