アカウント → イニグマ → ドゥレッドゥフル・シーン???
年齢制限とかあったら、凄くドキドキします。
例え年齢的に大丈夫であったとしても。
全年齢OKとか逆にドキドキします。
そして期待します。
何の話でしょうか?
突如現れたタルト! 如何に!?
的なテンションは場違い。
現在タルトをパイプ椅子に座らせ、目の前に月柏と空河。
横のソファーに星野宮と鴨梨と草島が座っている。
月柏は殺気を垂れ流しにしている。
「おぉ~……まるでtorture前みたいデスだヨ………おぉ~う………光輝……目の前のwomanがもの凄く怖いデスだヨ………」
肩を窄ませ、目を泳がせながら草島に助けを求める。
「まぁ、しょうがないだろうよ。会長に向かってだしな。説明して納得するまでこの状況続くぞ?」
苦笑する草島。
「おぉ~う。これはhara-kiriをしないとダメなのですござるか?」
色々と日本語が可笑しい。
月柏は眉を細める。
「その変な日本語止めろ。喋れるだろ?」
本当に喋れないならどうすれば良いのだろうか?
既に一方的。
「あ、はい。スイマセン」
頭を下げるタルト。
「此所に呼ばなくとも来たと言う事は、説明する気があると取って良いのか? それとも『決闘』の続きを行いに来たのか? もし後者ならば、今度は遠慮無く潰す」
足を組み、殺気を放ち続ける。
「後者ではないです。此所に来たのは勿論説明と謝罪です。色々とやってしまったらしいので」
「らしい、……か。貴様の出生の事など聞いても意味は無い。此方が質問する。それに答えろ」
一方的。口調も変わり完全にご立腹らしい。
「は、はい」
今のタルトに拒否する権利などない。
もし、このまま天下の生徒会長様と仲がこじれればこの学園の殆どを敵に回したと思っても良い。それ程の人望だ。
「まず1つ。貴様の中には何人居る?」
「4人です。それと、多分多重人格だと思われると思いますが、違います。ミーの中に居るのではなく、この指輪を介して人格が切り替わる様になっています」
そう言い、右手に嵌められた指輪を見せる。
「……その言い方だと、肉体はまた別にあると言う事か?」
「その通りです。ですが、ミーにも肉体の居場所は分かりません。ミーは唯、この指輪を渡されて多少の訓練を受けただけです」
月柏は腕を組む。
「その誰が渡したとかの話は置いておく。まず、貴様の能力はその指輪を嵌める事によって発揮されるものなのか?」
「いいえ。ミーの能力は指輪とは関係ないです。ミーの能力は『無からの始動』。学習能力です」
「その学習能力とは何だ?」
「能力が成長するんです。最初の頃は無能力者と変わりません。そして、訓練を得て、能力のレベルが上がっていく。と、言う能力です。訓練内容によっては能力も変わるそうで」
学習する能力。
使い勝手が悪そうだが、全ての能力者は最初から決まった能力を持ち、その限りなく完成された能力を如何に完成させるかに訓練は狭まる。
だが、タルトの能力はゼロ。何も無い状況から始まる。
決まっている能力ではなく、訓練によってその色を変える。
それは羨ましくもあり、面倒でもある。
「で、貴様の現時点での能力は?」
「『精神接続』です。簡単に説明すれば他人とミーの精神を繋ぐだけの、考えれば考える程使い道が無い能力です」
少し落ち込む様に説明する。
「………これでどうやって貴様の人格を他の人格と入れ替えているのかの説明はつく。では、次は貴様と人格をチェンジしている奴等だ。説明しろ」
「まず、ミー達の呼び名はミーが一応の主人格の為、親指。0と呼んでいます。そして人差し指、00。中指の000。薬指の0000。小指の00000です」
右手を開き、指を折りながら説明する。
「ミー以外はミーが精神を繋いだ順です。えぇ~と、000は今回の『決闘』相手を凍らせた男です。能力は『氷河時代』。0000は唯一の女性です。能力は『特別の中の特別』。00000は男の子です。能力は『枯れる生命』です。そして…………」
そこで躊躇する。
「言え。00を飛ばしたと言う事は、ソイツなんだろ?」
月柏は眉間に皺を寄せる。
「…………00の能力は『鉄則の血』。ミーと同い年ぐらいの男です。少し性格に難がありまして」
