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One-eyed  作者: 龍門 
プロローグ =Long prologue=
15/60

Young person's yell~若者の叫び声~

内容が薄いのは何時もの事さ。


今回は新たな登場人物が!?声だけね。




 ボードゲーム研究会部室(非公認)。


 凄く豪華な部室に、陣内と越智と明堂が居た。

 陣内と越智は2人でチェスをしており、明堂はせっせと掃除している。


「最近映画って2部作とかに分けられるよね」

 いきなり呟く越智。


「詰め込み過ぎると色々カットしたり内容が分かりづらくなるからでしょ?」

 それに答える陣内。


「あぁ~………成る程」

 会話終了。


 陣内と越智は同じ学年で同じクラス。つまりは3年。

 明堂は1年であるが、RANKがⅢの為2人と同じクラスなのである。

 この学校は歳でクラスが別れているのではなく、RANKで分かれている。これはRANKによってカリキュラム内容が違う為だ。因みに、現在はまだ授業中。


 明堂は必要最低限な事は済ませて此所に来ている。優秀な子なのだ。

 だが、陣内と越智は違う。


 陣内は暑いと一言言って教室からエスケープ。越智もダルいと言ってエスケープ。

 この2人は凄まじい程のサボり魔なのである。これが『五人衆』と言われる所以だ。


 窓を拭いている明堂が、何か思い出した様に言う。

「あっ、そういえばですけどもうすぐですね、調査」


「調査? ………あぁ、RANK上げね。俺興味無いなぁ~」

 越智はダルそうに駒を動かす。


「私も同様に興味無し。別にRANK上げる気も無いし」

 取った駒を手の中で転がしながら面倒臭そうに言う。


「でも少し楽しみじゃないですかぁ~普段他の人の能力って見ないですし、それに自分も能力を使う場なんて滅多に無いですし」

 明堂が少し嬉しそうに言う。


 今話している調査とは、能力の経過を調べる通称『RANK上げ』と呼ばれる調査だ。

 現時点での自分の位置を的確に割り出してくれちゃう。この調査は年に2度あり、今話しているのはその1回目だ。


 言い忘れていたが、今は6月だ。次のRANK上げは12月。


 この調査で現時点でのRANK以上の能力値を出せれば上のRANKに行けると言う事だ。

 その為、上に行きたい生徒はマジで調査が近づくにつれて周りの空気濃度が薄くなって行く。と、言う凄まじい異常環境になってしまう。


 それと、不真面目な生徒が浮くのも至極当然なのだ。この2人は能力を上げる気は無い。

 現在のRANKⅢ規定の数値を下回れば降格なのだが、2人はそれでも良いかな?と思っている。


 結局は面倒臭いのとダルいのが大きな理由だ。


「亞美は学園生活エンジョイしているわねぇ~、初々しいわ。そして懐かしい」

 陣内は明堂を見ながら何処か遠い目をしている。


「雪袖は最初から今と大差変わらなかったじゃん。てか、今以上に酷かったね」

 越智が少し笑いながら言う。


「今以上って………」

 ポロッと漏らしてしまう明堂。


「ちょっと亞美………それどう言う意味よ? てか、あの頃の私は少し………アレよアレ! ………えぇ~と………」

 考え込む。


「考えても出てこないって。本性丸出しにしていただけだしね」

 越智は駒を取りながら笑う。


「本性って………」

 陣内は肩を落とす。


「………そんなに酷かったんですか?」

 明堂は気になるのか陣内に尋ねず越智に尋ねる。


「酷かったと言えば酷かったね。まぁ、雪袖自身がどうこうじゃなくて、その周りだよな」


「周り?」


「そう。雪袖中身こんなだけど外見は良い訳じゃん。それで妬まれてた訳。苛ついたのかどうか解らないけど、その頃雪袖を妬んでいた女子が何があったか、寮から出てこないって事件があったな」

