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One-eyed  作者: 龍門 
次へのプロローグ =Long prologue to the following=
34/60

リアリティー・ニア・ナイトメアー

今回はサブタイをカタカナに!!


絶対途中で挫折する。それだけは解る!!


………今回はまぁ、差ほど動きません。

まぁ、何人か登場。

今回は新章プロローグ。





 RANK上げでの騒動から1週間後。

 『ボードゲーム研究会』と『噂部』の五十嵐、四季波の謹慎解除。

 空河、星野宮の治療終了。


 色々とありました。

 様々な事がありました。

 あぁ~そらぁ大変でした。

 「えっ? 嘘でしょ!?」的に大変でした。


 因みに、左右の処罰は執行中。


 そんなこんなで登校中。


「あぁ、面倒臭い。別に謹慎ずっとでも良かった………」

 明らかに表情が連休明けで怠ついている。


「………お前は知らないかもしれないけどな………俺等原稿用紙100枚と言う訳解らない反省文を書かないといけなかったんだよッッ!!!!」

 半泣きで叫ぶ草島。………いや、間違えた草島バカ


「マジでかぁ………」


「おいおい!! 何だそのリアクションの低さ!!! 俺等の………俺の苦労を!!!」

 足にしがみつき叫ぶ馬鹿。………いや、阿呆。………馬鹿阿呆野郎アブノーマル・ジーニアスは叫ぶ。


 端から見れば気持ちが悪い。

 男が男、いや男が男女問わずにしがみつくのは気色が悪い。


 空河は怠そうな表情を一層に怠くし、更に苛つきと殺意を上乗せ。

「触るな。殺すぞ………あっ、間違えた。圧殺するぞ? あっ、これも違う。………テメェの臓物全部アスファルトに撒き散らして、それを見ながら鼻で笑うぞ? でも、それだと掃除が面倒だな。あぁ、気にするな。お前を殺して俺が罪に問われる事はない。何故なら俺が様々な人脈を使いお前と言う存在を抹消するから。髪も皮膚も垢も全てを残さず抹消していやる。遺伝子レベルで抹消していやる」


「どれも殺すよね!? てか、抹消しちゃうの!? 止めてよ! まだ生きていたいよ!!」

 もう半泣きレベルではなくマジである。


「……………………………………………………………………」


「えっ? 何で沈黙?」


「いや、俺はもう存分に話した。だからもう話さない」

 空河は欠伸をしながら足にしがみつく馬鹿を振り払う。


「ちょっ、何処まで自己中心的なの!? 俺のお前に傷つけられた心のアフターケアは!? 癒しは何処!?」

 鳶座りをしながら涙を流す気持ち悪さに拍車が掛かる馬鹿。


 その様子を蔑む様な目で睨みながら、

「それは女の子がやるから良いんだよ」

 彼らしくもない発言。


「えっ? 好きなの? この座り方?」

 思わず尋ねる馬鹿。


「…………………………………………………………………死ね」

 それだけ言って歩き出す。


 だが、今の馬鹿には「死ね」と言われた事よりも空河が鳶座りにキュンとくるのが解った事に嬉々していた。

「そうかぁ~そうなんだぁなぁ~………まぁ、うん。鳶座りは可愛らしいもんな!!」

 凄まじくウザい。

 空河の周りをクルクル回りながらニヤニヤしている。


 もう罵声を浴びせてもコイツには快楽に変換されるのでは?

