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3話 幼児期(1)

すみません。この話、書き直ししてます。

どうか、生暖かい目で見守って下さい!

ウォン隊長の家に来てから1週間が経った。

 怪し混じりの僕は、なるべく人目に触れないよう納屋で育てられている。

 ちなみに虐待ではない!

母屋の屋敷より納屋の方がずっと立派なのだ。

 つかまり立ち出来るようになった僕が何周しても床に穴が空かない!

 何より病気で歩く事も出来なかった僕が、自分で歩けたのが嬉しくて立てなくなるまで納屋の中を十数回廻っているとウォン隊長の長女のサリナ(14)と次女のメイリア(12)が、納屋に来て見学している。


「ジュディス、おいで!」


「だぁう!」


イヤだ!また、女装させる気だろう?


サリナが手持ちの袋からサブレを出す。


「お菓子だよ、おいで」


フラフラと吸い寄せられた僕は馬鹿だ。昨日と同じ手で捕まった。

 だって、前世でお菓子を食べたことなかったんだもん。砂糖が入った物を食べたことがなかったので、今僕が服を脱がされようが、女装させられて化粧させられようが、お菓子の魅力の前には無力である。

 それにお昼になれば、デリスさんが昼ご飯を持って来る。

 お母さんに無断で化粧道具を使った罰がこの姉妹には与えられる。

庭の砂利を踏む音が聞こえる。サリナとメイリアは真っ青になり、僕の化粧を強引に落とし、化粧道具を小麦粉の袋の中に隠す。


「ジュディス、入るわよ」


「だあう!あー!」


扉が開くと同時に姉妹達が納屋からダッシュで出て行く。


「きゃ!もう!貴女達、レディらしくなさいな!」


姉妹の後ろ姿にぼやいたデリスさんが僕を見て思わず笑った。


「また、お菓子に釣られちゃったのね?あーあー、こんなに余分に口紅塗って!化粧道具取って来なきゃいけないわね」


「だー!」


僕はデリスさんのブラウスの袖を握って、小麦粉の大きな袋の方に引っ張って行った。


「あ~う~!」


「まさか、あの子達……いやぁ!?なんてこと!化粧道具が小麦粉まみれ!」


デリスさんが鬼になった。


「だーう~!んま!」


ご飯をと誘いをかけると聖母になる。

 ほっと一息付いてマッシュポテトを食べさせてもらうと、ゲップして布団に入れられた。


「じゃあ、お昼寝するのよ?…さて、あの子達には、尻叩きね」


「あ~」


お手柔らかに。

 僕は眠ってしまった。


 夜はウォン隊長が、剣術を見せてくれる。

 僕は目を見開いて、動きを覚える。

記憶力は良い方だ。

 それにFWOLでの主流剣術カルバート派から派生した剣術なので、簡単に覚えられたが、いかんせんつかまり立ちしか出来ないので、剣は振れない。

 型を見るだけの2時間が過ぎて、就寝の鐘が鳴る。


「ジュディス、今日も見学したな!もう少しで歩けるようになるから、それからだな!楽しみにしてるぞ」


「だ~う!」

幼児の体はやたらと眠い。

ウォン隊長に抱っこされてベッドに寝かしつけられると気持ちよ~く瞼を閉じてしまう。

まだ、日課の妖力を使い切ってない。

今はまだ、床に穴をあけることくらいしか出来ないだろう。

 やったこと無いけどね!

何しろデリスさんが怖い。

力を入れて妖力を放出すると、大きなウンコがおむつの中いっぱいに漏れた。

オナラも激烈臭いのが出て僕は臭いで気絶した。


翌朝、やって来たサリナ達が納屋の扉を開けて臭さに気絶したのを見て僕は号泣した。

 休みだったウォン隊長が駆けつけて「うおーー!?」と叫びながら娘達を母屋に運び、デリスさんが風魔法で納屋の空気を入れ替えて、おむつ交換して僕を抱っこして宥めた。


「ふふふ、びっくりしたわねー。2人共大丈夫よ。ジュディスはフェロモンのスキルがあるのね。悪くないわ!逃げる時に役に立つわ。今度フェロモン出すときは教えてね」


「あ~、うう」


オナラがフェロモン?それはカッコ悪い!

