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One-eyed  作者: 龍門 
ランク上げ編 =Envy and deliberation=
27/60

百発百中~新たなキャラ。面倒臭い感じの~

今回新たなキャラが登場します。

好きなキャラです。









「ヒヤッホォ~ッ!!!!!」

 奇声を高らかにあげながら両足が雷の様に光り轟く草島バカが木を飛び越え、校舎を飛び越え、もの凄い速さで地面を駆けていた。


 草島の能力『雷化イカズチカ』は体を雷に変える事で雷を使用する事が出来る。

 だが、生身の人間が雷に耐えられる訳はなく、草島の雷は普通の雷よりも弱い。


 それでも体がその弱くなった雷にも耐えられる訳でもない。

 持続使用時間は約10分。

 これでも十分凄いが、それは体の方が能力発現により耐性が出来ているからだ。


 その為、急激な速さにも体は耐えられる。

 それでも長時間の使用は危険な為、草島は全身を雷に変えるのではなく部分だけ雷に変え体への負担を軽減させている。


「俺の速さはレボリューションッ!!!」

 訳の分からない事を叫びながら駆けるバカ。


 鴨梨は能力を使った草島は少し格好良くなる。と、言ってはいるが所詮はバカだ。


「俺は雷になるぜぇ!!!」

 …………何故、このバカが奇声を発して駆けているかと言うと、自分達を襲ってきた生徒の親玉を捜しているのだ。


 だが、このバカに人を捜すスキルがあるとも思えない。


「俺は神になるぜぇ!!!!」


 ………矢張り草島と書いてバカだ。















 第一校舎屋上。

 携帯片手に鴨梨は辺りを見渡していた。


「………肉眼で確認は無理だな」

 苦笑しながら携帯を耳に当てる。


「………あっ、スナイパーさん? ちょっとお願いがあるんですけど? ………えっ? いや、ガリ○リ君1年分はちょっと………じゃぁ、請求は天使ちゃんに。………まぁ、ちょっと来て下さい。はい。………第一校舎屋上です。………はい。それじゃ」

