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One-eyed  作者: 龍門 
ランク上げ編 =Envy and deliberation=
19/60

天下無双~コイツ等だったら簡単に世界征服出来るのでは?~

能力が多々出てきますね。

ミナのだけは説明無しです。ぶっちゃけるとイマイチ掴めてないので。


てか、結構適当感が否めない。





 第一校舎校庭。現在『感覚系能力センス・アビリティー』RANKⅠの生徒が検査中。


 RANKⅠは能力発現したばかりの者や、素質がある者が主だ。その為まだ各々自身の能力を確立出来て無い為、こうやって校庭で一気にやってしまう。


「はい。それでは、今からこの50面賽子を振るので、出る目を予知して下さい」

 白衣を着た検査員の様な男が生徒に言う。


「ハ、ハイ!! ………21………」

 生徒は首を傾げながら数字を言う。


 それを聞いた検査員が手に持っていた賽子をテーブルの上に投げる。

「………21ですね。見事です。それでは、もう一度」


 この様な地味な調査が何人も行われている。

 これは予知プレコグニションタイプの能力を持つ生徒の調査だ。


 何分後の事を予知しろ。などと言うのは時間がかかってしまうので、賽子の出る目を予知と言ったモノに小規模化されている。


 それでも何度も出る目を当てれば本物だ。


 そして、その隣では。


「このシャーペンはある人のシャーペンです。誰か解りますか?」

 調査員がシャーペンを生徒に渡す。


「これですか? ………これって木村先生のですか?」

 生徒は尋ねる。


「残念。それは黒沼先生が山田先生に貸し、山田先生が落とし佐藤先生が拾って現在では木村先生が持っています。よって持ち主は黒沼先生です」

 眼鏡を上げながら手に持つ紙に何かを記入する。


「そ、そんなぁ~解る訳ないでしょ」

 生徒はがっくりと肩を落としながら愚痴る。


「RANKⅡでもこれぐらいなら解りますよ」


 これは接触感応サイコメトリータイプだろう。


 まぁ、全て簡易な感じだ。

 この調査で全てが決まる訳でもない。


 今の様に引っかけの様なモノもある。理由は簡単にRANKを上げさせない為だ。

 これだけで決まるなら、今頃RANKⅠなど居ないだろう。


 多少意地悪くとも難しくしなければならないのだ。

 それ程に壁が高いと言う事。


 だが………別にこれ室内で良いのでは?


『ピンポンパンポォ~ン。RANKⅡの『感覚的能力センス・アビリティー』の生徒は第一校舎校庭に集まって下さぁ~い!』


 スピーカーから風桐の声が流れる。


 それを聞いてぞろぞろとRANKⅡの生徒が現れる。

 その中には皆知っている鴨梨も居る。


 彼も『感覚的能力センス・アビリティー』なのだ。

 本人曰く頭脳派らしい。言い方を変えれば運動音痴だ。


 すると、生徒1人ずつに調査員が付く。

 これはRANKⅡからは皆能力に個性を付け始め、その生徒に合った調査内容でないと駄目なのだ。


 鴨梨は自分に付いた調査員に微笑む。

「今年もよろしくね」


「はい。よろしくお願いします」

 調査員は丁寧に頭を下げる。どうやら去年と同じ調査員が付いているらしい。


「んで? 調査は去年と同じ?」

 鴨梨が尋ねる。


「その事なのですが、局長からこの様な手紙を」

 そう言いながら調査員が白衣のポケットから折りたたまれた一枚の紙を取り出し、鴨梨に渡す。


「局長? ………荻河原おぎかわらさん? 何だろうか」

 そう言いながら手紙を受け取り、読んでみる。


『はぁ~い! 元気? 元気なのかい? 元気だろうね!! 今回の調査だけどさ! 君の能力って人の精神ズタズタにする能力じゃない? だからさ、調べたくとも調べられないのよ! 悪い? 悪いかい? 悪いね!! まぁ、どうせ君は態と実力を出さないだろうし、去年と同じってもう調査結果書いちゃった! だから突っ立てて!! 暑い? 暑いかい? 暑いだろうね!!』


