ファイブ・オブ・イントルーダー
はぁ~色々と面倒臭いのが登場した。
キャラもそうだし、能力もそうだし。
能力的に脇役じゃないし………使い捨てが出来ない。
もう伏線とかさぁ~
キャラとかさぁ~
増えて増えて対処出来ない。
もう、隕石落下で多数死亡とか出来ないかな?
………いや、やりませんよ?
一気にSFになるので。
第二校舎校庭。
生徒達が集まり、ざわついている。
その生徒達の視線の先に居る草島。
その馬鹿の前に角刈りの男が立っている。
角刈りの男は馬鹿を睨み唾を吐く。
馬鹿は周りの生徒達に手を振っている。色々と間違えた馬鹿野郎。
その様子が更に苛つくのか、角刈りは怒鳴る。
「今からテメェをフルボッコにして醜態晒さしてやるよ!!」
挑発。まぁ、安い挑発だ。安売りしていても買わない。
だが、
「んあぁ!? 上等だカスがッ!!」
それを買ってしまう馬鹿。
この『決闘』の始まりはまぁRANKがいきなり上がった生徒には宿命みたいな者だ。
怪訝した生徒がその生徒に挑む。それに勝てなければ生徒の居場所が無くなる。
この馬鹿がそれに乗ったのは馬鹿なので唯々苛ついただけなのだろうが。
「ハッ、泣き面見るのが楽しみだなぁ、おぃ!!」
「泣き面? ハハッ、テメェは直ぐさま死んで貰いますのでそれは不可能!!」
殺してはダメなのだが、まぁ、もう何も言うまい。
レベルの低い罵声を交換し、少しの沈黙が訪れる。
まるで西部劇の決闘シーン。
砂埃が起こる。
そして、角刈りが動く。
「ぐおぉぉぉぉぉらッッッ!!!!!!!!」
そう叫び、地面を殴る。
ドゴォォォォオオオオオォォォォォォンッッッッッッ!!!!!!!!!!!
地面が割れ、岩やら石やら土やらが草島めがけて飛んで行く。
そして、角刈りは直ぐさま動く。
視界が悪くなったのと同時に草島へ向かって駆ける。
まぁ、先制攻撃には十分だ。
だが、甘い。
ジジジジジジジッッ!!!ビリリリリッッッ!!!!
雷光が揺れる。
「避けてみろよ。RANKⅣだろ?」
土煙の中から、草島の声が嫌に響く。
そして、
「痺れ爆ぜろ」
雷鳴轟く。
ドゴォォォォオオオオオォォォォォォンッッッッッッ!!!!!!!!!!!
「ぐあぁあああぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁあああああッッッ!!!!!!」
角刈りの叫び声が聞こえる。
「なっ、何が起こってる!?」
「何も見えないぞ!?」
外野には土煙のせいで草島が何をやったのかが見えない。
だが、先程の一撃で土煙が徐々に消えて行く。
そして、その中に立っていたのは無論草島だ。
「ハッ、こんなもん……………んあぁ?」
つまらなそうな顔で、辺りを見て気付く。
角刈りが居ない事に。
「なっ!? ………まさか!!」
瞬時に草島は気付き、跳び上がろうとしたが、
ドゴォォォォンッッ!!!
「ハハッ!! 遅い!!!!」
草島の真下、地中からいきなり角刈りが現れ、草島の足をガッシリと掴む。
だが、それも甘い。
草島の能力は『雷化』だ。
つまりは、雷。
ジジジジジジジッッ!!!
草島の体が雷の様に光る。
「甘いんだよ。掴んだら直ぐに止め刺せ。じゃねぇーと………お前が終わるぜ?」
「は? ――――」
「痺れろ」
ジジジジジジジジッッッ!!!!!ビリィィィィィィィィィッッッ!!!!!
「ぐがぁぁぁあああああぁぁぁぁああああああああああああッッッ!!!!!!!」
角刈りが苦痛を叫ぶ。
それも当然だ、生身の人間が雷の威力に耐えられる訳がない。
それに、草島は殺さないギリギリの手加減しかしていない。
「ぐぁ………がが…………」
白目を剥き、地面に落ちる角刈り。
その様子を見ながら、草島はつまらなそうな顔をする。
「能力の使い方が甘いんだよ。テメェは敵掴んで満足するのか? 止め刺さねぇとテメェが痛い目みるぞ?」
ジジジジッ!と、雷を帯びながら草島らしからぬ格好いい言葉を。
絵的には凄まじく格好いい。まるで草島が主人公の様だ。
まぁ、事戦闘となれば彼は一番に輝く。
能力でじゃないよ?
