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One-eyed  作者: 龍門 
次へのプロローグ =Long prologue to the following=
37/60

イディオット・スタート

今回は話の内容が薄い。

まさかここまで………。

まぁ、短いです。




 昼。第二校舎特別事務室。


 第二校舎の三階にある教室2つをぶち抜いて1つの教室になっている特別事務室。

 特別だとか言ってはいるが、この特別事務室は先代生徒会の長左右が「特別校舎行くの面倒だから此所にも私だけの部屋を作る!!」と、言いだし勝手に壁ぶち抜いて作られた教室がこの特別事務室だ。

 事務室と言う名は生徒からの反発を防ぐ為。

 例え生徒会長でも好き勝手やれば自ずと周りが離れて行ってしまう。その為の処置。


 今現在、特別事務室には空河、月柏、鴨梨、麒麟音、五十嵐の5人。大きなソファーに腰を掛けながら話している。


「いやぁ~同じRANKでも私会長さんや五十嵐君とは接点無かったなぁ~今日が始めて話すんじゃない?」

 麒麟音がニコニコ微笑みテンション高く話す。


「そうだな。そう言えば話さなかったな。RANKⅣは差程生徒も居ないのに。な?」


「私は麒麟音さんの事は知っていたわよ? RANKⅣでも『異常系能力アブノーマル・アビリティ』は少ないからね」

 五十嵐は知らなかった様だが月柏は流石天下の生徒会会長様なのか、微笑みながら麒麟音を見る。


「いやぁ~あっ、会長さん! 私の事は紗々で良いですよ? 麒麟音って名前も好きですけど、紗々って名前の方が好きなんで♪」


「そう。じゃぁ、私の事も鈴葉で良いわよ? 皆私の事会長と呼ぶから少し寂しくてね」


「へへ~。天士! 今私友達が出来たよ!!」

 と、元気良く隣に座る空河の肩を叩く。


「そ、そうか。てか、痛い。本気で痛い」


「いやぁ、まさかRANKⅣに天使ちゃん以外の『隻眼の番犬ワン・アイド・ケルベロス』の人が居るとは思わなかったなぁ」


「結構気付かれないもんだよ? 普通に学生していれば誰も私が組織の人間だなんて思わないしね♪ まぁ、天士は入学早々騒ぎ起こしてバレてたけどねぇ~」

 鴨梨の言葉に答えながらも空河へチクリと刺さる言葉を投げる。


「あれは俺のせいじゃねぇーよ。姉さんと副会長に嵌められたんだ」


「まぁ、それでも安易に能力使った天使ちゃんの負けでしょぉ?」


「お前、副会長が本気で俺に能力使って来たんだぞ? あの人の能力知ってるだろ? 眼を見ただけでさようならなんてエゲつない能力」


「ハハッ、確かに蟋蟀こおろぎさんの能力は半端無いよな」

 膝を叩きながら笑う五十嵐。


「あの人今確か………『千手せんじゅ』に居る筈よ?」


「『千手』? まさかのボランティア団体ですか。完璧な殺傷能力アリアリの能力なのに」


「まぁ、あの人らしいだろうさ」