 陣内を見ながら頬を吊り上げる。


「い、いやッ!! それは私じゃない!! 多分だけど私じゃない!!」

 弁解する。


「まぁ、それで1年程は荒れてたね。次の年に天士が来てくれて本当に良かったと思うよ」

 陣内の弁解をスルーし、遠い目をしながら駒を取る越智。


「そうなんですかぁ。でも私皆さんと天士さん達の出会いの話を詳しく聞いた事ないのですけど」

 明堂は少し興奮気味に言う。


「………私は話したくない」

 拒絶する陣内。


「昔書いた将来の夢の作文以上に恥ずかしい代物だからね」

 越智が陣内を見ながら笑いを堪えている。


「そんなに恥ずかしいモノなんですか?」

 少し残念そうに尋ねる。


「まぁ、時期がくればだろうさ」

 そう言いながら駒を取る越智。


「………アンタ敵の駒全部取ってからキング狙うの止めなさいよ」

 盤上を睨みながら陣内が言う。


「態とチェックメイトせずにいたぶるのが将棋やチェスの醍醐味だよ?」


「そんな悪趣味をやるのはアンタぐらいよ………」

 陣内が再度肩を落とす。


 伊達に『天才ジーニアス』と呼ばれていない。

 因みに陣内はチェスや将棋、囲碁では一度も越智に勝った事はない。


~~~~~♪ ~~~~~♪♪


 某新世紀でお馴染みの曲が流れる。

「電話よぉ」


「私のではないです」

 明堂が答える。


 越智は携帯を取り出す。液晶が光っている。

「………誰よ。勝手に俺の着うた変えたの」


「良いから出なさいよ。それと、変えたのは鴨よ」

 サラリと暴露する。


「ふぅ~まぁ、良いけ………ど………………ね」

 液晶に出る名を見て硬直する。

 そして凄まじい速さで部室を飛び出す越智。


「ちょっ! 宗次!?」

「宗次さん!?」

 陣内と明堂が何事かと叫ぶ。


 すると、

「俺はまだ死にたくないィィィィィィィィィィィィィィッッッ!!!!!!!!!」

 声が響き渡る。


 だが、

「私から逃げられると思っているのか宗次ッッッッ!! 貴様は私に唯々諾々と従っていれば良いのだよォォォォォォ!!!」

 部室の外で女性の叫び声が響く。


 それを聞いた陣内と明堂は肩をビクつかせる。

「………姉さん?」

 陣内が呟く。


 すると、

「イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

 越智の叫び声。


「ウハッハハハハハハハハハハハハハハハッッッッッッ!!!!!!!!!」

 女性の笑い声。


「「………………」」

 越智が飛び出して開きっぱなしの扉を、明堂が静かに閉めた。
















「なぁ~天使ちゃぁ~ん。行こうよ鳥兜島ぁ~楽しそうじゃぁ~ん」

 空河の周りをウロチョロしながら気持ち悪い声を出す鴨梨。


「だから光輝と2人で行けよ」

 面倒臭そうに言いながら、『ボードゲーム研究会』部室に向かう空河。


「天使ちゃんが行くって言えば自然と皆来るんだよぉ~」


「行かねぇ。てか、語尾伸ばすの止めろ。気持ちが悪い」


「頼むよぉ~」

 気持ちが悪いとハッキリ言われたのに止めない。


 それに若干苛つきながらも、空河はキレない。いや、キレたら色々と面倒臭い事になるのでキレない。

「別にプールで良いだろう? 態々海行く必要性が解らない」

 本当に高校生なのか?レジャー関係を全て否定しようとする空河。


「いや、プールも勿論行くけどさ。やっぱり泊まりで海が良いんじゃない!!」


「どっちかにしろよ」

 などなどとある意味高校生らしい会話をしている時に、馬鹿野郎ムードメーカーが乱入する。

「なんの話してるんだい!?」

 空河の背中に跳び乗りながら尋ねる草島バカ


「重ッ! ………降りろ。マジ………腰ヤバイ………」

 蹌踉ける空河。


 だが、そんな事はお構いなしで話は前進して行く。

「天使ちゃんが海行かないって言ってるんだよ」


「えぇ!? それは駄目だぞ天士! 海は男の全てが詰まっているんだぞ!?」

 訳の解らない、だが気合いが篭もっている叫び。


「煩い………重い………」

 理性ライフがどんどん減っていく空河。自然とこめかみに青筋が増えていく。


「「思い出………作ろうぜ」」

 何故か青春の一コマの様に目を輝かせながら親指を立てる鴨梨アホ草島バカ


「行かない。絶対行かない。………てか、さっきから凄まじい程見られてるんだけど?」

 空河が辺りを見渡しながら小声で呟く。


「そりゃぁ、此所は第二広場だからな。当然と言えば当然だろう」

 空河におぶさっている草島も辺りを見渡し小声で言う。


「………それにしても随分殺気が篭められた睨みだな」


 空河達を睨んでいるのはRANKⅣの男子生徒。

 見かけない者を見る目では無い。完全に嫉妬と怨念が同居している目だ。


「アレだよ。噂が原因だろうさ」

 鴨梨が小声で言う。


「噂? ………あぁ、アレか」

 空河は思い出した様で少し苦い顔をする。


「そっ。その噂がまだ完全に消えてないんだろうさ。まぁ、普段なら『噂部』と『生徒会』が消しにかかるんだけど、多分天下の生徒会会長様が消さないでいるんだろうね」

 鴨梨が苦笑しながら説明する。


「………噂の内容は俺と会長の仲が良いとか、そんな事だろ? そんだけで此所まで睨まれるか?」


 その空河の意見に、鴨梨と草島は溜息を吐く。

「はぁ~、天使ちゃんは会長様の凄さを知らない訳じゃないだろう? 完璧オンの時の彼女は凄まじいカリスマを発揮てるんだぞ? 男女共に大人気の人だ。完全に妬まれてるんだよ」

 鴨梨が首を横に振り、空河の鈍さと言うかそこら辺の鈍感さに呆れている。


「まぁ、俺は未完成オフの時の会長も良いと思うけどな!!」

 叫ぶ馬鹿野郎アブノーマル


 その叫びによって空河は草島を投げ飛ばす。


「うぉッ!! 危ないぞ! 怪我したらどうする!?」

 見事に回転しながら着地する馬鹿野郎アブノーマル


 その姿を蔑む様な軽蔑するような目で見据える空河と鴨梨。


 その視線の冷たさに気付く馬鹿野郎。

「えっ!? ………俺可笑しい事言った?」


「これだから馬鹿野郎アブノーマリティーは………」

 溜息を吐く鴨梨。


「なっ!? 異常アブノーマルで良いじゃん! 何で変態アブノーマリティーにする訳!?」

 どちらも同じ様な気もするが、意味合いが少し違う為か必死に叫ぶ馬鹿野郎アブノーマリティー


「死ね変態」

 ど真ん中を射貫く空河スナイパー。カタカナにしてオブラートに包む気は無いらしい。


「そんなマジな顔で………えっ? マジなの? 本当なの?」

 動揺する変態。


 そんな変態を無視してさっさと歩き出す空河と鴨梨。


「マジなの!? ねぇー!? マジなの!?」

 未だ叫ぶ変態。


 その変態を無視して、2人はアイコンタクトで会話をする。


 “………何人か異常な殺気向けて来る奴等が居るんだが?”

 “そうだね。あれじゃないかな。天下の生徒会会長様の熱狂的ファンの人とか”

 “これは完全に殺す気だろ?”

 “天使ちゃんはもう少し会長様の凄さを認識した方が良いよ?”

 “認識って………”

 “でもまぁ、この噂を流す手段は効率良いよね”

 “どこら辺が?”

 “会長様を好いている熱狂的ファンは凄まじいからね。噂で煽って天使ちゃんの事潰す気だったんじゃないの? 流石の天使ちゃんも能力使わすにRANKⅣを相手にするのは骨がいるでしょ?”


 小国章吾が噂を流した理由は今鴨梨が言った通りだった。

 噂を流し、熱狂的ファンを煽り結託して空河を潰すと言った様な企みが見え隠れしていた。

 だが、小国はそれを遂行する前に空河に接触してしまった。

 小国に運が無かっただけの話。


「面倒臭い―――」