 ハイテンションな内容の手紙。

「………まぁ、有り難い事は有り難いけど、何となく苛つくのは何故だと思う?」

 隣に立つ調査員に尋ねる。


「………何か、スイマセン」

 自分の所の局長だから頭を下げる調査員。


 因みに、この調査員達は学園に居る無能力者達だ。

 局長とは無能力者統率局長の事。理事長の次に偉い人。


 無能力者限定で。

 つまりは無能力者オンリーの理事長だ。


 またまた因みに、『ボードゲーム研究会』の面々はお世話になっている。

 能力の定期検査の為だ。それと能力解明の為って事になっているが、実の所局長である荻河原が暇だからと言うのが濃厚。この学校は身勝手な奴が多い。






 場面が変わって第二校舎校庭。


 RANKⅣは基本バラバラにやらず、どんな能力でも一斉に始める。

 数が少ないからだ。


 それに、皆能力を抑えギリギリ合格ラインをキープする為、差ほどスペースも必要としないのだ。

 それと、手の内を晒さないと言うのも1つだが、8月末に行われる競技大会の為でもある。

 能力を使った競技の為、今の内に手の内を考える者もいる。つまりこのRANK上げはその偵察とかも含まれている。

 だが、RANKⅣ相手に偵察は結構難だ。


 高RANK同士と言うモノもあるが、一番の理由は、


「それでは、月柏鈴葉さんお願いします」


「順番は?」

 呼ばれ、前に出ながら尋ねる月柏。


「火・水・瞬間移動・風でお願いします」

 調査員は手に持つ資料を見ながら言う。


「解りました」

 月柏は頷き、手を何も無い校庭に向ける。


 すると、月柏の翳した掌から火が生まれる。その火はモーションもなく月柏の掌から飛ぶ。


ドゴォォォォオオオオオォォォォォォンッッッッッッ!!!!!!!!!!!


 その火が凄まじい速さで校庭を包み、看破入れずに翳した手から水の固まりが生まれる。

 月柏はそれを燃えさかる火へ向けて投げる。


ドバァァァァァアアアアァァァァアアアアアッッッッッ!!!!!!!!!!