チラチラと月柏の顔を見ながら申し訳なさそうに言う。
「………はぁ。まぁ、君のせいではないからな。君に当たっても仕方ないだろ」
貴様から君になった。タルト自身に殺気を放っても仕方無いと解ったのだろう。
そこで、先程まで黙っていた空河が尋ねる。
「………んじゃ、話を戻すか。誰に訓練された? そして、誰にその指輪を渡された?」
「前者、後者共に同じ人です。唯、誰だと聞かれても名前すら知らない相手です。気がついたらその男が居て、訓練させられ、そして指輪を渡されこの学園に来ました」
「………まず、その指輪なんだがその指輪の説明をその男からされたか?」
「精神を繋いでいると、そしてこの指輪とミーの精神を繋げば、人格を切り換える事が出来ると。指輪自体の詳しい説明は無かったです」
その話を聞き空河はこめかみに人差し指を当てながら、
「その指輪は対象を精神ごと指輪に閉じ込めているパターンと、唯々精神を繋ぐパイプのパターンの2種類がある。唯、前者の場合は行える人物は俺が知っている限りだと2人しかいない」
2本指を立てる。
「そう言えば、言っていたわね。確か手品師と人形愛好家だった?」
クールダウンした月柏が尋ねる。
「あぁ。まぁ、2人ともタイプは違う。手品師は自立した人形を作り、人形愛好家は忠実な人形を作る。人形って言うのは大体死んだ奴の肉体を使い、そして肉体を失った魂を使う。此所まで聞けばオカルトだがな。詳しい事は知らない」
一旦切る。
「でだ、人形の場合は魂と言ったが、これは言わばその者の人格。死んだ者に魂を移せるのならば、物にだって移せる。だからもしその指輪がさっきの前者だった場合はこの2人が怪しい。だが、あの2人は物に魂を宿す事を嫌う。物は喋れないからだ。例え人の魂だろうがなんだろうが、口が無ければ喋る事は出来ない。だから2人はやらない」
「けど、その2人以外にも出来る人が居るって可能性は?」
星野宮が尋ねる。
「まぁ、聞いた事はないけどな。可能性はゼロではない。けども、似た様な能力がそう何個もあるとは思えないしな。会長の様なコピー系ならあるかもしれないし、お前の様な学習する能力だって可能性もある」
まぁ、解らないがな。と付け加え欠伸をする。
そこで沈黙。
「………まぁ、今聞いた限りの話だと、作為を感じるな」
鴨梨が言う。
「えぇ。その訓練の時点で今の姿を想像していたと言う事よね。つまりは君、何時の間にか何かに利用されているわよ?」
指を指す。
「………まぁ、ミーも訓練が終わって指輪を渡された時は、そのような事は思ってました。………はぁ………ミーは誰の為にこんな事になったのでしょうか?」
答えは誰も解らない。
「まぁ、良いわ。今日はこれでお終いよ。じゃ、解散しましょうか」
月柏が立ち上がる。
これ以上何を考えても無駄だと判断。
考えるのは良い事だ。だが、それは時として間違えた結論を植え付ける。
そして、答えと例えがかけ離れた時人は混乱する。
決めつけは人間の悪い癖である。
「書類頑張れよ。木須先輩何時の間にか帰ったし」
空河が言う。どうやらタルトが参上した辺りから帰ったらしい。
すると、月柏は後ろで腕を組みながら、
「天士は残りなさい」
笑顔で言う。
「は? 何で?」
首を傾げる。
「お願いではない。命令よ?」
月柏も首を傾げる。
「いやいや!! 何で!?」
「そうですよ!! 此所に天士が残ったら2人きりじゃないですか!?」
すかさず叫ぶ星野宮。
「ミナは帰りなさい…………………………………………………………………邪魔だから」
ボソッと小さく最後に付け足す。
「聞こえました! 聞こえました!! 邪魔って!! それは酷いですよ!!」
反論。
「意義は認めません」
却下。
「その却下を却下します!!」
却下を却下。
「その却下の却下を却下します」
却下の却下を却下。
そんな不毛なやり取りを見ていた鴨梨、草島は「始まった」と思い。知らないタルトは目をキラキラさせていた。
「こ、これが昼ドラのあれデスだネ!!」
口調が可笑しくなっている。
「昼ドラのあれ? あぁ~三角関係とか泥沼とかそう言うのか。まぁ、似てるって言えば似てるけど、違うと言えば違う」