 どうせなら良い臭いにしたい!

朝ご飯は魔獣のミンチに玉子の黄身を載せた物だった。

堪らない生肉の匂いにやられ僕は1時間かけて、ブルーリザード1匹分を完食した。

 ちなみにブルーリザードは、全長約三メートルあるワニに似てるゴツい肉食魔獣だ。


ウォン隊長は、デリスさんが食器を片づけると僕をヒザに乗せて僕と相談を始めた。


「毎日、生肉食いたいか?」


「だー!」

食べたい!


「そうだよなぁ。半妖だもんなぁ…。フェロモンといい、鳴き声といい、ここ、じゃなぁ…」


僕は捨てられるんだろうか?!


「ふぇ、ふぇええええん!」


「コラ、泣くな!お前な、声が妖力乗ってるから、小さな魔獣が、寄って来てるんだわさ。明日から俺と一緒に仕事行くぞ!そこなら魔獣食べ放題の寄せ放題だ!そうだ!フェロモン出してみろ!」


そんな事してウォン隊長は平気かな?

 僕は恐る恐る小さなオナラをした。


プー


「屁かあ!ああ、ちょっと目に染みるなあ!ハハハ、これなら、食べている最中に魔獣が寄って来ても大丈夫か!」


翌日の早朝からおんぶ紐にくくりつけられてウォン隊長の背中にライドオンして騎乗して出勤。


「おはよう!皆、今日からジュディスが一緒に行軍するから、よろしくな」


「うわ~、たった1週間でこんなにデカくなったんですか!」


「ジュディス、副隊長のノリスだ。弱いからお前の世話をさせる。守ってやってくれ」


ノリスさんは皆に笑われている。

あれ?この人も半妖?耳が尖ってる。


手を伸ばして耳を掴むとノリスさんは触りやすいように頭を下げてくれた。


「私も混ざり物だから、仲良くしようね!ジュディス」


「エロいエルフだからエロフだよな!ノリス」


「うるさいワ!40年ぶりの繁殖期だったんだよ!そのネタいつまで使う気だ!もう5年前の話だぞ!」


エルフって、こんなに細いんだ。でも、絶世の美形って程じゃないから、ハーフエルフって事?


「ジュディス、今日は、何して遊ぶ?」


ウォン隊長の質問に魔獣討伐隊の宿舎を見回す。ホコリが積もっていて汚い机の上に乳鉢と薬研を見つけた。

 指さすとウォン隊長は道具一式をマントに包んで水を樽に入れて肩に担いで転移の魔法陣に皆と共に乗った。

何処に行くか知らないが、わくわくする。


一瞬で移動して山深い廃屋に到着したら、そこからは、荷馬車6台でもっと山奥に入って行く。

 獣道がかろうじてある山道を1時間ほど進む。荷馬車が激しく揺れて三半規管がおかしくなりそうだった。

そこだけ野営の跡がある開けた場所に出ると荷馬車から天幕を降ろして魔獣討伐隊の皆は野営の準備を黙々と始め、それが終わると徒歩で、森の中を山の上に向かって登った。

僕は高い山でしか採れない薬草を摘みながらノリスさんにおぶわれてゆっくり進んで魔獣討伐隊の皆と2時間後に合流した。

ノリスさんは雑用を押し付けられてるらしくお粥を炊いていたので僕は食べられる薬草を入れて薬草粥にした。


「ジュディス特製粥、今ならお代わり自由!食べて食べて!」


「ほぉ!薬草粥か!味付きは久しぶりだな。ありがとうノリス、ジュディス」


ウォン隊長始め、魔獣討伐隊の皆はお代わりしてたくさん食べた。


「じゃ、討伐を始める!ノリス、ジュディスを頼む!」


ウォン隊長が乳鉢などの僕のオモチャを僕の前に並べてノリスさんを置き、皆と森の中に分けはいって行った。

ノリスさんが炊事をしてるうちに僕はポーションを作り始めた。

お読み下さりありがとうございます!


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