 水は火にぶつかり、火を消す。


 その瞬間、月柏は立っていた所から一瞬で消える。

 現れた場所は立っていた所から離れて200メートル。


 そこから腕を上から下へ振ると、腕から鎌鼬の様な風が校庭を吹き抜ける。


 その様子を見ていた調査員が何かを紙に記入している。

「はい。ご苦労様です。流石ですね」


「いえいえ」

 何時の間にか戻って来た月柏は謙遜する様な笑みで微笑む。


 月柏の能力は『完璧吸収』

 本人はスポンジと呼んでいる。


 対象の能力を視て、対象に触れて、対象の能力を理解する事によってその対象の能力を使用出来ると言う卑怯極まりない能力だ。


 それで付いたのが『完璧女王パーフェクト・クイーン』。これはどんな能力でも完璧に使いこなす事からもきているのだ。


 それと、先程の続きだがこの様なチート級の化け物は手の内を晒さない為に能力を抑えるのではなく、唯々本気を出せば校舎を壊してしまうからだ。


 それに、視られても大差困らないと言う余裕の現れでもある。


 すると、月柏から300メートル程離れた所で叫び声が響く。


「何で俺なんだよォォォォォォォォォォォォッッッ!!!??」

 声の主は五十嵐。


 だが、今は五十嵐の番ではない。

 いや、五十嵐の番なのだが久太郎の番ではない。

 四季波の番なのだ。


「逃げるなクソ兄貴がァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

 この叫び声は四季波。


 彼女は叫びながら五十嵐に向けて拳を突きだしている。音速で。

 それを頑張って躱している五十嵐。だが、既に何発か当たったのか顔に痣が出来ている。


「だ・か・ら!! 何で俺なんだよォォォォォォォォォッッッ!!?」

 叫ぶ五十嵐。もう半泣きだ。


 すると、調査員は淡々と答える。

「貴方の能力も同時に調査出来ますから。それと、避けないで下さい。それでは意味がありません」


「んなアホな!! 食らえってかッ!!??」

 叫ぶ五十嵐の頬を拳が掠る。


「………チッ!」


「その舌打ちは何!?」


 因みに、四季波の能力名は『無敵の破壊神インヴィンシブル・シヴァ』物騒な名だ。

 情報を扱う家系には不釣り合いだ。


 能力は身体能力・筋力など人体における全ての数値が跳ね上がると言う能力。

 だから普通だったら出せない音速軽々と超える。………超えてはいけないのかもしないが。


 これは人体の限界に到達出来ると言う能力ではなく、その限界すらも突破してしまう能力である。唯、使いすぎると体がリバウンドを起こす。その為、持続使用出来るのは10分が限界。


 それと、五十嵐の能力名は『不死鳥フェニックス』。読んで字の如く、死なないと言う訳だ。


 まぁ、死なないと言っても心臓刺されたり、頭潰されれば死ぬ。

 だが、心臓を刺されても即死でなければ直ぐに自己再生が出来る。


 つまり五十嵐の能力は自己再生。それも超速。

 だから『不死鳥フェニックス』。


 能力に限界も制限もリバウンドもない便利な能力。

 だが、再生・回復するだけなのでそれ程戦闘向きではない。治せるのは自分だけだから。


 それと、四季波の能力でも自己再生出来るのでは?

 と、思われるかもしれないが流石の人間の限界突破でも失った腕が直ぐさま再生出来る訳がない。


 限界と言ってもリアルを突破出来る訳ではないのだから。

 だが、怪我の治りは早い。


 因みにだが、四季波の機嫌が悪いのは左右が現れた事に関係している。

 いや、関係も何も左右が現れた事が原因だ。


 それに気付かない結構彼って鈍感だよね病の五十嵐は気付かない。


 そんなこんなでリアルファイトを繰り広げる五十嵐兄妹。


 すると、先程まで月柏や五十嵐兄妹で湧いていた生徒達が静まる。皆が皆ある1人の生徒を凝視する。


 視線の先、そこには1人の生徒が目を瞑り深呼吸している。生徒の名は星野宮ミナ。

 『バーディア』からの転入生。『天才ジーニアス』と言われる少女。


 だが、その外見は何処かのお嬢様の様で全然そうは見えない。

 けれども、気付いている者は気付いていた。


 月柏も気付いていたからこそ、彼女を『生徒会』に入れたのだ。


「それでは、調査を始めたいと思いたいのですが、残念ながら此方は星野宮さんの能力を詳しく把握している訳ではありません。なので、自由に能力を使ってみて下さい」

 調査員はそう言いながら少し下がる。


 星野宮は頷き、目を開いた。

 その時、実力を持つ者は気付く。空気が変わった事に。


 星野宮が右腕を上げる。ゆっくりと口を開く。

「『幻想曲ファンタジア』」

「『交響曲シンフォニー』」


 立て続けに言葉を放つ。その瞬間、星野宮を包むように風の流れが変わる。

 だが、皆はそれが何かが解らない。不可視の何かが校庭に流れている。


 チラリと星野宮が月柏に目をやり、それが伝わったのか月柏は先程と同じ様に掌に火を生み出し星野宮に向かってそれを飛ばす。


 すると、


ドゴォォォォオオオオオォォォォォォンッッッッッッ!!!!!!!!!!!