 携帯を閉じ、手に持つ缶コーヒーを啜る。


「何分くらいで来るかな?」

 腕時計に視線を落とす。


「到着」


「早ッ!!」

 鴨梨は勢い良く振り返る。


 後ろには赤髪に羽根の髪留めを付けた女性が立っていた。

 日本人ではなく、外人だ。

 この学園は世界から様々な能力者が集まっている為多国籍なのだ。


「………相変わらず早いですね。電話してまだ1分経ってないですよ?」

 腕時計を見ながら驚く鴨梨。


 赤毛の女生徒は鼻で笑いながら答える。

「フッ………早業」

 そう言う彼女は肩に何かを掛けていた。それは細長い鞄だ。


「まぁ、良いですけど。まぁ、呼んだのはお願いがありましてね」


「約束」

 肩に下げる鞄を下ろしながら鴨梨に言う。


「まぁ、解ってますけど。相変わらずアイスと言うかガリガ○君好きですね」


「最高」

 などと言いながら赤毛の女生徒が鞄から取り出したのは、狙撃銃。


「相変わらず物騒ですよね。まぁ、能力が能力ですからしょうがないですが」


 赤毛の女生徒は狙撃銃を構えながら笑う。

「H&K PSG-1……独H&K社の対テロ特殊部隊向けに開発されたセミオートマチック………独は良い仕事をする」

 銃を持った瞬間饒舌になる赤毛の女生徒。


「………相変わらずですね。スナイパーさん」

 鴨梨は苦笑したまんまだ。


「ん? 鴨梨元。私の名前はクレファー=Nネルテミト=レルディアだ。親しみを込めてクレファーたんとでも呼んでくれ」


「いやいや、「たん」は可笑しいですよ」

 素早くツッコム鴨梨。


「何? 呼べないと言うのか? ………そうか。実に悲しい。私は実に悲しいぞ!!!」

 涙を流しながら叫ぶクレファー。


「いや、別に呼べない訳では………でもたんは違うと思いますよ?」


「…………ならスナイパーたんで良いだろう」


「いえ、だから「たん」が可笑しいのでして、別に名前だろうがあだ名だろうがどうでも良いんですよ」

 冷製にツッコム。


「ならどうしろと言うのだぁァァァァァァ!!!!!」

 崩れ落ちるクレファー。実に癖のあるキャラが出てきた。


「………じゃぁ、スナイパーたん。で、良いですか?」

 仕方無くたん付けで呼ぶ鴨梨。


「うむッ! それで良かろう!!!!」

 カバッ!と、立ち上がり笑みを浮かべるクレファー。

「で、今回私は何をすれば良いのだ? 撃つのか? 捜すのか?」


「その両方ですよ。捜して撃って欲しいんです」

 鴨梨が辺りを見渡しながら言う。


「うむ。了解だ。鴨梨元達と一緒に居ると能力の使用が出来て実に良い! オマケにガリガ○君も手に入る! 一石二鳥だ!!」

 高らかに叫び、高らかに笑うクレファー。


「………まぁ、何も言いませんけどね」

 若干疲れ気味の鴨梨は溜息を吐く。


「で、誰を捜し狙い撃つのだ?」


「えぇ~と………コイツですかね」

 携帯を開き、四季波から送られた画像を見せる。

 クレファーはその画像を見ながら顎に手を当てる。

「ん? この男は………同じ教室に居た様な気がするな。確か名前は……誰だったか?」


「まぁ、今回の騒動のど真ん中に立っている阿呆ですよ。んで、まぁコイツを捜して狙って撃ってくれれば良いです」

 携帯をしまいながら言う。


「了解だ! 私にかかれば何処に隠れようとも一瞬で捜し、私にかかれば何処に居ようとも狙い、私にかかれば何処に逃げようとも仕留められる!!」

 狙撃銃を高らかに掲げながら叫ぶ。


「……さいですか」

 もう本当に疲れている鴨梨。


 クレファーはニコニコ笑いながらスコープを覗く。

「………なぁ、鴨梨元。賭けをしないか?」

 スコープを覗きながら突然そう切り出す。


「賭け? 何をですか?」


「いやぁね。今阿呆ではなく馬鹿を見つけのだが、あの馬鹿を見ていると無性に苛つくのだよ。で、あの馬鹿を一発で気絶させられたらガリガ○君1年分追加だ」

 小さく舌打ちするクレファー。


 馬鹿と言う単語で眉間に皺を寄せる鴨梨。

「………その馬鹿は光ってますか?」


「あぁ。ピッカピカだ。………脚が」


 ………草島だろう。

「まぁ、グラスの馬鹿な行動は嫌いではないんですけど、さっき話したくも無い奴と話したので苛々してるんですよ。ですから、撃ち抜いて下さい」


「フフッ………もう1年分頂だ」

 そう言い、引き金に人差し指が掛かる。


 そして、ゆっくりと引く。


パンッ―――…………………。


「……チッ! 避けられた」

 クレファーはもの凄く悔しそうに呟く。


「雷を撃つのは矢張り一発では無理ですか」

 何故か鴨梨も悔しそうだ。


 クレファーは悔しそうに顔を歪めながらもスコープを覗き目的の人物を捜している。

「………見つけた。特別校舎の屋上だ」


「1人ですか?」


「いや、3………5………7人だな」