すると、
「キャハハッ! スゲーなおぃ!! マジ半端ねぇーよ!!」
3名の男子生徒が草島に向かって歩いてくる。
「いやぁ~………ホント、お前マジ凄いわ。んでよ………俺等とも遊んでくれない?」
1人の男が笑いながら尋ねる。
この様子からだと、生徒達は角刈りみたいに1対1でやるつもりはないだろう。
今の状況で言えば1対3。
まぁ、多分だが草島の能力に持続性が無いと踏んでの行動だろう。
甘い考えではある。全身雷にならなければ、多少の長期戦もなんとかなる。
が、先程一瞬全身を雷に変えてしまった。
それだけでも雷の質が変わる。
差程力を篭めないであれ程だったが、次からは力を篭めないとあれ位にならない。
それに目の前の男子生徒も噛ませ犬っぽいがRANKⅣ。角刈り同様何かやってくる。
撃隊出来る自信は草島にはあったがそれでも複数となれば話が変わる。
けれども、断る筈はない。
「ハッ! 何だ? 死にに来たのか?」
売られた喧嘩は全部買う。何処の不良だろうか。逃げる事を覚えて欲しい。
「あっ、俺等3人でやるけど良いよね? だってお前強いしさぁ~」
生徒がヘラヘラと笑いながら尋ねる。
此所で断る事は出来る。
『決闘』は「公平」。そして互いの了承がばければならない。
そう、断れば良いのだが、
「3人じゃねぇと、勝てねぇんだろ?」
挑発追加。
この様子を見ていたら、角刈りは結構正々堂々だったのだと解る。
また、沈黙が訪れる。
周りの生徒達は固唾を呑む。
だが、その沈黙に水を差す声が響く。
「………待て」
「ん?」
草島は振り返る。
すると、巨漢のお馴染みの方が歩いて来る。
「おぉ~熊さん!」
草島は手を振る。
「光輝………俺も参加………する」
大熊田は草島の横に立ちながら目の前の男子生徒を睨む。
「………へぇ~珍しいね。熊さんが自分から戦うなんて言うの」
目を丸くしながら、そして笑う。
「………まぁ………たまには」
照れる大熊田。
「まぁ、1人増えても良いか。所詮インチキしてRANK上がった連中だしな」
男子生徒の1人が笑いながら言う。
矢張りその様に見られていた。まぁ、極普通の流れだ。
すると、
「それはミーの事も言っているのですか!?」
周りの生徒達を押し退け、金髪の男子生徒が現れる。
「誰だ?」
男子生徒の1人が尋ねる。
「ミーの名前はタルト=クルデーロ。気安くタルトとでも呼んでくれたら嬉しいよ!!」
流暢な日本語だ。ミーと言ってはいるがそれ以外は日本人と同じ位のスムーズさ。
「………確か………俺達と同じで………今日からRANKⅣの」
大熊田がタルトを見ながら言う。
「ユーの言う通りですよ! ミーは今日からRANKⅣになった元RANK………Ⅱの生徒だよ」
その瞬間、大熊田と草島が驚く。
「ハッ! テメェーもインチキで上がってきた口かよ!」
男子生徒が笑う。
だが、大熊田と草島はタルトを物色する様に見る。
この学園には様々な贔屓やインチキが存在するがRANK上げに至っては贔屓やインチキは無い。
草島達はちゃんとRANKに見合った実力を持っている。
RANKⅡに居たのは能力を抑えていたから。
その為、目の前に居る金髪はちゃんと実力を持っていると言う事。
自分達以外にRANKⅡから一気にⅣになった生徒が居るとは、草島は驚きそして笑みを浮かべる。
「タルトだったよな? 俺の名前は草島光輝だ! 気安く光輝と呼んでくれたら嬉しいぜ!!」
「おぉ!! 始めての友達だよ!! ミー嬉しいよ!! ユーはミーのBest friendsデスだヨ!!!」
何故か後半片言になり、英語が混ざる。
「ハハハッ! お前面白いなぁ!!」
笑う草島。
「俺は………大熊田吉………好きに呼んでくれ」
大熊田も自己紹介。
すると、タルトは目を丸くし、
「おお!! 一気に2人ヨ!! 友達100人出来るかなでござるヨ!! ユーもミーのBest friendsデスだヨ!!!」
色々と日本語が壊れ始める。