 とか思っている空河。只今馬鹿が真の変態にランクアップした瞬間だ。次は真から神になるのだろう。

 など、意味の解らない事を考えながら第一校舎の目の前に着いた。


 すると、第一校舎の前には大量の人・人・人。

「あぁ、RANK上げの結果出たみたいだな。張り出されてるんだろうさ」

 馬鹿がその場でジャンプしながら張り出されている結果を見ようとしている。


 だが、RANKⅠからⅢの生徒が勢揃いだ。

 人の壁である。

 人の壁からは喜びは落胆の声が聞こえる。


 RANKが上がるか下がるか、現状維持か。

 だが、RANK上げでRANKが上がる事は差程ない。現状維持が主だ。

 RANK上げなんて名前だが、それはこの学校に皆が共通して自身の力をアピール出来る行事が無いからだ。

 闘技大会などもあるのだが、これは『攻撃系能力アタック・アビリティ』の生徒が主で、『感覚系能力センス・アビリティ』などでは差程結果が出せない。


 その為、共通しているこの調査がRANK上げと呼ばれている。


「ダメだ。全然見えないなぁ……………退けろ!!!」

 馬鹿は冗談半分で人の壁に向かって叫んだ。


 すると、


ザザッ!!!―――――。


「へ?」

「んあぁ?」


 馬鹿は勿論、空河も眉を細めた。

 この馬鹿に一言で人の壁に道を造り出す事は不可能だ。

 だが今目の前に道が出来た。


 空河は道が出来た事にも勿論驚いているが、耳に届く生徒達の話し声の方が気になった。


「何でアイツが?」

「『五人衆』で、しかもサボり魔だぜ?」

「有り得ない」


 などなど。

 何となく空河は嫌な予感がした。


 このヒソヒソと聞こえる声もそうだが、道の先、つまりは張り出された掲示板の前で立っている鴨梨、陣内、越智、大熊田、明堂のお馴染みメンバー。このメンバーがRANKなど気にもしない筈なのに張り出されている結果を凝視している。

 この何故か自分もああ・・なりそうで生唾を呑んだ。


「あれ? 皆居るじゃん! おぉ~い!!」

 お気楽大馬鹿野郎が腕をブンブン振りながら駆けて近づいていく。


「何してんのぉ結果なんて凝視してさぁ別に何も………………………为何?」

 結果を見て、何故か中国語で「何故?」と言う馬鹿。

 そしてそのままフリーズ。


 何となく、何となくだが、空河は今もの凄くこの学校を辞めたい気持ちで一杯だった。

 すると、鴨梨が呟く。

「嵌められた………何が去年と同じだ」


 陣内が呟く。

「嘘でしょ? ………嘘よね?」


 越智が呟く。

「きっと夢オチだ」


 大熊田が呟く。

「………まぁ………何となくこう………なると」


 明堂が呟く。

「同じクラスですか? 皆さんと?」


 その呟きを聞きながら、空河は張り出されている結果を見る。

 そこには、


『大熊田吉・越智宗次・鴨梨元・草島光輝・陣内雪袖・空河天士・タルト=クルデーロ・ハリス=Kキルトルナ=マーフ・明堂亞美・夜百合夜暦やゆりやれきこの10名が今回の調査でランクⅣ相当の実力があると判断』


「……………………は?」

 空河は凝視、仰視? 兎に角現実逃避をしようとした。


「いやいや、夢だ。きっと夢だ。有り得ない。だって俺調査受けてねぇもん」

 空河は調査前に左右に拉致られて色々と面倒に巻き込まれていたのだ。

 他の皆は解るが、自分は何故?


 すると、至るどころに設置されたスピーカーから声が流れる。天下の生徒会会長様の声だ。

『あぁ………テステス………えぇ、結果を見終わったら速やかに自身の教室に向かいなさい。因みに、RANKⅣと判断された生徒は速やかに第二校舎まで来なさい。これはお知らせではありません。命令です。以上』