 クレファーは嬉しそうに唇を舐める。人数が多ければ沢山撃てるからだろう。


「………まず、周りに居る奴等から撃って下さい。ですが、一気に撃たず四方からゆっくりと1人ずつです」

 携帯を取り出し、何処かに電話をかけながら言う。


「フフ、恐怖を煽るか。実に悪魔だな。だが、嫌いではないぞ? 鴨梨元。それでこそ………だ」

 ニヤリと笑い、引き金に指をかけ引く。


パンッ―――………、


「1人」


 少し間を開け、再度引く。


パンッ―――………、


「2人」


パンッ―――………、


「3人」


 クレファーはゆっくりと1人ずつ仕留めていく。

 だが、普通に考えれば狙撃銃で一気に複数を仕留める事はしない。


 だが、クレファーはそれが出来る。

 それは彼女の能力がそう言う物だからだ。


 彼女の能力は『見つける眼ディスカバリー・アイ』。

 自身が狙うモノは何処に隠れようとも見つけられる能力。


 そして、彼女にはまだ能力がある。

 つまりは多重能力者。

 しかも3つの能力を持っている。


 1つが『見つける眼』。


 もう1つが『動く弾丸ムーブ・ブレッド』。

 名の通り弾丸を動かせる能力。

 その為、障害物が何処に在ろうとも何処に隠れようとも撃ち抜く事が出来る。


 そしてもう1つが『増える弾丸インクリース・ブレッド』。

 これも名前通り弾丸が増える能力。

 撃ち出された弾丸を増やせると言った能力だ。

 その為、一発で複数の人間を撃ち抜ける。


 だが、名前通り弾丸オンリーだ。

 全てが銃関係の能力。


 その為、多重能力だろうとも使い勝手が悪い。

 因みに、クレファーは何度も左右に狙われた経験がある。


 多重能力者はかなり珍しく、しかも3つも能力を持っていると色々な研究者に声をかけられる。

 その為、彼女は銃を持っていない時は大変口数が少なく人と接しない。

 銃を持っている時は、気が大きくなるだけだ。


 まぁ、面倒臭いキャラなのだ。


「………ん? 鴨梨元。乱入者だ」

 引き金を引こうとした瞬間、誰かが現れたらしい。


「乱入者? グラスですか?」


「………いや、月柏鈴葉だ。私のターゲットを黒こげにしたり、窒息し寸前までに追い込んでいる」

 スコープを覗くのを止め、息を吐く。

「これでは私の仕事は終わりだな」


「会長さんが乱入って事は……姉さんが言ったのか?」

 鴨梨は腕を組み首を傾げる。


「!? ………姉さんとはあの左右詩祁芽の事か?」

 クレファーは固まり、尋ねる。


「えっ!? ……あぁ……はい」

 鴨梨は「しまった!」と、言う表情で頷く。


 先程も言ったが、クレファーは多重能力者と言う事で左右に狙われていた。

 まぁ、それは2年も前の事で左右自身も空河の事もあり既に多重能力者にそれ程の執着はないのだが、それでも十分なトラウマと言う恐怖を植え付けられている。


 それは簡単に忘れる事は不可能だ。


 クレファーは静かに立ち上がり、銃を細長い鞄にしまう。

「………退散」

 銃を持たない彼女は口数がって言うよりまぁ、性格が変わるのだ。


「えっ? ……はい。まぁ、はい。明日にでもガリガ○君運びます」

 呼び止めたら発狂する程の表情のクレファー。

 鴨梨は呼び止める事が出来ない。してしまうと面倒な事になるから。


「………」

 最後は何も言わずに帰るクレファー。


「………ホント、面倒臭くて可哀想な人だ」

 そう呟き、特別校舎の方を見た。


「……凄まじい火力だな」

 屋上から上がる炎に驚嘆しながら。


~~~~~♪ ~~~~~~♪♪


 某霊界探偵のアニメ主題歌が流れる。

「電話? ………姉さん? ………はい。…………は?」





















 特別校舎屋上。


 数人の男子生徒は慌てていた。


 倒れる数人の生徒。

 何処からかの攻撃。


 自分達が狙われているとは思わず、予想外の攻撃に狼狽えていた。


「何処からだ!?」

 1人の男子生徒が叫ぶ。


 が、誰も答えない。いや、答えられない。


 彼等は気付いていなければならなかったのだ。

 自分達が手を出した相手。その相手の周りに居る者達を。


 大して練られてもいない作戦で、どうにか出来ると思ったのが間違いなのだ。


 始まりはほんの小さな嫉妬。

 そしてRANKⅣだと言う自分達の力への慢心。


 この者達は知らない。

 小国章吾が、相手を揺さぶれる情報を持ってしても嵌める事が出来なかった事を。

 小国のミスも在ったがそれだけでは不可能。


 自分達が敵と想定する者の大きさを測り損ねた時点で敗北は見えている。

 そして、それだけではない。

 彼等は彼女が動く前に全てを終わらせなければならなかったのだ。


 天下の生徒会会長様。


 この時点で火力でも戦力でも人望でも全てに措いて負けだ。


