#79 2人のお願い ☆♡
前半はゆきあ視点、後半は香織視点です。
翌朝になり、目が覚めた。
隣を見ると、葵さんがすやぁと寝ている。
そういえば、葵さんと隣で寝ることにしたんだっけ。
それにしても、葵さんの寝顔かわいいな~。
そう思い、ぼくは思わず葵さんのほっぺを触った。
「!?」
何してるんだ、ぼくは!?
まだ眠っていて良かった…。
リビングに行こうと思い、起き上がろうとしたとき、ぼくの左腕が掴まれた。
「ふぇ!?」
「ゆきあく~ん♪」
小悪魔な笑顔の葵さんが、ぼくの左腕をがっしりと掴んで離さない。
お、起きていたの葵さん!?
全然気づかなかったよ!
「ほっぺ触りましたよね~?」
「…いや、ぼくは何も」
「えーっ、ゆきあくん噓つかないでくださいよー」
「…はい、しました」
「ふふっ、ゆきあくんのエッチ♪」
葵さんはぼくを倒し、その上に乗っかった。
「わたしのほっぺを勝手に触るなんて悪い子ですね~」
葵さんはにやにやしながらぼくを見おろしている。
「許してくれない?」
「許しませんよ~。でも、お仕置きさせてくれたら許しますよ~」
ペロッ。
「ひゃん!」
そう言って、葵さんはぼくのほっぺをペロペロとした。
「は~い、許してあげま~す」
「葵さん、ごめん」
「大丈夫ですよ、ゆきあくん。わたしの方こそ、ゆきあくんをいじめたくなっちゃって、ごめんなさい♪」
葵さんもなんだかんだでドSなんだよね~。
「うふふ、ゆきあくん、顔真っ赤ですよ~」
「そういう葵さんこそ」
お互いおかしくなって、笑い出した。
その瞬間、香織姉がやってきた。
「…あれ、2人とも。顔真っ赤だよ?」
「ちょっとね…。朝食出来たの?」
「うん。今日は目玉焼きだよ」
ぼくと葵さんは香織姉についていき、そのまま部屋から出た。
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「お邪魔します」
「お邪魔しま~す」
「いらっしゃい、2人とも」
朝食が終わり、心愛ちゃんと心音ちゃんが遊びに来た。
リビングでは、葵ちゃんがゆきあくんにすっかりべったりとしている。
「ゆきあく~ん」
「もう葵さんってば…」
「あっ、心愛さん、心音さんおはようございま~す」
葵ちゃんは2人に気付き、挨拶した。
「あれ、葵ちゃん。来てたんだ~」
「はい、昨日はゆきあくん家に泊めてもらいましたから」
「それにしても、葵、すっかりゆきあくんにべったりだね」
「はい、ゆきあくん気持ちいいですから…」
「ふふっ、まあいいけどね。あっ、そうだ! 実はわたし、香織さんにお願いがあって来たんです」
心愛ちゃんはわたしにそう聞いた。
「朝から並ばないと買えないシュークリーム?」
「はい、限定30個で、どうしても食べてみたいんです。でも朝から子どもだけでいくのはダメだってお母さんが…。なので、明日の日曜日ついてきてくれませんか?」
「うん、良いよ」
「ありがとうございます! それじゃあ明日はよろしくお願いしますね」
心愛ちゃんは笑顔でそう言った。
「あっ、あたしはママに映画の無料チケットもらったからみんなで行こうと思ってー。期限が今度の日曜までだから、明日にしよう~」
心音ちゃんはそうお願いした。
「わたしと心愛ちゃんはシュークリーム買いに行くから厳しいかな…」
「ごめんね心音」
「ううん、別に大丈夫だよ」
「わたしは習い事あるので、行けないですね」
「そっかー、葵ちゃんもダメか~」
「ぼくは行けるけど…」
「本当に!? ゆきあくん行ってくれる!?」
「う、うん。2人で行く?」
「良いよ~。ゆきあくんと2人で映画デートだね~」
「ふぇ!?」
心音ちゃんはゆきあくんと映画見ることになったみたい。
「じゃあ明日帰ったら、ここに集合でいいかな、みんな?」
『はーい』
わたしはそう提案した。
「わたしも習い事終わったら来てもいいですか?」
「うん、良いよ~」
「ありがとうございます!」
葵ちゃんにもそう提案した。
読んでいただきありがとうございます。
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