#92 ぷんぷんなつき ☆
「ねえゆきあくん、今日も家に行っていい?」
「香織さんとまたお話ししたいからね。あっ、もちろんゆきあくんとも遊びたいから心配しないでね」
「う、うん…。いいよ」
今日の授業も終わり、ふゆかさんとなつきさんは今日も家に来るみたいだ。
『お邪魔しまーす』
2人ともぼくよりも先に玄関を開けて早々に中へと入っていった。
「おかえりー。あっ、ふゆかちゃんとなつきちゃん、いらっしゃーい」
先に帰っていた香織姉がリビングのドアを開けて出迎える。
「香織さん、こんにちは!」
「香織さん、こんにちは」
そのままリビングで遊ぶことになった。
「うーん…。これかな~」
今、みんなでババ抜きをしている。
香織姉がどれを引こうか悩んでいる。
「はい。やったー、あがった~」
「香織さん、はやいですね。あっ、わたしもあがりましたー」
香織姉となつきさんが続けてあがっていった。
「はい、ふゆかちゃん」
「これで揃えばあがりー…だけど、揃わなかったわね…」
残るはぼくとふゆかさんだった。
「はい、ゆきあくん。どうぞー…」
ふゆかさんは、ぼくが片方のカードを引こうとすると、笑顔になり、もう片方を引こうとすると、慌てた表情になっている。
―ということはつまり…
「こっち!」
「あっ!? 負けたー!」
ぼくはあがって、ふゆかさんの負けになった。
「あー、わたしババ抜き、よく負けちゃうんだよねー」
「ふゆかちゃん、顔に出ちゃうからね」
なつきさんはそう指摘した。
「心愛さんと同じだね」
「心愛ちゃんもそうなの?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ心愛ちゃんとだったら勝てるかもしれないわね…!」
ふゆかさんは心愛さんとババ抜きしようと考えているみたい。
「あっ、香織さん。ちょっとお願いがあるんだけどいいかしら?」
「うん、いいよ何かな?」
ふゆかさんは香織さんに何か頼んでいた。
「ゆきあくん、邪魔にならないようわたしたちは出よう」
「えっ? う、うん」
よく分からないけど、なつきさんの言う通り、リビングを出てぼくの部屋に向かった。
「ふゆかちゃんが勉強苦手なの知ってるよね」
「あー、うん」
確かにテストの成績が悪いと、いつも声を出して嘆いていた気がする。
「今日の宿題もいつも以上に難しいから、香織さんに見てもらおうと思ってたみたいなの」
「そうだったんだ。じゃあぼくらもやろうか」
「うん。あっ、でもランドセルに入れてあるから戻らなきゃ」
そう思い、なつきさんは立ち上がろうとしたが、
「きゃー!」
ぼくの方にこけて倒れてしまった。
「大丈夫? なつき…さん!?」
「いたた…。うん?」
ぼくの視界に入ったのは、なつきさんのパンツだった。
「きゃー!」
「うわぁー!」
なつきさんが悲鳴をあげて、ぼくは慌てて目をそらした。
「ゆきあくん、見た?」
「ふぇ!?」
なつきさんは笑顔でそう聞いた。
―笑顔だけど、何だか怖いよ、なつきさん!
「パンツ見たでしょ? 正直に言わないと怒るよ?」
もう既に怒ってない!?
「―ちょ、ちょっとだけ…」
「見たんだ?」
そう言うと、なつきさんはぼくに近づいてこう言った。
「ゆきあくん、怒るよ?」
正直に言ったのに、結局怒られるの!?
「ご、ごめん! わざとじゃないから…!」
「うふふ、ビンタしなくちゃいけないねゆきあく~ん? パンツ見るなんて本当に最低だね?」
「ひー!」
なつきさんに壁まで追いつめられて、なつきさんは壁ドンをした。
そして怯えるぼくの顔を見ながら、なつきさんは不敵に微笑んだ。
「ゆきあくん…わたしのお仕置きだよ?」
ぼくは、なつきさんにビンタされる羽目になった。
「えーい!」
パシィン!
「ひゃん!」
なつきさんのビンタ、やっぱり痛くない!?
前よりも強いよ…。
「うふふ、ごめんなさいゆきあくん…。わたし、本当は怒ってないから安心してね。慌ててるゆきあくん見たら、いたずらしたくなっちゃって…」
「もうなつきさんってば…」
「本当にごめんなさい」
なつきさんは笑顔でそう言った。
「あっ、おかえり~、ゆきあくん、なつきちゃん」
ぼくとなつきさんは香織姉とふゆかさんがいるリビングに戻っていった。
「ゆきあくんとなつきの2人って珍しいわね~。何かしてたの?」
ふゆかさんはそう聞いてきた。
「ちょっと…ね? ゆきあくん?」
なつきさんはぼくに微笑みながらそう言った。
「うん、ちょっとね」
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