 何とも言えない放送。

 だが、『ボードゲーム研究会』の大熊田と明堂を抜く5人は放心状態だった。

 大熊田と明堂はRANKⅣに行けるだろうとは思われていた。


 だが、他の5人は明らかなイレギュラーだった。


「あっ、あのぉ皆さん? 行かなくて大丈夫なんですか?」

 明堂がオロオロしながら尋ねる。


「…………荻河原さんと理事長が………多分姉さん………も」

 冷静に今回のこれの犯人を推理する大熊田。


 だが、5人にその声は届いていない。

「「「「「有り得ない」」」」」


 今現在、この瞬間、新たにRANKⅣに10人の生徒が加わった。






















 某日某所。


 綺麗なコスモスが咲き誇る綺麗な庭園。

 そのコスモス畑の真ん中で、1人の女の子が微笑みながらコスモスを見つめていた。


 女の子は白い髪を腰まで伸ばしている。そして白い、白いドレスの様な服を着ている。

 今から直ぐにでも何処かのパーティーに出られる服装だ。


「ふふ………綺麗」

 女の子はコスモスに触れながら呟く。

 一見すれば普通の花が大好きな少女なのだが、それをそう思わせない要因があった。


 それは、少女の少し離れた所で白い椅子に座りながら、酒を煽る男。

 赤い髪。男は眉の上に赤いピアスを付け、そして首回りに赤い刺青を入れている。

 赤い赤いオーバーオールを着ている赤塗れの男。


 その横で同じく白い椅子に座りながら本を逆さに読む男。

 黒髪の男は黒い黒い着物を着ている。


 その男2人が異常さを醸し出している。


 その最大の要因は会話だ。


「敵か否かなんてよ。殺してから決めれば良い事よ。それが殺す前にうだうだとよ。それだと結局殺さないって選択肢が生まれる訳よ」

 赤い男が安物の発泡酒を煽りながら笑みを浮かべる。


「敵か否か? 我々に敵ではない存在が存在するのか? 他は敵であり、敵は他だ」

 黒い男が逆さの本を読みながら鼻で笑う。


「カッカッカ! そりゃぁ、そうだよ! お前の言っている事は至極正しいよ! 俺等以外は全部敵で解決する事よ!!」

 赤い男は愉快そうに大声で叫び笑う。


「2人とも、煩い。私の花を愛でる時間を不愉快な声で邪魔しないで」

 白い少女が背中を向けたまま言葉を発する。


「んあぁ? おぉ、そうかそうかよ。悪かったよ」

 赤い男は意外にもすんなりと謝った。


 だが、

「愛でるモノがあるから俺等の声が邪魔なんだろうよ? だったら、消し去れば良い事よ」

 そう赤い男が言った瞬間、


ブゥオォォォォオオオオオオオオオォォォォォォオオオォォォォォォォッッッッ!!!!


「!?」


 一瞬でコスモスが炎に飲まれた。


「カッカッカッ!! 人を愛でられないからって花に縋るんじゃねぇーよ!! 可笑しくって…………全部燃やしちゃっただろうよ?」

 男は残酷な笑みを浮かべ、発泡酒を飲もうとした瞬間、


ブシュゥゥゥウウウゥゥゥゥゥウウウウウウゥゥゥゥゥッッッ!!!!!!!!


 缶が破裂する。

 発泡酒を見事に浴びた赤い男は眉を細めた。

「………燕。テメェ、何しやがるよ?」

 赤い男は横に座る燕と言う名の黒い男を睨む。


「簡単だ。我が缶を破裂させたいと思っただけの話」

 燕なる者は淡々と、理由にならない理由を口にする。


「殺すよ? 燕よ?」

 赤い男は静かに立ち上がる。


「ほほぉう。我と死合でもするか?」

 燕なる者も頬を吊り上げながら立ち上がる。


「………………私を忘れるな」

 白い少女が睨みながら立ち上がる。


 これが先程まで「我々以外は敵」と言っていた奴等か?

 今にも殺し合いそうな険相で互いを睨み付ける。


 そんな中何処からともなく、そして誰にも気付かれずに声が響く。

「喧嘩は御法度だよ? そう俺、または僕、または私が決めたから」

 燃えるコスモス畑から、目が隠れる程長い前髪。そして青い、青いスーツを着た人が現れる。

 何故「人」と、言う曖昧な表現をするかと言うと、その人の性別が見ただけでは解らないからだ。

 声は男。だが、体つきは女。だが、見える顔は一見すれば男にも女にも見える。

 そんな青い人は3人を見ながら微笑んだ。


「喧嘩は此所までだよ。仕事であり、私事でもある用事が出来た。俺、または僕、または私達である人物と接触しなければならない」

 青い人はそう言いながら3人の名を呼んだ。


桔梗姫響ききょうききょう檜枝岐和ひのえまたやわら燕九九羽つばめくくば。直ちに『宝殿ほうでん高校』に在学している『永遠の未完ネバー・インパーフェクト』を拝みに行こうではないか」


 この青い人が現れた事により、3人の熱は一瞬で冷める。

「俺は『天才ジーニアス』が見たいよ」

 赤い男、檜枝岐和が頭を掻く。


「我は『完璧パーフェクト』が見たい」

 黒い男、燕九九羽は本を閉じる。


「私は、お父様以外の『亡霊ゴースト』を見てみたい」

 白い少女、桔梗姫響が炎から逃れたコスモスを摘む。


「皆それぞれ目的が出来たみたいだし、それでは行こうか。父………狂獄道の為に。俺、または僕、または私達、『殺人集団ファミリー』であり家族ファミリーでもある。我々の仕事スキンシップを果たしに」


 青い人は歩き出す。それに続き3人も歩き出す。

 背後に見える屍に目もくれず………。













えぇ~一気に登場人物増えました。

桔梗に檜枝岐に燕。そして青い人。

少し面倒なキャラになってしまった………少しキャラを付けすぎたか?

まぁ、頑張れ俺!!


コイツ等が最後に言った天才とか完璧とか亡霊とか『永遠の未完』と言うのはこの物語の中では重要なワードです。


天才は結構な頻度で登場しますよね。

完璧もある人物の二つ名的な。

ただ、亡霊と『永遠の未完』はお初ですね。


まぁ、時期に謎は解ける筈!!


次回からは少し日常を書きます。

ランクⅣになった面々の話とか、色々と。やっと話が進みそうだ。


それでは、それでは………。

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