「さてと、なぁ! 別に3対3でも良いよな?」
草島が尋ねる。
「えっ? あ、………」
男子生徒がいきなり返答に詰まる。
この男子生徒達は1対3をやりたかったのだ。3対3になってしまうと意味が無くなる。
だが、
「おいおい、昨日までRANKⅡとかⅢのアンタ等風に言えばインチキで上がってきた連中だぜ? 逃げるのか?」
草島が挑発する。
「数が揃っただけだろ? 何処に逃げる要因がある?」
「クッ! やってやるぜ!!!」
男子生徒の1人が叫ぶ。
それを聞いて、
「なぁ、タルト。お前の能力は攻撃系能力か?」
「ん? Yes、Yes!! ミーのAbilityは特攻向きデスだヨ?」
それを聞いて草島は笑みを浮かべる。
「自己紹介も兼ねて、見せてくれないか? 俺の他のダチ何人かきっと見ているし」
草島は尋ねる。
「ん? おぉ~光輝はFriend100人も居るデスか!? それじゃぁ、此所でミーのAbility紹介デスだヨ!!!」
語尾に「ヨ」はチャイニーズっぽい。王と被る。
王を知っている者は失礼ながらもそう思ってしまった。
だが、それと同時に「王は差程出番無いから良いか」とも思ってしまった。
タルトが一歩前に出る。
その時、大熊田が気付く。
「………指輪」
そう、タルトの右手5本の指全てに指輪が嵌められている。
「ん? あぁ~ミー以外の子とは好み違うデスだヨ。だからそれぞれの好みの指輪嵌めてるデスだヨ」
「以外の子?」
草島は首を傾げる。
だが、タルトは答えずに前へ出る。
「さぁ、ミーの初陣だよ? それに………皆今機嫌が良いんだ。飛び抜けるぜ?」
タルトの口調が流暢になる。
「始まりの合図を。西部劇の様に、コインでも投げるかい?」
その瞬間、男子生徒の1人が動く。
「クソがァァァァァァ!!!!! ぶっ殺してやるよッッ!!!!」
叫びながら体に炎を纏う。
「わぁお! やっぱりⅣは生半可じゃないね! それじゃ、………000出番だよ?」
その瞬間、気付く者は気付いた。
タルトの雰囲気が一変した事に。
そして、タルトは前髪を掻き上げながら右手中指を立てた。
「ハッ! 000、参上」
口調が変わっている。
それを見た瞬間、草島が顔を歪めた。
「!? ………クソが」
その呟きは誰にも聞こえず、風に乗って消える。
「ハッ! それじゃぁ、テメェのその燃える体、俺が冷ましてやるよ!!」
タルトは駆け出す。
「凍えて固まりなッ!!!」
タルトは届かない距離なのに拳を突き出す。
その瞬間、炎を纏う生徒の世界が固まる。
カチッ―――ピキピキッッ!!!!
「なっ!? なっ!? 何だこれはッ!!!」
炎を纏う男子生徒の足下から、氷が出現し飲み込む様に足下から上へ凍っていく。
「ハッ! 見ての通りの氷だぜ? さぁ、て。俺はお喋りなんだ。教えてやるよ。俺の能力の名前は『氷河時代』聞いて解る通りだよ。お前の炎は何度まで上がる? まぁ、自身の体に炎を纏わせているんだ。下手に温度上げれば………溶けておさらばだぜ?」
中指を立て、舌を出す。
完全に先程までのタルトではない。
タルトの言葉通り、男子生徒は炎の温度を上げる事は出来ず凍り付く。
「ハッ! 氷のオブジェの出来上がりだ。さて、と。おい光輝! 他のも良いのか?」
「ん? どうする熊さん? 熊さん戦いたいなら譲って貰うけど?」
「いや………今回はタルトに譲る………それに………他にも何かある」
「そっか。良いぞ! 今回は特別だ!!」
それを聞いたタルトは笑みを浮かべる。
「特別………ねぇ~………おっと、その言葉聞いて騒いでるのか? なら、譲ってやるよ」
タルトは呟く。
すると、タルトが右手の薬指を立てる。
「どうも。0000です」
口調が柔らかくなる。
だが、目の前の2人の男子生徒は1人が凍りづけになった為に、腰が引けていた。
それでも0000と名乗ったタルトは引かないし止めない。
「不殺ですよね? では―――」
シッ――――!!