苦笑する草島。
「刃物持ち出して「天士を殺して私も死ぬ!」的な事を言わないだけマシだと思うけどね」
鴨梨が言う。
「おぉ~う! それはヤンデレって言うヤツデスだネ!? あれは怖いデスだヨ! eyeが真っ黒デスだヨ………」
身震いしながら言うタルト。
「…………お前何見たの?」
「School ○ays」
「…………そうか、そうか。ゲームをせずにアニメを見たらしいな。感想は?」
「最後が痛々しかったデスだヨ………途中までは凄まじかったデスだヨ!!!」
「…………そうか。まぁ、あれは………まぁ、うん」
「何話してるの? もう帰るよ。多分幼なじみちゃん負けるから」
眉を細めながら生徒会室を出て行く。
「ふぁ~あ。今日の晩飯何かな?」
「ミーは今日お腹に溜まる物が良いデスだヨ!!」
「………お前出身何処?」
「アメリカデスたい!!」
「………チャイニーズみたいな片言喋りやがって………」
そんな事を話ながら3人は出て行く。
そして、残った3人。
「早く帰りなさい」
「嫌です!」
「帰りなさい」
「嫌です!!」
「………帰らないと」
そこで切る。
「か、帰らないと何ですか!?」
「………………四季波に頼んでミナの事を根掘り葉掘り調べる」
「ひ、卑怯だ!! 四季波ちゃんを使うのは卑怯だ!!」
「知りません。聞こえません。早く帰りなさい」
「ぐっ…………陣内先輩にチクッてやるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~~~」
捨て台詞の様に叫びながら、生徒会室を出て行く。
子供の喧嘩は終わったらしい。
すると、暫しの沈黙。
空河はソファーに座りながら雑誌を見ていた。
どうやらもう逃げるのも面倒になったらしい。
チラッと、ドアの方を見る月柏。
人が来る気配は無し。
チラッと、空河を見る。
――――――オフ。
「天士ぃぃぃぃぃぃぃぃぃッッッッ!!!!!!!!!」
叫びながら空河に飛びつく月柏。
お久しぶりの未完成でございます。
「のわっ!! 止めろ! ひっつくな!!」
暴れる空河。
「嫌だ! 嫌だ! 嫌だ!! 離れない! 絶対離れない!!!」
首をもの凄い速さで横に振りながら叫ぶ月柏。
先程までとは全くの別人。
しかも最近色々あって我慢の限界らしい。
「久しぶりの2人きりだよ!? 嫌なの!? 嫌なの!?」
空河は思った。
面倒臭いと。
「あぁ~………えぇ~と………」
返答に困る。どの答えを選んでも空河に取っては面倒臭いだ。
「答えてよぉ~!!!」
こう言う奴は何故答えを急かすのか?
「………どっちだと思う?」
秘技!質問返し!!
多発し過ぎや状況によっては「何で答えてくれないの?」的な感じで攻められる危険が伴う技だ!
「何で答えてくれないの!?」
……………どうやらこの状況ではダメな様だ。
「………………………………………」
秘技!考えるフリして黙殺!!
やり過ぎたり状況によっては「何で黙ってるの?」的な感じで攻められる諸刃の剣的な危険を伴う技だ!!
「何で黙ってるの!?」
……………どうやらこれもダメらしい。
「いや、嫌でもないけど、やっぱり女の子がひっつくのはどうかと」
秘技!やんわり女の子と言うワードを使う!!
女の子的なワードを使えば大概は回避出来るぞ! 失敗の可能性が少ない技だ!!
「天士だから大丈夫!!!」
おぅ………まさかの「貴方だから大丈夫」。
これを言われたら反撃のしようがない。
普通これを言われたら凄まじく嬉しいのだが、空河は異常な程大量の汗を流していた。
「いや、えぇ~と………」
逃げ道を探す空河。
「ねぇ~嫌なの?」
先程の答えをまだ求める月柏。
「ねぇ~」
ジッと見つめる。
「ねぇ~」
ジジッと見つめる。
「ねぇ~」
ジジジッと見つめる。
「ねぇ~~~~」
ジィィィィィィィィィィィィィィィッと見つめる。
しつこい。
そう思ってしまう空河。もうこの状況では、
「…………嫌では……ない…………かもしれない」
最後に言葉を濁す。
だが、
「ホント! やったぁ~」
更にくっつく。
「嫌だ」と言う手もあるのだが、残念な事にスッパリ言える程空河は強くない!