「いやぁ~やっぱりこの学校は楽しいね! 結構な実力者揃ってるから日々勉強になるよぉ♪」


「まぁ、サボってばっかりの奴も居るけどな!!」


 さて、今更だが何故この5人がお菓子囲みながら談笑しているのかと言うと、本当は他のメンツも呼ぶ筈ではあった。

 だが、陣内、越智、草島は早々に授業をエスケープ。

 明堂と大熊田は各々教室で交流を深めている。


 星野宮と木須は『生徒会』の仕事。

 四季波もその手伝いで駆り出された。


 まぁ、月柏も仕事の筈なのだがその仕事をエスケープ。

 五十嵐は四季波に戦力外通知を出され此所に居る。


 鴨梨は面白そうだからと空河と麒麟音が屋上から戻ってくるまで教室で待っていて、そこで合流し今に至る。


 そんなこんなでこの5人に麒麟音の紹介を兼ねた昼食。まぁ、お菓子だが。

 話している内容は兎も角、ちゃんとした青い春だ。


「でもさぁ、良く理事長や荻河原さんは天士達のRANKを一気に上げたね。周りからの反発は無かったの?」

 麒麟音の尤もな質問。


「知らない。反発あったらこうも簡単に俺等のRANK上がらないだろ? 実際俺調査受け手ないし」


「あぁ、黙らしたみたいよ? 「時期に解る」とか言って。まぁ、大多数の教師は納得してないし、生徒達もかなり怪訝にしていたわよ? 多分、その少数の生徒は行動に出るでしょうね。RANKⅣは『決闘』を許されてるし」


「『決闘』って」


「マジだぞ? 現に俺も月柏も入学して直ぐにRANKⅣになった奴等は皆上級生に挑まれている。まぁ、此所に居るって事は勝ったと言う事だけどな」

 五十嵐がその時の事を思い出しながら頷く月柏の言葉を肯定する。


 『決闘』とはその名の通りの事だ。

 RANKⅣにはそれ以上のRANKが無く、目指すモノが無い。その為、RANKⅣ内で互いに切磋琢磨を目的としたのが『決闘』。

 ルールは簡単。「殺さず」・「公平」それだけ。

 『決闘』に負けたからどうとかはない。元々は負けて自分の限界を知る事が目的でもある。その為負けた者にペナルティなどはない。のだけれど、


「最近は『決闘』に負けたらRANK落ちなんて風に言われてるわ。それじゃぁ、『決闘』の本当の意味が薄れるのだけれど、誰が言い出したか………」


「確か………あれ? 左右先生じゃなかった?」

 麒麟音が尋ねる。


「「………………そうだった」」

 五十嵐と月柏の声が重なる。


「姉さんは凄まじいな」


「まぁ、だから無闇に『決闘』を飲んじゃダメよ? これは互いの了承があって成り立つから」

 空河を見ながら言う月柏。


「んあぁ? 俺がそんな面倒なもんやる訳ないだろ?」


「………天士、最近私にもタメ口になってないか?」


「んあぁ? …………………………まぁ、良いだろう?」


「良いのか?」


「良いんじゃね? どうせタメ口混じりの敬語だったんだし」


「まぁ、私もどっちでも良いけど」


 まぁ、それは単に作者が―――ゴホンッ!………何でもありませんよ?


