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#82 ババ抜き勝負 ♡

午後の時間は、葵ちゃんもやってきて、みんなで遊ぶことになった。

「みんなでババ抜きしませんか?」

「ババ抜きね~」

「やろうやろう」

というわけで、子どもたちみんなでババ抜きで遊ぶことになった。


「わたしは見てるだけにしておくね~。みんなで楽しんでね♪」

『は~い』

わたしはみんながババ抜きしているところを見守ることにした。


―だけど、ババ抜きの結果はいつもこうなってしまう。


「う~ん…」

ゆきあくんと葵ちゃんが抜けて、心愛ちゃんと心音ちゃんが残っている。


「これだー!」

「あっ!?」

「やったー、あがりー♪」

心音ちゃんが抜けて、心愛ちゃんが最下位になった。


「うーまた負けたよー」

「心愛さん、ババ抜き弱いですね…」

「昔からババ抜きはよく負けるんだよー…」

心愛ちゃんはゲームが得意だけど、ババ抜きだけは苦手だった。


「心愛ちゃんっていつも、ジョーカー引きそうなときは、笑顔になっていて、それ以外のカードを引きそうなときは、びくびくしてるから分かりやすいんだよー」

「そ、そうだった…!? うー感情が出過ぎて困っちゃうよ…」




その後も何回かやっていて、ゆきあくんと心愛ちゃんが残っていた。

「うーん…」

心愛ちゃんがどのカードを引くかを悩んでいる。

ちなみにゆきあくんはずっとびくびくしている。


「これだー! って違―う!?」

心愛ちゃんが引いたのはジョーカーだった。


「うーん…。これ!」

「あっ!?」

次にゆきあくんが引いた。


「あがれたー。良かったー」

「あーまた負けちゃったー!」

「ゆきあくん、1回も負けなしだねー」

「ゆきあくん、ババ抜き強いですねー」

みんなは、何回か最下位になっていたけど、ゆきあくんだけは1回もならなかった。


「いや、それほどでもないけど…」

ゆきあくんは照れながらそう言った。


「わたしが見てて思ったけど、ゆきあくん、どのカードが引かれそうになったときも、ずっとびくびくしてたよね」

「そ、そうだった…?」

「そういえばそうだったよ。だからどのカードが当たりか、わたし分からなかったよ…」

心愛ちゃんはそう言った。


「確かにぼくって結構、びくびくすること多いかも…」

「ふふっ、ゆきあくんらしいけどね」

わたしはゆきあくんにそう言った。


「せっかくだからゆきあくん、わたしに何かお願いしてもいいよ…」

「えっ、心愛さんに?」

「うん」

ゆきあくんが心愛ちゃんに何かお願いすることになった。


「そういえば心音さんと話したんだけど、今度心音さん家で遊ばないかな?」

「それがお願い事?」

「あっ、ダメかな?」

「うん、良いよー。心音の家にも最近行ってないしね」


「ありがとう心愛ちゃん。そうだ、その前に心愛ちゃん家で遊ぶのでもいいかな?」

「うん、良いよー。お姉ちゃんも2人に会いたがってるよー」

「うん、分かった」

みんなで心愛ちゃんや心音ちゃんの家で遊ぶことになったみたいです。


「そうだ、香織姉や葵さんも遊びに行く?」

「わたしは遠慮しておくよ。3人で楽しんで欲しいな~」

「わたしもそうします。幼馴染同士で楽しんでくださいね」

「そう? 分かった」

わたしと葵ちゃんはゆきあくんたちにそう伝えた。




「今日もありがとうね。ゆきあくんと遊んでくれて」

「はい、また今度お邪魔しますね」

「それじゃあまたねー」

「また会いましょう、ゆきあくん、香織さん」

「うんまた明日ね」

帰宅時間になり、みんな帰っていった。


「今日も楽しかったね、ゆきあくん」

「うん、そうだね」

「ねえ、ゆきあくん」

「何?」

「えーい」

わたしはゆきあくんにぎゅーとした。


「か、香織姉?」

「うふふ、今日まだいちゃいちゃしてなかったからね。ゆきあくん、気持ちいい?」

「う、うん…。やっぱり香織姉と一緒だと落ち着く…」

「もうゆきあくんってば~」

少しいたずらしちゃおうかな~?


「えい」

「か、香織姉!?」

ゆきあくんのほっぺをつまんだ。

そして、わたしは笑顔でこう言った。


「ゆきあく~ん。わたしからのいたずらだよ~」




読んでいただきありがとうございます。


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