#80 心音と映画デート ※心音視点
今回、心音視点でお届けします!
「映画♪ デート♪ ゆきあくんと映画デートだー」
あたしー黄瀬心音は、水瀬家の前でゆきあくんを待っているよー。
今日は、ゆきあくんと映画を見る日なんだー。
昨日は、楽しみすぎて眠れなかったよ~。
「心音さん、お待たせー」
「あっ、おはよー、ゆきあくん」
ゆきあくんがやってきた。
「心音さん、その服?」
「ふふっ、どうかな?」
あたしは今日、白のタートルネックと赤いスカートで黒タイツを履いて、少し大人っぽいコーデにしてみた。
「う、うん…。かわいいよ…」
「あ、ありがとう…。えへへ」
あたしはゆきあくんにそう言われて照れた。
「そういえば何の映画見るの?」
「今日までのチケットだから行ってから決めようと思って。ゆきあくんは何か見たいものある?」
「う~ん…。ぼくは心音さんが見たいものがあればそれにするよ」
「本当!? あたしは、魔法少女アニメを見たいんだけど、いいかな?」
「良いよ。それにしよう~」
というわけで、ゆきあくんと魔法少女アニメ映画を見ることになった。
あたしたちは、ショッピングモールの映画館に着いた。
「11時からか~。少し時間あるね。早いけど、どこかで食べる?」
「あっ、あたし、お弁当作ってきたんだけど…。食べる?」
「心音さんが作ったの!?」
「うん、簡単なサンドイッチだけど…」
「心音さん、料理出来ないんじゃ…」
「もう! あたしだってサンドイッチぐらい作れるよー!」
「あはは、ごめんごめん」
「ふふっ、ゆきあくんってば…。それで食べる?」
「食べる、食べる」
「じゃあ、あたしが食べさせてあげる」
「…ん?」
「ほら、あ~ん」
「えっ!? あ、あ~ん…」
あたしは、香織さんがやってるみたいにゆきあくんにあ~んしてみた。
ゆきあくんは、毎日香織さんにあ~んされているせいか、差し出したら戸惑いながらも口を開けて受け入れてくれた。
「もぐもぐ…ん? チーズか?」
「うん。ハムチーズサンドだよ~。ツナサンドもあるからね~」
あたしたちはサンドイッチを平らげて、完食した。
「ごちそうさま。どれもおいしかった~」
「良かった~。あっ、ゆきあくん」
「うん?」
「えいっ」
あたしはスマホを取り出して、パシャっとゆきあくんと2ショットした。
「もう、心音さんってばびっくりしたよ~」
「えへへ、ごめんね~」
「映画面白かったね」
「うん、魔法少女系初めて見たけど、結構迫力あるね」
「うん、だけどびっくりしたよー」
「何が?」
「ゆきあくん、バトルシーンの時、ずっとサイリウム振り回しながら、『うぉ~! 頑張れ~! いけいけー!』って応援してたよね。ゆきあくんってば、子どもみたいでかわいかったよ~」
「ふぇ!? つ、つい本気になって見ちゃってたから…」
「それでこの後、どうしよっか?」
「そうだね…。何か飲んでもいい?」
「いっぱい声出してたからね」
あたしたちは、近くのベンチに座ってゆきあくんはジュースを飲んだ。
「心音さんはこの後、行きたいところある?」
「ゆきあくんがいいなら、お買い物行きたいなー」
「うん、良いよ。あっ、でもランジェリーショップはいかないよね!?」
「えっ、ランジェリーショップ?」
「あっ、き、気にしないで!?」
というわけで、あたしたちは雑貨屋に入った。
「あれ、これって心愛さんの好きなキャラクターだ~」
「本当だねー。心愛ちゃんにお土産で買っていこうか」
「そうだね~」
心愛ちゃんに好きなキャラクターのシールをプレゼントすることにした。
「あっ、これかわいいー」
あたしはうさぎさんのぬいぐるみを見つけた。
「う~ん…。はぁ…」
「買わないの?」
「あんまりおこづかいないからね」
「…ぼくが代わりに買ってあげようか?」
「えっ、いいの!? さすがに悪いよ…」
「ぼくも心音さんにお礼したいから…。お願い…」
「ゆきあくん…。うん、ありがとう」
あたしは、ゆきあくんのご好意で、うさぎさんのぬいぐるみを買ってもらった。
「今日は楽しかったね~」
「うん、そうだね」
あたしたちは、帰宅中、こんな感じでおしゃべりをしていた。
「ねえ、ゆきあくん。今度、あたしの家で遊ばない? 心愛ちゃんも一緒にね」
「うん、良いよ。そういえばいつもぼくん家で遊んでたもんね」
「そうだね。あっ、ゆきあくん」
「どうしたの?」
あたしは、ゆきあくんに近づいて、ゆきあくんの頭をなでた。
あたしの方が、身長高いので、ゆきあくんを少しだけ見下ろす感じになっている。
「えへへ、なでたくなっちゃって」
「心音さんってば…」
ゆきあくんも満更じゃないみたい。
読んでいただきありがとうございます。
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