「兎に角、『決闘』はダメよ? 負ける事は無いでしょうけど、無意味に注目されるのは嫌でしょ?」

 月柏が空河の顔を指さしながら言う。


「解ってる。そんなに俺は馬鹿じゃないし、俺等の中にもそう簡単に『決闘』を受ける奴も居ないだろうしな」


「そうだね。まぁ、あの馬鹿も流石に―――」


「テメェーをぶっ殺す!! いや、殺しちゃダメだから半殺しだッッッ!!!!」

 外から、馬鹿の声が響いた。


 それを聞いた馬鹿を知らない麒麟音を除く4人が固まった。


「「「「………………………………………………」」」」


「今の声って誰? でも、あの感じだと『決闘』かな?」

 窓の外を見ながら首を傾げる麒麟音。


「嘘だろ。余りにも………嘘だろ?」

 余りにもタイミングが良く、いや、空河達に取っては悪いのだが、まぁ、ナイスタイミングで聞こえた叫び声。空河の顔は引き攣っている。


 無論、その叫び声を聞き慣れている4人は頭にその人物を浮かべる。

 大口を開き、馬鹿笑いしている草島………………間違えた、馬鹿。


「あの馬鹿はどうして自分から面倒事に飛び込むんだ?」

 五十嵐は呆れながら尋ねる。


「その問いは、きっと神でも答えられないわよ?」

 月柏が立ち上がり、窓の前に立つ。

「此所から校庭は良く見えるし、まぁ一応見ておこうじゃない」


「あの人も天士の友達? ユニークだねぇ♪」

 月柏の横に立ち、窓から乗りだしながら外を見る麒麟音。


「まぁ、ユニークと言うか馬鹿野郎ユニークと言うか………んぉ!?」

 苦笑しながら振り返る鴨梨の目に、止まる。


「ん? どうした元? ……………のわっ!?」

 鴨梨が硬直しているのに気付き、近づき鴨梨が見ている所を見る五十嵐。同様に硬直。


「「み、見えそう」」

 2人の声は重なった。


 現在、2人の目線の先には麒麟音。

 麒麟音は今窓から乗り出している。

 麒麟音は今少し短めのスカートを履いている。

 麒麟音の身長は差程高くない。


 その為、乗り出している事によってお尻を突き出し、スカートがかなり際どい感じになっている。

 麒麟音が爪先立ちしたり、跳びはねる度にスカートがひらり、ひらりと揺れる。


 それを見ながら、

「「も、もう少し」」

 思春期男子は興奮していた。


 その様子を見ながら、空河はお菓子を頬張る。

「……………………こんな話をしよう」


「えっ? ごめん天使ちゃん。今それどころじゃないだん」


「そうだ。今目の前に男の全てが詰まった物が」

 五十嵐、鴨梨は見えそうで見えないスカートの中を覗くのに必死だ。


 それでも、空河は続ける。

「『隻眼の番犬』のある任務の時、俺と紗々、それにρローと確かχカイとだったと思う。何を思ったかρが紗々のスカートを捲ったんだ。その瞬間、ρは両足、両腕を粉々にされて肋を何本か折られていたな」


 それを聞いて、五十嵐と鴨梨が硬直する。


「それで終われば良いのだが、今でも顔を合わせる度に紗々はρを半殺しにする勢いで蹴り飛ばしている。その時のρの言葉が「死ぬ! 死ぬ!! それに何故に急所ばかり!?」だ」


「「えっ? ………その急所って男に付いていて女に付いてないモノ?」」

 見事に2人の声は重なる。


「あぁ。それ以外に無いだろ? ρは使えるかどうか夜の街に繰り出し、涙を流しながら帰って来た。その時からアイツは女性恐怖症になったんだっけな」


「「…………さぁ~て! あの馬鹿の『決闘』を見ないとな!!」」

 2人仲良く立ち上がり、麒麟音から少し離れた場所から外を見る。


「今思い出しても、ρ………可哀想だったな」

 空河は若干内股になりながら苦笑した。






「て、話していたけど本当?」

 小言で尋ねる月柏。


 鴨梨と五十嵐は声を抑えていたが、空河は普通に話していた為聞こえていた。


「ん? まぁ、事実だね。もし2人が見てたら、潰してたわ………」

 若干笑顔が黒い麒麟音。


「そこまでやるのね」


「え? 鈴葉はやらないの? 好きでもない奴に下着見られたらやっぱり潰すじゃん。普通」

 何が普通か解らないが、女の子が「潰す」言ったらダメだろ?


「いや、潰しはしないわよ? まぁ、切るけどね」


「まぁ、そっちの方が簡単ですよね♪」

 何が簡単?てか切るって?


 因みに、2人の声は普通の音量になっていた為、男3人には見事に聞こえていた。


 そして、五十嵐、鴨梨は内股になり、

『『…………切るって?』』


 同じ事を思っていた。


 そして、今後スカートを覗いたり捲ったりしたら「潰される」か「切られる」ので今後しないと心に誓ったのであった。


















暫くはこんな薄い内容の話が続きます。

ちょくちょく血生臭い話入れるかもしれませんが。


次は馬鹿が馬鹿な事をします。

あの馬鹿は書いていて楽しいので。


それでは、それでは…………。

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