#89 姉弟水入らずのカニ ♡
「は~面白かったね、ゆきあくん」
「うん、そうだね」
わたしたちは買った姉弟漫画を読み終えて、感想を伝え合った。
「この漫画の姉弟、わたしたちみたいだったね」
「うん、ほとんどぼくが香織姉にされてることに似てたよ~」
「じゃ、やろっか?」
「へっ? 何を?」
わたしはそのままゆきあくんを押し倒して、上にまたがった。
「はい、これで動けないよね。絶対服従だよ!」
「あの、これは一体?」
「お仕置きに決まってるでしょ」
「…また!? もしかしてぼく何かした?」
「ううん、何もしてないよ」
「そっか、良かった~。…じゃあ何でお仕置きする気満々なの?」
「そんなのわたしがお仕置きしたいからに決まってるじゃん。うふっ!」
わたしは舌を出し、かわいいポーズをしてみた。
「香織姉、本当にドSだね…」
「だってゆきあくんがかわいすぎるから、イジメたくなっちゃうんだよ~」
「きょ、今日は優しくしてほしいなぁ…」
「もう、しょうがないなぁ。手加減してあげるから」
わたしは手始めにゆきあくんを優しくビンタした。
「えいっ」
パシィン!
「どうゆきあくん?」
「うん、優しくて気持ちいいよ」
「ありがとう。じゃあこしょこしょしちゃうよ~」
「えっ?」
わたしは次にゆきあくんをこしょこしょした。
「ほ~ら、こしょこしょ~」
「ふわぁ、く、くすぐったいよ~!」
わたしは思う存分ゆきあくんをくすぐった。
「うふふ、ごめんねゆきあくん。わたし、またやり過ぎちゃった♪」
「か、香織姉…。それはいいんだけど、今日も一緒に入るの?」
わたしは今、ゆきあくんと一緒に温泉に入っています。
「ゆきあくんはわたしの弟でしょ? だから弟のゆきあくんはお姉ちゃんのわたしと一緒に入って欲しいんです」
「よく分からないけど…。でもいつもタオル巻かないよね…」
「だって、ゆきあくんにわたしの裸見せたいんだもん。ほ~ら、ゆきあくんの好きなおっぱいだよ~」
「うわぁ、やめてよ!?」
わたしはいつものようにゆきあくんをからかって遊んでいる。
「ふぅ~これでよしと。あっ、2人とも見て見て~」
わたしとゆきあくんは温泉から上がって、リビングに行くと、雪香姉がテーブルの上にカニを並べていた。
「すごいね雪香姉! これは相当高そうなカニだよ!」
「うふふ、北海道から直送されたカニだよ~」
「うわぁ、食べよう食べよう」
カニを見てはしゃいでいるゆきあくんを見てわたしと雪香姉は思わず笑っちゃった。
「うふふ♡」
「うふふ♪」
「ん? どうしたの2人とも?」
「カニを見てはしゃいでいるゆきあくんがかわいかったから♡」
「うん、ゆきあくんかわいいよ~♡」
「ふぇ!? と、とにかく食べよう!」
ゆきあくんは顔を真っ赤にして椅子に座った。
「それじゃあ」
『いただきます』
わたしたちはいただきますをして、ゆきあくんはさっそくカニを食べ始めた。
『どうかなゆきあくん?』
わたしと雪香姉はそろえてゆきあくんに聞いた。
「うん、これおいしいね!」
「良かった~。ゆきあくんに喜んでもらえてわたしも嬉しくなっちゃう~」
雪香姉は嬉しそうにそう言った。
「わたしも食べよう♪ う~ん、おいしい~」
「本当だね~。さすが北海道のカニだよ~」
わたしと雪香姉もカニ食べながら、そう言った。
「そういえばカニって食べると無口になるって言うよね~」
「そうだね、カニの殻を剥くのに忙しくなっちゃうから、どうしても無口になっちゃうよね」
「まあわたしたちはいっぱい話しちゃうけどね~」
雪香姉の言う通り、わたしたちは無口になることなくカニを食べ続けていた。
「ごちそうさま~。おいしかった~」
「久しぶりにカニ食べたな~」
「また今度食べたいね~。あっ、ゆきあくん。ちょっと手貸して」
「えっ? いいけど?」
ゆきあくんはわたしに手を差し出した。
そして、わたしはゆきあくんの手をなめた。
ペロッ。
「ひゃん!? か、香織姉!?」
「うふふ、ゆきあくんの手はわたしがなめてきれいにしてあげるね♡」
戸惑うゆきあくんの顔を見ながらわたしは、満足そうな笑みを浮かべてゆきあくんの手をペロペロとなめた。
「もう香織ってば相変わらずね~」
ペロッ。
「ひゃん!? ゆ、雪香姉!?」
「うふふ、ゆきあくん、わたしもなめてあげるよ♡」
雪香姉もわたしがなめてない方のゆきあくんの手をペロペロなめはじめた。
「2人ともくすぐったいよ~」
「ゆきあくんってば恥ずかしがっちゃってかわいい♡」
「ゆきあくん、わたしたちがきれいにしてあげるからね♡」
「う、うん…。ありがとう…」
こうして、わたしと雪香姉はゆきあくんの手をなめてきれいにしました。
読んでいただきありがとうございます。
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