表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/40

拒まないだけで

短編

恋愛感情なくない!?

の物凄い序盤です。

彼とのファーストキスは優しさに満ちていた。ただただ相手を気遣う優しさだけが胸を満たし、緊張に緊張を重ねたのが嘘のように感じてしまう。ただその反動かお腹が空いた。

「お昼は冷蔵庫漁るなり、作るなり、お金置いて置くから好きにして良いって。折角だから外に食べに行こう」

「ああ。……またあの人に借りを作ったな」

家に着いた時も言っていた『借り』。彼がこの言葉に拘るのは、私が知る限り母に付いてのみ。確かに母は興味のない人々には冷淡である。其れはきっと彼も知っている。だからこそ、その認識を言葉だけで変えるのは難しいのだろう。

二人仲良くリビングまで降りると、テーブルの上に封筒を発見した。中を覗くときっかり三千円が収まっている。

「何処行く? って言ってもこの間のファミレスしかないか」

徒歩で行ける範囲で思い当たるのは、やはりあのファミレスだった。振り返って見ると、これからの事、発展に繋がる話をする場所でもあった。そして今、ファースト・キスを終わらせた後も私達はあの場所へ向かおうとしている。非常に感慨深い。

「へへへ……」

「どうした。突然」

「いや、こうやってまた何か変化を得る度に、あの場所にお世話になるんだなって」

上手く言葉では表せないけれど、こうやって思い出が積み重なって行くのを感じると、心が温かくなる。勿論あのファミレス意外でも、重ねていくつもりだが。

一人喜ぶ私を彼は静かに見守っている。そこに何処か哀愁を感じ、ふと我に帰る。

「あ、ごめんね。一人勝手にはしゃいで……」

「何でも良いよ。お前が自分を殺す事無く、気ままに生きてくれたら。そしてその礎が俺であれば。なんでも……」

またその言葉。私を気遣ってばかりの言葉。けれどもそうなると彼の心は何処にあるんだろう。

心配になって彼の顔を覗き込む。彼も目を逸らす事無く此方を見詰め返す。其れからそっと私の頬に触れた。髪を撫で、耳に引っ掛け、首を辿って離れていく。

「こうやって拒まなくなってくれただけで御の字。嫌がられたら、俺からは何も出来ないから」

「あ……」

「……そろそろ飯にするか」

バツの悪そうにそう言って、彼は歩き出す。私も其れに倣って追い掛けた。今までの様に。今までの恋愛行動の様に。

ファーストキスをした時の感想って、こんなほのぼのしているのかという疑問。

でも此処、布石だと思っているんですよ。

其れこそ、過去編の告白と同じくらいの。


彼も彼女も其れに気が付いてないだけで。

周りは気付いているけども。


『拒まれたら何も出来ない』という言葉、彼は深い意味は無い状態で言ってます。

が、これ彼女にとっては地雷。

負い目とか、気にしている事項なんですよ。

『私が拒みまくってるから、やっぱり気にしてる? 気にしてるよね!? ( 'ㅂ')ヒッ』

という内情。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