「女の涙には弱いぜ………」的な感じである!!!!
「ねぇ~………天士」
何故か少し甘ったるい声を出す。
「な、何ですか?」
背筋を伸ばす。緊張? 否、危機感!!
「天士はさぁ~」
ヤバい!
鈍い空河でもこの後月柏が何を言うかは解る。それだけは回避しないと!
などと考えるが、この場から逃げる方法を空河は知らない。
トイレとか言って生徒会室を出る事は出来るが。結局捕まる。
てか、既にその手段は前に使った事のある空河。
「私の事をさぁ~」
ヤバい!ヤバい!!
「私の事………………す―――」
ヤバい!!
そう思った瞬間、
ドダドダドダドダドダドダドダドダドダドダドダドダドダドダ!!!!!!!!!
凄まじい音が鳴り響く。
それを聞いた瞬間、月柏止まり空河から離れる。
そして2人はドアの方を見る。
ガシャァァァァァァァァンッッッッッ!!!!!!!
ガシャァァァァァァァァンッッッッッ!!!!!!!
凄まじい勢いでドアが開かれる。しかも両側。
「クソ女!!!」
これは陣内。
「と、止めに来ました!!」
これは明堂。
「抜けがけ禁止♪」
これは麒麟音。
「呼びました!!」
これは星野宮。
空河は胸を撫で下ろす。
助かった。と。
「チッ…………余計な事を」
小さく呟く月柏。
すると、月柏を睨んでいた陣内が一旦視線を変える。
その先は、勿論麒麟音。
「…………貴女は………確か教室で」
陣内は空河と同じ教室の為、絡んできた男子生徒の顔面を机に叩き付けたシーンを見ている。
だが、その後の自己紹介の時には既にエスケープしていた為、詳しくは知らない。
けれども、陣内、そして明堂は気付く。
“ま、まさか!?”
麒麟音は麒麟音で、
“………あの白い肌の人はLOVEではない。でも、あの巨乳は”
などとドンピシャだった。
「天士………このオレンジは誰?」
髪の色で言う陣内。
「天士さん………この方は?」
黒いオーラを出す明堂。
「天士………このお二人は?」
ニコニコ微笑みながらチクチク刺さる空気を出す麒麟音。
「えぇ~と……………同僚?」
「そう………アンタもそうなの」
黒い笑みを浮かべる陣内。
「幼なじみの次は同僚…………」
呟き出す明堂。
「お二人はお友達ですか?」
勝ち誇った顔で尋ねる麒麟音。
そんな2人のやり取りを尻目に、
「ねぇ、天士。ちょっと話したい事あるからどっか静かで誰も来ない所行こうか?」
空河の手を引っ張る月柏。
「ストップ! それ卑怯ですよ!! あっ、私も話す事あったので天士! 今から誰も来られない所行こう!!」
空いている手を引っ張る星野宮。
「「「何やってるの!?」」」
声が揃う3人。
空河の地獄は、今から始まる。のでした。
生徒会室のドアから覗く木須。
「…………もう終わったと思って帰って来たら………修羅場?」
などと呟きながら、空河に向かって合掌した。
いやぁ~ハーレムって良いよね。
でも、絶対不公平になるよね。
1人に決められなくとも、その中から結局一番お気に入りの子を見つけてしまうのだよ。
天士はどうなのかね。まぁ、リヤ充は爆ぜれば良いのだ。
…………あれ? 何故か塩水が。
書いてて虚しくなりました今回!
タルト君。説明しましたがこれで使い捨てが完璧に出来なくなりました。
残念。まぁ、タルト君はボケ担当なので。でも、ボケ多いしな。
それと、お久しぶりのオフでした。
いやぁ~久しぶりだよ。
そして、オフにして気付く。
あっ、やっちゃった。と。
未完成。オフを未完成と書いてしまった。
被る。
『永遠の未完』と被る。
無関係ですので! 一応ね。
次回は…………なんだろうね。まぁ、色々詰め込みます。
奴等が来るまで。
それでは、それでは………。
追伸
やっぱり隕石落下とか―――――………………………。