#95 香織のブラジャー ☆
ぼくは風呂上がりにとんでもないものを見てしまった。
「何だろう?」
洗濯機に何か入っていたので取り出してみると、香織姉のブラジャーだった。
「ふぇ!?」
ど、どうしよう!?
これって部屋に戻した方がいいかな…。
―いや、でも洗濯機に戻すか…。
そんなことを考えていると、
「ゆきあくん?」
「うわぁー!?」
雪香姉が後ろにいた。
「ど、どうしたの雪香姉?」
「ゆきあくん上がったから、わたし入っていいかなぁって」
「あ、うんどうぞ」
「ありがとう」
雪香姉は浴室に入り、ぼくはすぐさまリビングに向かった。
「どうしよう、香織姉のブラジャーまで持ってきちゃった…!」
ぼくは勢い余り、香織姉のブラジャーまで持ち出してしまった。
ぼくは今、どうしようかと焦っている。
今から洗濯機に戻そうとも思ったが、雪香姉が入っているので、何だか行きづらくなってしまった。
「香織姉のクローゼットに戻すか…」
ぼくはそう思った。
だけど、問題は香織姉は今、部屋にいるのだ。
同じ空間でこっそりとブラジャーをクローゼットにしまえるはずがない。
かといって、直接本人に渡すわけにもいかない。
間違いなく5分お仕置きコースだ…。
「香織姉が出てくるのを待つしかないね…」
そう思い、ぼくはリビングで香織姉が部屋から出てくるのを待つことにした。
そんなとき、ガチャっとドアが開く音がした。
香織姉が部屋から出てきた。
「よし、今だ!」
部屋から出てきたのを確認出来たので、ぼくはこっそりと部屋に向かった。
ドアを静かに開け、中に入った。
自分の部屋でもあるのに、何だろうこの気分…。
「…ここか?」
ぼくはクローゼットを開けて、ブラジャーを戻そうと思ったが、困ったことにどこに戻せばいいのか分からない。
適当にそれっぽいところにしまおうかな?
でも、ばれたら後が怖いよなぁ…。
香織姉のベッドに置く?
それも不自然だよなぁ~。
というかさっきからぼくは何考えてるんだろう…?
「―そういえば香織姉って、カップどれくらいなのかな?」
そんなことをふと思ってしまった…。
―いや、でもさすがにそれは…!
しかし、ぼくは好奇心に負けて、触ってみてしまった。
「何…やってるの?」
声に気が付いたぼくが振り向くと、少し開いていたドアの向こうには香織姉がいた。
「うわぁー、か、香織姉!?」
「ゆきあくん、それわたしのブラジャーだよね…?」
「い、いやこれにはその…!」
「ゆきあくんって…そんなにいけない子だったんだ…」
ちょっと待って、香織姉!
間違いなく怒ってるよ…!
恐怖のあまり、尻餅をついて後ずさるぼくに、香織姉はゆっくりと近づいてきた。
「うふふ…。わたしのブラジャーがそんなに欲しかったの? ねえ、ゆきあくん?」
香織姉の笑顔が何だか怖いよ~!
そんな香織姉を見てぼくは泣きそうになってしまう。
「ゆきあくん? どうしたの? わたしを怒らせて何か言うこと無いの?」
「―ご…。ごめ…」
ぼくは恐怖のあまり、声を出すことが出来なかった。
「ゆきあくんのエッチ。スケベ。変態。きもい。きもいよ、ゆきあくん。うふふ…」
香織姉は笑顔でぼくのことを罵倒している。
ぼくは何とか逃げ出そうとするも、あえなく香織姉につかまってしまった。
「ゆきあくんのばか。絶対に許さないよ?」
パシィン!
「ひゃん!」
「うふふ…。ゆきあくん、反省しなさい?」
ぼくは香織姉に好き放題ビンタされまくるのであった…。
「はーい、おしまい」
香織姉は満足したようで、ビンタする手は止まった。
「―か、香織姉その…。ご、ごめんなさい…!」
ぼくは声を出して謝った。
「うふふ…。ゆきあくん、もう許してあげるよ。わたしもきもいとか言っちゃってごめんなさい。ちょっと言ってみたくなっちゃって」
「香織姉…」
ぼくは香織姉のいつもの優しい表情が見れて、安心したのとさっきまでの香織姉が怖かったので、泣いてしまった。
「うぅ~、香織姉…」
「もうゆきあくんってば泣いちゃって~。怖かったよね」
香織姉はぼくを優しく抱きしめた。
「…で、どうしてわたしのブラジャーを持っていこうとしたの?」
「それはね…」
ぼくは香織姉に全て説明した。
「そうだったんだね。わたしってば、勘違いしちゃったね。ゆきあくん、ごめんなさい」
話が聞き終わった後の香織姉は申し訳なさそうにしている。
「ううん、大丈夫だよ。ぼくが悪いんだから」
「でもわたしのブラジャーで何カップかなぁって触らなかった…?」
「へっ!? し、してないよ…」
「本当に~? ゆきあくん、噓つくの下手だよね~」
「うっ、ちょ、ちょっとだけ…」
「うふふ、ゆきあくんのエッチ♪ ゆきあくん、きもい♡」
「ふぇ!?」
「うふふ、ゆきあくん、わたしに罵倒されてどうかな?」
「う、うん…。悪くないかも…」
正直、香織姉に罵倒されるの気持ちいいかもしれない…。
「ふふっ、ゆきあくんってば~。なめていい?」
「へっ?」
「お願い…」
「…分かった」
そう言って、香織姉はぼくのほっぺを優しくなめた。
「うふふ、気持ちいい?」
「うん、いつもより気持ちいいかも…」
「良かった~。ゆきあくん、その気になったらわたしのブラジャー持ってもいいよ?」
香織姉が意地悪そうに微笑む。
「さすがにそんなことしないよ…」
「そっか~。ゆきあくん、一緒に寝ない?」
「良いよ」
「やったー♪ わたしと添い寝だよ~」
読んでいただきありがとうございます。
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