#85 心音の家でポッキーゲーム ☆
翌日、ぼくと心愛さんは心音さんの家に遊びに行った。
「お、お邪魔します」
「お邪魔します」
「あ、心愛ちゃん、ゆきあくんいらっしゃーい」
「お久しぶりです」
「こんにちは」
心音さんの家に行くと、彼女のお姉さん、心実さんが出迎えてくれた。
「ふふっ、ゆきあくんは久しぶりだね。全然会ってくれないから、わたしさみしかったんだよ~」
「うっ、すみません…」
「謝らなくていいよ~。心愛ちゃんもありがとね」
「いえ、大丈夫ですよ~」
「あ、ゆきあくんに心愛ちゃん。早くあたしの部屋に行こう~!」
すると心実さんの声に反応したのか、家の中から心音さんが出てきた。
「あら、心音。もう少し2人と話したかったのに。特にゆきあくんとはね」
「もう心実姉ってば~。ほら、2人とも行こう~」
心音さんはそう言うと、ぼくと心愛さんの手を引いた。
「うふふ、仲良くしててね~」
心実さんは、笑顔で手を振っている。
「それにしても心音さんの家に来たのもいつぶりだろう?」
「確かにねー。ゆきあくん、あたしの家に来ていいって言ってるのになかなか来てくれないんだもん」
「う、うん…。心愛さんの家もだけど、何だか恥ずかしくて…」
ぼくは顔を赤くしながらそう言った。
「もうゆきあくんってば~。わたしたち、幼馴染なんだから、もっと頼ってもいいんだよ」
「心愛さん…。分かったよ」
心愛さんはぼくにそう優しく言ってくれた。
「そういえばわたし、心音やゆきあくんと遊んでみたいゲームがあったから持って来たんだけどやらない?」
「ゲーム? いいね、何てゲームなの?」
心音さんがそう言うと、心愛さんはポーチの中からポッキーを持ってきた。
「え~、心愛ちゃん!? ポッキーゲームやるの!?」
「うん、そうだよ~」
「ポッキーゲーム?」
ぼくはポッキーゲームがどんなのか分からなかった。
「ポッキーゲームは、ポッキーを折ったり、口から離さないようにして食べるんだよ~」
「簡単そうだね~」
ぼくは心愛さんにポッキーを受け取って、そのまま食べた。
「あっ…」
「あっ…」
「これでどう?」
「違うよゆきあくん~。ほんとは2人で食べっこしあうものだよ」
「あれ、そうなの!?」
どうやらポッキーゲームは2人で両方からそれぞれくわえて、徐々に食べ始めるゲームらしい。
「それじゃあ、まずはわたしからでいい?」
「良いよー」
「それじゃあゆきあくん、そっちくわえて」
「分かった」
心愛さんに渡されたポッキーの端を口にくわえた。
そして心愛さんは反対側の端を口にくわえた。
「それじゃあ目を逸らしちゃいいけないからね。あ、あと負けた方は勝った方の言う事を1つ聞くことね」
―ちょっと待って!?
ぼく、そんなの聞いてないんだけど…。
心愛さんはゆっくりとぼくのことを見ながらポッキーを食べ徐々にぼくとの距離を詰めてきた。
―あれ?
これって最後…、食べ切れたらそのまま唇がくっついてチューするってこと!?
どうしよう!?
ルール分かったら、緊張しだしてきた。
心愛さんはそのまま食べ進め、やがてぼくの唇に柔らかい感触があった。
どちらも離さなかった結果、ぼくと心愛さんはキスをしていた。
そしてそのまま心愛さんは、舌を入れてディープキスをした。
「うふふ、ゆきあくんと初めてキスしちゃった♡」
心愛さんは顔を離して、舌を出しながらうっとりしていた。
「す、すっごく恥ずかしい…!」
「ゆきあくんとキスするためにやったかいがあったよ~」
心愛さん、もしかしてそれが目的!?
「いいな~、心愛ちゃん。次はあたしたちだよ~」
心音さんはそう言うと、ポッキーを1本取り出して、ぼくの口にくわえさせた。
そして、心音さんも反対側の端をくわえた。
どうやら今度は、心音さんとやるみたいだ。
「それじゃあ…。よーい、ドン」
心愛さんのかわいらしい合図とともに、ゲームが始まった。
目の前には心音さんの顔があり、ドキドキしながらも、少しずつ食べ始めていった。
徐々にぼくと心音さんの距離は近くなってきている。
「は、恥ずかしすぎて無理だよ~!」
「勝った~」
「心音、すごーい!」
「え? あ、負けちゃった」
ぼくは最後の最後で恥ずかしくなってしまい、思わず離してしまった。
「これで罰ゲーム決定だね」
「うん、心愛ちゃん」
「どうしたの心音?」
「せっかくだから一緒に罰ゲーム考えない?」
「うん、面白そう。一緒に考える」
心音さんは、心愛さんと一緒にぼくへの罰ゲームを考えることにした。
「どうしようかな?」
「あっ、じゃあキス出来なかったから、あたしもゆきあくんにキスしていい?」
「うん、良いよ。わたしだけしちゃうのも心音に悪いからね」
ぼくへの罰ゲームは心音さんとのキスになったみたい。
「い、いくよゆきあくん?」
「う、うん…」
心音さんは顔を赤らめながらもぼくにキスした。
心音さんも舌を入れたディープキスだった。
少しの間キスを続けた後、心音さんが顔を離した。
「は、恥ずかしいよ~」
「うふふ、良かったね心音」
「うん。ゆきあくんとキス出来て嬉しいけど…。恥ずかしいよぉ」
「よしよし」
心音さんは心愛さんに抱きしめてもらい、恥ずかしそうにうずくまっている。
「ねえ、そろそろ別の事しない? 何する?」
「何言ってるのゆきあくん? 罰ゲームはこれからだよ~。ね、心音?」
「うん、ゆきあくん逃がさないよ~」
「えっ?」
心愛さんと心音さんはぼくの上に乗っかった。
「ふ、2人とも!?」
「わたしたち2人でゆきあくんをイジメちゃうよ~」
「ごめんね、ゆきあくん。あたしたちもゆきあくんイジメたいの」
「ゆきあくん、ほっぺなめちゃうよ~」
「あたしたちのペロペロだよ~」
ぼくは、2人のされるがままにペロペロされることになった。
「ど、どうかなゆきあくん? き、気持ちいい?」
「う、うん…」
「うふふ、良かった~」
「ゆきあくんに喜んでもらえて嬉しい…」
2人はそう言うと、にっこりと微笑んだ。
2人のそんなかわいい笑顔にぼくはドキッとした。
「ゆきあくん、どうかしたの?」
「い、いや何でもない」
「ゆきあくん、ひょっとして照れてる?」
心愛さんはそう言うと、ぼくのほっぺを指でつっついた。
それを見た心音さんも真似して反対のほっぺを指でつっついた。
「ゆきあくん、好き…」
「ゆきあくん、好き♪」
「心愛さん…。心音さん…」
2人に好きと言われて、ますますドキドキした。
「えいっ」
「えーい♪」
心音さんと心音さんは、ぼくに抱きついてきた。
いい匂いのする2人に抱きつかれてぼくはめちゃくちゃドキドキしていた。
ぼくは、心愛さんと心音さんに大切にされてるんだなー…。
そんなことを感じた1日だった。
「ゆきあくんどう? わたしたちに抱きつかれて嬉しいでしょー」
「ゆきあくん、あったかくて気持ちいいよ~」
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