 火は星野宮に当たる前に何かにぶつかり爆発する。


 それを見ただけではイマイチ何をやったかどうかは解らない。調査員もどことなく困った顔で手に持つ資料とにらめっこしている。

 月柏は何か思う事があるのか、星野宮を見ながら調査員に尋ねる。

「これでは解りません。なので、模擬戦の様な真似事をしても?」


「模擬戦ですか?」

 調査員は少し考え、そして頷く。

「本気は出さないで下さい。それと、止めたら速やかに終わりですから」


「解っています」

 月柏は頷き、星野宮に向かって歩き出す。

 数メートル程近づくと、月柏の耳に何かが風を切る音が聞こえた。鞭の様な何かがしなる音。その音の正体を考えながら尋ねる。


「さっき、『幻想曲ファンタジア』って言っていたわね」

 尋ねながら月柏は右腕を横へ振ると、先程と同じ様に鎌鼬が放たれる。

 その鎌鼬は星野宮めがけて地面を駆ける。


 落ち着いた様子で星野宮が呟く。

「『回旋曲ロンド』」

 が、星野宮に回避の動作がない。周りが一瞬ざわつく。


 避けられない。そう思った時、鎌鼬が当たる寸前。星野宮は限りなく無駄の無い動きで鎌鼬を躱した。


「!!?」

 月柏は流石に目を見開く。見た感じでも接近戦に強そうには見えない。分かりやすい能力に依存するタイプ。

 月柏は星野宮の能力を分析しながら炎、風と交互に時には不規則に星野宮へ投げて行く。


 それら全てを星野宮は最小の動きで躱していく。

 まるでステップを踏んでいるかの様に。


 『幻想曲ファンタジア』・『交響曲シンフォニー』・『回旋曲ロンド』と3つの言葉。その3つともがそれぞれ違う役割を果たしている。月柏はそう予測した。

 随分使い勝手の良い能力。が、まだ不十分。


瞬間移動で星野宮の後ろに移動して拳を星野宮の顔面向けて突く。

 その拳は音速を超えている。四季波の『無敵の破壊神』だ。


 今度は当たる。そう思えた拳。だが、今回星野宮は避ける動作すらしなかった。流石に月柏も当たると思ったのだが、それは寸前に止められた。

「!! ………これは………弦?」

 そこで月柏は気付く。


「………まさか此所一帯に弦が張り巡らされているなんて」

 月柏の拳を止めたのは透明な弦。それはハッキリと言ってしまえば不可視だ。直に触れている月柏だけがそれだと理解出来る程。


「私、向こうでは『曲弦師』なんて呼ばれていたんです。別に弦を張らなくとも能力は使えるのですが、そうなると………加減が出来ないんですよ」

 一瞬、星野宮の目から光が無くなる。


「色々と解らない事があるけど、これだけで十分ですよね?」


「………あ、は、はい。十分です」


「だ、そうよ」

 そう言って微笑む月柏。


「………そうですね」

 一瞬、星野宮の表情が何かを残念に思っている表情になる。


 それを見逃さなかった月柏は指を鳴らす。


パチンッ!!


 その瞬間、


「なっ!!?」

 星野宮は動かなくなる。


 その様子を見ながら月柏は言う。

「あまり甘くみないで欲しいわね。貴女、一瞬私の事を侮ったでしょ? それだけで十分よ? 貴女が負けるのも、死ぬのもね。貴女がどんな道を通って来たか知らないけど、此所では私が貴女のトップよ。肝に銘じなさい」


 それだけ言って再度指を鳴らす。


パチンッ!!


「………すいませんでした」

 星野宮は頭を下げる。


「解れば良いのよ。それと、もう1つ」

 歩きながら振り返る。


「何ですか?」


 微笑んでいた表情が無になる。

「………何を望んで何を目指しているか解らないけど、貴女そのまま行けば狂気に溺れるわよ?」


「………それは言われる筋合いはありません」

 一瞬、星野宮の表情も無くなった。


 だが、互いにそれは一瞬だけ。

 少しの間睨み合い、直ぐに歩き出す。


 微笑みを浮かべて。


 そのやり取りが聞こえていた者は数名。

 その中の1人、左右は顎に手を当てて呟く。

「………あれが天士の幼なじみって子、か。随分危なっかしい子だ。このままじゃ………フフ、面白い事思いついた」


 そう言い残し、左右は森の中に消えた。












『とある』とか科学的に能力を説明しているじゃないですか。

てか、超能力自体が科学的根拠があるモノとして説明されているし。


でも、残念ながら作者にそんな説明出来る脳みそは無いのですよ。

なので、適当を織り交ぜた説明でご免なさい。


だって・・・ねぇ~。

独自に勝手に考えて説明していきますよ。


てか、弦の件は思いつきで。

音的な能力って言うのは考えていたのですが、詳しくは書けない!

と、言う身勝手な理由で弦登場。


まぁ、この世界での超能力とは科学では説明が困難な未知の能力って事にして下さい。はい。すいません。

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