~~~~~~♪ ~~~~~~~~♪♪


 空河のエキセントリックな着うたが流れる。

「電話だ………」

 立ち止まり、ポケットから携帯を取り出し液晶に表示された名前を見て顔を歪めた。


「ん? 噂をすれば会長様か?」

 鴨梨が液晶を覗き込む。

「………まさかの姉さん?」

 冷や汗を流し始める空河。


「………俺なんかしたか?」


「能力は使っただろ?」


「くそぉ~………」

 覇気のそして生気の無い声で悔しがる空河。


 そこに遅れてきた馬鹿野郎が尋ねる。

「折檻?」


「………バトンタッチって、出来る?」


「「無理」」

 声が揃う。


「…………電話に出たくない」

 会長様からの電話の方がマシだと思う空河。


「でも行かないと次が怖いぞ?」

 鴨梨が何時にも無く真剣な表情で言う。


「………後は任せたッッ!!!」

 矢張り逃げ出す空河。


「うぉッ! ちょっと待て天使ちゃん!!! 逃げた方が恐ろしい事になるぞっっ!!」


 だが空河は止まらず振り返らず必死に走っている。

 だが、

「逃げられると思っているのなら笑止千万!! そして貴様が逃げ切れない事は一目瞭然!!」

 どこからか聞こえる叫び声。


 鴨梨は関係無いのだけれど硬直していた。


「クソ婆ァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

 叫び渡る空河の叫び声。


「ハッハハハハハハ!! ………誰が婆だゴラァ!!!」


「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

 空河の悲鳴が響き渡る。

 鴨梨は耳を塞いでる。


「喰らえッ!! 私の必殺―――一蓮托生パンチッッ!!!!」


「意味解らねぇしッッ、ぐげはッッッッッ!!!!!!!!!」


ドゴォォォォオオオオオォォォォォォンッッッッッッ!!!!!!!!!!!


 凄まじい爆音と共に、


「ウハッハハハハハハハハハハハハハハハッッッッッッ!!!!!!!!!」


 女性の笑い声が響き渡った。

 この声を聞いた空河を知っている・・・・・者は全員背筋を凍らせたらしい。














次登場する女性は好きなキャラです。

まぁ~男はそんなに興味無いが、女性は皆好きさ!!


・・・捕まりたくはないので叫ぶのは止めます・・・。


それでは、次回~

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