君と付き合う為に
これ多分、書き下ろしです。
彼とまた『明日』遊ぶ事を決めたのは訳がある。其れは明日までに自分が決めた事、どうしたいかを彼に宣言する為。『また学校で』なんて返したら、多分今までの様にズルズル行く。
まず、これからの私の目標。恋愛感情を持たないまま彼と付き合う事が嫌ならば、私自身、恋愛感情を持つようにすれば良い。
その為にはまず、『前の失恋でウジウジ悩まない』これは絶対に必須であろう。前の失恋をズルズル引き摺ったままだと、初恋の人と彼を重ねる事になりかねない。
あとはそもそも今まで恋人らしい事をして来なかったのがいけない訳で、『自分でも恋愛感情を持つ様に行動する』。何度も恋人っぽい行動を繰り返してきたら、きっと最後には恋愛感情を持つ様になるかも知れない。少し無理矢理ではあるが、きっとその方が良い。
其れから……。けれども思わず手が止まる。後はどうすれば良いのだろう。私を支えてくれた、失恋から新しい恋を与えてくれた彼に恩返しをするには、どうすれば……。
彼を幸せにしたい。其れに嘘偽りはなく、だからこそ此処は真剣に考えるべきなのだと思う。
悩んでしまったので、今日の彼が私に向けた会話を振り返ってみる。
――気遣いで付き合っているのはお前の方だろ。
うん。だから自分からも行動するよ。
――未練タラタラなら俺が忘れさせれば良い。
でも君だけに全て任せる訳にはいかないよ。ちゃんと私も前を向く。
――俺はお前と付き合えただけで幸せなんだから、もっと我儘言え。
……彼は……私と付き合えただけで幸せだと言ってくれた。それだけで幸せだと。
悩みの小部屋に細い光が差し込んだ。其れは扉を開けた様に徐々に大きくなり、私に一つの閃を与えてくれる。
『自分じゃ幸せに出来ない』と思う事を止めよう。まずは『自分でも幸せに出来る』という自己肯定感を上げる方向性にしよう。
今上げた二つの項目も、まず此処を越えられるかに掛かっている気がする。
そこまで考えて、私は静かに微笑んだ。これをもっと丁寧に清書しよう。そして彼に見せよう。格言を蔑ろにしたら、きっと全てが駄目になる。大切にしよう。
よし、これで明日は大丈夫だ。
作者の性格の悪さが出てます。
この子の良いところ。
今の自分のダメな所をしっかり自覚して、曲がりなりにも行動するところ。
全部、彼任せとか何様のつもりなんだよ!!
精神です。
その分、思い切り良すぎて空回りします。
そうしないと向き合えないから。
作者がですね、何でもかんでもやって貰う気質なんですよ。もうド級の面倒臭がり屋。常日頃、甘やかして〜。精神。何処のラノベの姫だよ。精神。
だからこそ、創作上では現状を自覚して、出来うる限りの最善を目指す子が多いです。
面倒見て貰いたいから。