瞬時にその場から消え、
「腕の関節を外させてもらいます」
1人の男子生徒の後ろに立ち、右腕を掴んでいた。
「「なっ!?」」
生徒2人は驚き振り返ろうとしたが、それよりも早くタルトが腕を掴む生徒の関節を外す。
ゴキッ!!
鈍い音が響く。
「ぐがぁぁあああああああああああああぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁああああああッッッ!!!!!」
右肩を押さえ、崩れ落ちる男子生徒。
シッ――――!!!
すると、タルトがその場から消える。
「あの………」
「のわっ!?」
いきなり草島の真横に現れるタルト。
その顔を間近で見た時、草島と大熊田は違和感を覚えた。
「…………もう一度言ってくれませんか?」
「へ? 何を?」
「…………先程私に言った! 今日はなんちゃらのそのなんちゃらをッ!!!」
興奮しながら叫ぶ。
首を傾げ思い出しながら、
「えぇ~と………特別?」
そう草島が言った瞬間、
「はぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
甲乙とした表情で悶えるタルト。
「特別………なんて良い言葉」
その時、草島はタルトの体を見ていた。
変態的な意味ではなく。
先程からタルトの口調が女になっている。
だが、体つきは男だ。
元は女だった訳ではなさそうだ。
「矢張り…………」
確信した様に呟く。
その呟きを辛うじて聞こえた大熊田は視線をタルトから草島に向け、眉を細めた。
すると、
「ん? ………珍しい。まさか貴方が」
そうタルトが呟いた瞬間、タルトの動きが止まる。
そして、
「見苦しい所を見せてしまった。誠に申し訳ない。彼女は「特別」と言う言葉に弱いので」
口調が固くなる。そして深々とお辞儀をする。
「私は00。どうぞお見知りおきを」
そう名乗りながら人差し指を立てる。
「……彼女?」
大熊田が違和感に気付く。
「その説明は後で。今は………あの者を」
そう言いながら、残った男子生徒に向かうタルト。
その後ろ姿を見て、瞬時に草島と大熊田は気付く。
タルトの放つ殺気が、「人を殺す」本物の殺気だと。
「ヤバ――――なっ!?」
瞬時に草島は動き出そうとするが、動けない。
「!!?」
大熊田も動き出そうとして気付く。
「「『領域』!!?」」
「『鉄則の血』」
草島は目線を下に落とす。
すると、地面に何時書かれたか血で文字が書かれていた。
「『|遅く(slow)』」
それを見て、瞬時に草島は理解する。
今、何故自分達が速く動けないのか。
それは既に自分達がタルトの領域に居るからだ。
能力の全ては解らないが、今速く動けないのはタルトの能力。
「クッ、ソがッ!!」
すると、タルトは既に残る男子生徒の前に立っていた。
そして、蔑む様な目で言葉を発する。
「|Torment. Scream. And, die (苦しめ。泣き叫べ。そして、死ね)」
そう言い放ち、右腕を上げる。
だが、
「『夜想曲』」
「!?」
タルトの動きが止まる。いや、止められる。
「『生徒会』よ。『決闘』中悪いのだけれど、放っておいたら死人が出来る勢いなので介入させてもらうわ!!」
星野宮が腰に手を当てながら叫ぶ。
それと同時に、
「やり過ぎだ」
五十嵐に羽交い締めにされ、
「『決闘』は殺さず、だよ♪」
麒麟音が右腕手首を掴みながら微笑み、
「下手に動けば即………解るわよね?」
月柏がタルトの額に人差し指を当て、
「………まぁ、一応、だ」
面倒臭そうに空河が人差し指の指輪を掴んでいた。
何処から現れたのか一瞬で5人はタルトの動きを封じた。
そんな様子を見ていた某馬鹿。
「………良い所持って行かれたか?」
悔しがっていました。
ホント、タルト君の能力は面倒です。
イメージ的には奪還屋の弥勒一族です。
あれは最初から複数の人格が宿っていますが、勿論タルトは違いますよ?
まぁ、そうした方が楽だと思いますが。
パクったら怒られるので。でもタルトの能力考えて最初に浮かんだのが弥勒一族でした。
大丈夫! 多分パクリだと言われない筈!! 自信と勇気を持て俺!!
そんなこんなで、馬鹿の見せ場がタルトに取られ微妙な感じの馬鹿。
まぁ、次回はその様子を見ていた者達です。
それでは、それでは……………。
追伸
00の能力も色々と重なる。血文字で色々はもう既に何処の作品でもやっているでしょ?
でもパクリじゃないよ! 今読者様の頭に過ぎっているのと00の能力は別物ですよ!