表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

99/301

#98 香織のダイエット ♡

「え~!? うそ~!?」

わたしは何気なく体重計に乗ってみたら、見たこともない体重が表示されてびっくりした。


「こ、壊れてるのかな? も、もう1回計ってみよう…」

試しにもう1度乗ってみたけど、やっぱり壊れてなかった…。

わたし、本当に太っちゃったんだ…。


「どうしたの香織姉?」

「きゃっ!?」

ゆきあくんが後ろから声をかけて、びっくりしてしまった。


「わ、わたし太っちゃったみたい…」

「えっ!? そんな感じに見えないけど…」

「少しだけ増えちゃったの…」

わたしはゆきあくんにそう説明した。


「でも、なんでだろう…。そんなに食べ過ぎてないのに…」

「香織姉…。ダイエットしない?」

「ダイエット?」

「うん、ぼくもあまり運動してなかったから一緒にやろうかと思って」

「ゆきあくん…」

わたしはゆきあくんの心遣いに感動した。


「わたし頑張るよ! 一緒に運動しよう!」

「うん!」

そんなわけで、わたしはゆきあくんとダイエットすることにしました。




「お待たせゆきあくん」

「う、うん…」

わたしはジャージに着替えて戻ると、ゆきあくんはそんなわたしを見てうつむいていた。


「うふふ、ゆきあくん、本当にわたしのジャージ好きだね♡」

「や、やめてよ…。そういえば何をしようか?」

「まずは公園までランニングしようかな?」

わたしたちは初めに公園までランニングすることにしました。




「ふぅ~、公園に到着! あれ、ゆきあくんは?」

「か、香織姉…。速いよ…!」

「あー、ごめんね! わたしってば、途中で楽しくなって勢い出しちゃったよ~」

「だ、大丈夫…」

ゆきあくんはすっかり疲れてしまっている。


「あれ、ゆきあくんと香織ちゃんだー!」

「ゆきあくんと香織ちゃん、こんにちはー」

「あっ、2人ともこんにちはー」

うららちゃんと聖来ちゃんも公園にやってきた。


「2人とも、ランニングしてるの?」

「はい、わたし最近食べ過ぎて太っちゃったんです…。だから、こうしてダイエットを始めてるんです!」

「わたしは聖来ちゃんに付き添いで来たんだ~」

「そうなんだ~。実はわたしもゆきあくんと一緒にダイエットしてるの」

「ぼくはダイエットというより、運動不足だからしてる感じかな…」

わたしたちはそんな会話をした後、次に何をするか話し合っています。


「次は鬼ごっこしない?」

「いいね、やろうやろう!」

「誰が鬼やりますか?」

「ゆきあくんが鬼でわたしたちをつかまえるのはどうかな?」

「ぼくが鬼なの!?」

ゆきあくんが鬼で鬼ごっこをすることにしました。

だけど、ゆきあくんよりわたしたちが足速いのでなかなか捕まえることが出来ません。

なので、捕まるために、みんな遅く走ることにしました。


「ぜーぜー、やっと終わった…」

「ごめんなさい、わたしたち本気出しすぎちゃったね」

「ごめんね、ゆきあくん」

「ゆきあくん、大丈夫ですか?」

わたしたちみんな笑顔でゆきあくんを心配した。


「う、うん…。大丈夫だよ…」

「そっかー。良かった~」

「ゆきあくんも大丈夫みたいだし、わたしたちまたランニングしてくるね」

「そうですね。ゆきあくん、香織ちゃんまた会いましょう」

うららちゃんと聖来ちゃんは、再びランニングしに向かった。


「あれ、みんな何してるの?」

「あっ、心愛ちゃんと心音ちゃん」

入れ違いに心愛ちゃんと心音ちゃんがやってきた。

そんな2人に事情を説明した。


「ダイエットですか?」

「うん、体重が増えちゃってね…。それでダイエットを始めたの」

「香織さん、そんなに食べてましたか?」

「そんなことないんだけど、何故か増えちゃったの」

「なんでか、あたし分かるかもー」

わたしが心愛ちゃんに説明すると、心音ちゃんがこう指摘した。


「香織さん、いつもあたしたちにお菓子作ってくれてるよね?」

「うん、そうだね。あっ、いつも味見してるからそれが原因かも?」

「やっぱりー。お菓子作る回数減らせば問題ないんじゃない?」

「そっか、そうだね! ありがとう心音ちゃん」

わたしはアドバイスをくれた心音ちゃんに感謝した。


「あー確かに、よく味見してたもんねー。…ん? 心愛さん大丈夫?」

「お菓子作る回数を減らす? つまり、香織さんのお菓子が食べられない?」

よく見たら、心愛ちゃんが震えていた。


「わっ、初めて見る表情…」

「だ、大丈夫だよ心愛ちゃん! わたしは平気だから、気にしなくていいよ!」

わたしは心愛ちゃんにそうフォローした。


「…。わ、わたし我慢します! 香織さんには瘦せて欲しいですから!」

「心愛ちゃん…」

心愛ちゃんは声を大にしてそう言った。

あの心愛ちゃんがわたしのためにお菓子を我慢しようとしている!?

「…。あ、そうだ! 甘さ控えめならどうですか!?」

「心愛ちゃん…」

でも諦め悪いね…。


「そうだ心愛ちゃん。我慢しなくてもいい方法あるよ」

「えっ!? なになに!?」

心音ちゃんが心愛ちゃんに提案した。


「簡単だよ。こうすればいいんだよ」




「はい、心愛ちゃん」

「ん~」

「味どうかな?」

「おいしいです!」

なるほどね。

ゆきあくんたちのためにいっぱいお菓子作ってるから、ゆきあくんたちに味見すればいいんだね♪


「はい、心音ちゃん」

「ん~、おいしいね!」

「ありがとう。心音ちゃんのおかげだよ~」

「もう香織さんってばやめてよ~」

わたしは心音ちゃんにお礼を言うと、照れていた。


「はい、ゆきあくん」

「うん、おいしいね」

「良かった~」

「あの、香織姉…」

「どうしたの?」

ゆきあくんはもじもじしながらこう言った。


「また今度、一緒に運動しないかな…?」

「うん、良いよ。というより、ゆきあくん、本当はわたしのジャージが見たいんじゃないの~?」

わたしは意地悪そうな笑みでこう言った。


「ふぇ!? そ、そういうわけじゃ…」

「うふふ、わたしまだジャージだからいくらでも見せてあげるよ?」




読んでいただきありがとうございます。


面白いと思った方、ブックマークやご感想、いいね、SNSのシェア、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