 既に越智、陣内、大熊田、草島が相手を潰しているのだ。

 この時点で、空河へ届く筈だった刃先はへし折られた。

 それだけなら体勢を整える事は出来たかもしれない。

 けれど現在この騒動の中心、心臓となる男がその鼓動を止めようとしていた。


「がっ―――く、苦し―――いぃ………」

 男子生徒が首を押さえながらもがく。


「な、何で鈴葉様がッ!!??」


「し、知らねぇーよ!! 3人も撃たれたし……一体どうなってぐがぁぁぁぁぁぁッッ!!!」


 現在屋上では生徒会長様による無双が行われていた。

「お前等にファーストネームを呼ばれたくないわッッ!!!」

 キャラを壊し叫ぶ月柏。叫びながらも炎を出し続けている。


「な、お、俺等は何もしてませんよッッ!?」

 1人の男子生徒が叫ぶ。


「何もしていない?」

 月柏が動きを止める。

「………それは私に言っているのか? この私に?」

 笑みだ。だが、明らかにキレている。


「え、い、いやッ……」

 此所で突き通せない男。


「……此所で死ね」

 そう吐き捨て、指を鳴らす。


 その瞬間、まだ意識のある男子生徒2人の生徒がいきなり慌て始める。


「なっ!? ……何処だ? おい! どうなってんだよォォォォオ!!!!!」

 男子生徒が叫ぶ。


 月柏が使った能力は同じ『生徒会』のメンバーである佐々梅国さざうめくにの能力である『消える道標バニッシュ・ガイドポスト』だ。


 この能力は対象の方向感覚を消し去る能力。

 目の前に居る人物の元に辿り着く事すらも出来ないと言う代物だ。


 これを使われたら大抵の人間は身動きを取れなくなる。


「………避ける事も出来ない。逃げる事も出来ない。歯向かうことも出来ない。終わりだ」

 そう言いながら、空を仰ぐ。


「………この能力は使用している間その場を動く事が出来ない。だがから、トドメは譲ってあげるわ」

 口調が戻る。


 すると、

「ハハッ! 有り難い!!!!!」

 何処からか声が響く。


 そして、

「―――痺れ爆ぜろ」


ジジジジッ!!!ゴロォウゥウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッ!!!!!!


「「!!?」」

 2人の男子生徒は音に驚く。

 そして、


 空から稲妻落ちてくる。


「「ぐがぁぁあああぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」」


 直撃し、痺れ叫ぶ。


プシュゥゥゥウウウゥゥゥウと、言う男が聞こえてくる程の煙を体から出しながら倒れる男子生徒2人。


「………流石ね」


「会長さんに褒められると色々と嬉しいね!!」

 上から草島バカが降りてきた。


 月柏は草島を見て微笑んでから、倒れる男子生徒共を見る。

「………呆気ない。これだけの実力で良く彼を倒そうと思ったわね」


「あぁ、本当だな。実に……うん」

 草島は腕を組みながら頷いている。


「さて、学に電話して回収しようかしら」

 そう言い携帯を取り出す。


「そうっすね。…………?」

 草島がいきなり辺りを見渡し始める。


「………あっ、学? ちょっとお願いが………は?」

 携帯を耳に当てたまま固まる月柏。


~~~~~~~♪ ~~~~~♪♪


 某軽音部のエンディング曲が流れる。

「ん? 電話?」

 草島が携帯を取り出す。

「はいはぁい。ん? 何だ鴨? …………姉さんが? ………は?」

 耳に携帯を当てたまま固まる草島。


 月柏の表情がどんどん険しくなっていく。それは草島も同じだった。


「どうしてそうなるのよ!?」

「何で天士が!?」


 2人が叫ぶ。

 月柏は唇を噛みながら、

「あの人は………一体何を考えているのよ………」


 草島は拳を強く握りながら、

「今回は身勝手過ぎるぞ………」


 騒動は解決。

 だが、もう1つの方は急展開を迎えていた。








騒動を無理矢理終了させました。

まぁ、ちゃんと後で整理はします。

もう会長が出張って来たら事態は直ぐさま収まりますよ。はい。

次回のミナVS天士が終われば今回の天士達を狙った騒動の纏め的な話を入れます。はい。


それよりも、新たに登場したキャラクレファー。好きなキャラです。

前から銃を使ったキャラを出したかったんですよ。

んで、クレファー登場。しかも多重能力って言うオプション付き。

因みに彼女は脇役で留まりません。

近々多重能力者絡みの話を書くのでその時に沢山登場します。


因みに因みに、クレファーの声のイメージは朴璐美さんです。

なんか男っぽい感じなので。めちゃテンション上げて書きました(笑)


それではそれでは…………。


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