#74 香織姉のジャージ ☆
今日は体育館で体育の授業があったのだけど、今回は香織姉のクラスが校庭でやっている。
バレーボールをすることになり、香織姉のクラスは50m走みたい。
外を覗いてみると、香織姉はジャージを着ていて、チャックは上まで閉めていて、胸の大きさが強調されている。
ズボンの裾も少しだけまくっている。
つい見てしまって、もはや体育の授業どころではなかった。
「どうしたのゆきあくん?」
「ずっと校庭の方、見てない?」
「ふぇ!? な、なんでもないよ」
心愛さんと心音さんがぼくに聞いてきた。
「わたしたちには分かるよ。ジャージ着ている香織さんたちを見てたんでしょ?」
「な、なんで分かったの!?」
2人には見透かされていた。
「ゆきあくん。3人でレシーブ練習することになってるから、あたしたちとやろ~う」
「う、うん分かったよ」
ぼくは心愛さんや心音さんとレシーブすることになった。
…のはいいけど、香織姉が目に入ってしまってほとんど集中出来ていなかった。
「はい、心愛ちゃん」
「はい、心音」
2人がレシーブを続けているなか、香織姉と目が合った。
香織姉はぼくに笑顔で返してくれた。
「あ、ゆきあくん!」
「ふぇ!?」
その時、ボールがぼくの顔面に直撃して、なすすべもなく撃沈した。
「大丈夫ゆきあくん!?」
「う、うん大丈夫だよ…」
2人は心配するもぼくが大丈夫だと分かると、ホッとした。
「まったくゆきあくんってば、ずっと香織さんのこと見てるよね~」
「ゆきあくんってば、なんだかんだシスコンだよね~」
「そ、そうかな!?」
2人はにやにやしながらそう言った。
ぼくってシスコンかな?
「ゆきあくんは自覚ないかもしれないけど、香織さんがいるときはいつもより少しだけ元気だからね」
「後、香織さんにかわいいって言われると、顔を赤くして嬉しそうにしてるよね」
「そ、そんなつもりは…!?」
ないと言いたかったけど、思い当たるので言えなかった。
「でも、シスコンが悪いわけじゃないから。お姉ちゃんがいるのは羨ましいし、ゆきあくんは今のままで大丈夫だよ」
「うん。ゆきあくん、かわいい~」
2人は、笑顔でぼくの頭を優しくなでた。
授業が終わり、ぼくは、後片付けをすることになり、終わったので、体育館から出ると、
「ゆきあく~ん♪」
「うわぁ!」
ジャージを着ている香織姉が出てきた。
「香織姉どうしたの?」
「うふふ、ゆきあくんと話したくて♡ それにゆきあくんってば、ずっとわたしのこと見てたでしょ~?」
「…う、うん。ジャージを着ている香織姉がかわいかったから、つい…」
「か、かわいいかな…?」
「香織姉はかわいいよ…」
ぼくは香織姉に本心を伝えた。
「ありがとうゆきあくん♡ ゆきあくんもかわいいよ」
香織姉は、そう言ってぼくを抱きしめた。
夜中になり、ぼくは今、布団で横になっている。
今日はもう早く寝ようと思い、眠りにつこうとしたら、
「だ~れだ?」
「香織姉?」
「せーいかーい♪」
香織姉がぼくの目を両手で隠して、聞いてきた。
解放して目に入ったのは、ジャージ姿の香織姉だった。
香織姉はぼくを笑顔で見下ろしている。
「…香織姉?」
「…ゆきあくん、ジャージ姿のわたしが好きなんでしょ?」
「…う、うん」
「やっぱりそうだと思ってたけどね」
はっきりと言い当てられてしまい、ぼくは少し目線をそらしたけど、香織姉は笑っている。
「ゆきあくん」
「なに?」
「えい!」
香織姉は、ぼくを倒して、ぼくのほっぺを素足で踏んづけた。
「ちょ、ちょっと!?」
「わたしをエッチな目で見たゆきあくんは踏み潰しちゃいます♪」
「…香織姉、ごめん」
「ふふっ、別に良いよ」
「ところで何でジャージ姿なの?」
「決まってるじゃん。ジャージ姿でゆきあくんと寝るためだよ~」
「へっ!?」
ぼくはびっくりして声が出た。
「というわけだから寝よう~」
そんなわけでぼくは香織姉の胸にうずめられて、そのまま眠りに落ちていった。
翌日、ここ最近で最高の目覚めとなった。
こんなによく眠れた日はない程に体が元気になっていた。
時計を見ると、まだ6時だ。
「…結構早起きしちゃったな」
いつもはぐっすりと寝ているけど、今日は香織姉の朝食準備でも手伝おう、
そう思ってキッチンに行くと、香織姉が炊飯器とにらめっこしていた。
「あ、ゆきあくんおはよう。今日は早いね~」
「目が覚めちゃったからね」
「わたしのジャージのおかげかな?」
香織姉は手を腰に当てて、そう言った。
ちなみに香織姉は今もジャージを着ている。
「そうなのかな…」
「ゆきあくんってば~」
「香織姉、手伝ってもいいかな?」
「うん、ありがとう」
ぼくがそう聞くと、香織姉は笑顔で答えてくれた。
その後に、手を後ろに組んで、ぼくにこう言った。
「ゆきあくんのために家で時々ジャージ着ることにしたから。見たいんだったらわたしに言ってね?」
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