#70 ハッピーバースデー聖来 ☆♡
前半はゆきあ視点、後半は香織視点です。
翌朝になり、ぼくと香織姉はいろいろと準備をしていた。
今日は聖来さんの誕生日で、パーティーを始めるからだ。
「ふ~、大体こんなものかな~」
「うん、いいと思うよ」
一通り、準備は終わった。
「ゆきあくん、手伝ってくれてありがとね♪」
「これくらいなんてことないよ」
そんなとき、インターホンが鳴った。
「誰だろう?」
玄関までいくと、やってきたのは、
「こんにちは、香織ちゃん、ゆきあくん」
聖来さんだった。
「聖来ちゃん!? ずいぶん早く来たね…。パーティーは3時からなのに」
「ごめんなさい、楽しみで待ちきれなくなって来ちゃいました!」
「そうなんだね~。聖来ちゃん誕生日おめでとう♪」
「ありがとう香織ちゃん♪」
「でもそれまでの間、どうする? そうだ、ゆきあくん、聖来ちゃんと一緒に遊ぼう?」
香織姉はぼくに聖来さんと遊ぶよう提案してきた。
「良いんですか? ゆきあくん?」
「うん、今日は聖来さんの誕生日だからね」
「ありがとうございます、ゆきあくん! じゃあ一緒に遊びましょう!」
そんなわけで、ぼくは聖来さんと一緒に遊ぶことになった。
香織姉は買い出しに行った。
「ゆきあくん、わたしかわいいですか?」
「なに? いきなり」
「ゆきあくんがわたしのことかわいいか気になったので」
「うん、かわいいよ」
「ふぁー!? ありがとうございます! ゆきあくんもかわいいですよ!」
今日の聖来さんは、誕生日ということもあってか、いつもより暴走している。
「そういえば昨日も香織ちゃんと一緒に寝てたんですよね」
「なんで知ってんの!?」
「わたしたちのグループに画像が送られてきましたから」
「香織姉、何してんの!?」
「うふふ。わたしたちはゆきあくんが好きですよ」
聖来さんに好きって言われて、顔が一瞬で真っ赤になった。
「ゆきあくん、お願いがあるんですけどいいでしょうか?」
「うん? いいけど何かな?」
「わたし、ゆきあくんに膝枕して欲しいんです」
そう言って、聖来さんは膝をポンって叩いた。
「あっ、タイツ脱いだ方がいいでしょうか?」
「いや、大丈夫だよ。恥ずかしいけど、やるよ」
「ありがとうゆきあくん。だからあなたが好きなんです。大丈夫、安心してください。優しくしますから。ほら、こしょこしょ~」
…まあ、気持ちいいのは間違いない。
「どうですか、ゆきあくん?」
「気持ちいいよ…。でも、何だか眠くなっちゃうな…」
「いいですよ、眠いなら寝て。わたしがちゃんと見てますから」
「…それは流石に悪いよ」
「目を閉じてー、そのままゆっくり呼吸しましょう。リラックス出来ますよー」
聖来さんのいい匂いで、段々気持ちよくなってきて、ぼくはいつの間にか眠ってしまった。
**********************
わたしは、買い出しの帰りにうららちゃんたちと合流して家に帰った。
「ただいまー」
『お邪魔します』
「皆さんおかえりなさい」
「あれ、ゆきあくん寝ちゃってるの?」
ゆきあくんは聖来ちゃんに膝枕されて眠っている。
「聖来ちゃん、ゆきあくんを膝枕してる~!」
「うららちゃんもしますか?」
「ううん、今日はやめとこうかな。今日は聖来ちゃんの誕生日だから」
うららちゃんは気を聞かせて遠慮した。
「ふふっ、それにしてもゆきあくんの寝顔かわいいな~」
「本当、見るだけでキュンキュンしちゃうよ~」
風花ちゃんと水樹ちゃんも微笑ましそうに見ている。
「う、う~ん…」
すると、ゆきあくんは目を覚ました。
「あれ、みんな!? っていうか、ぼく寝ちゃった!?」
ゆきあくんはわたしたちを見て、びっくりして飛び起きた。
「聖来さんごめん! なんか本当に寝ちゃった」
「うふふ、15分ぐらいでしたから、大丈夫ですよ」
聖来ちゃんは笑顔でそう言った。
「それじゃあパーティー始めようか」
「うん、やろうやろう!」
「今日は聖来の誕生日だからね」
「おめでとう聖来ちゃん」
「みんなありがとう!」
みんなで聖来ちゃんの誕生日パーティーを始めました。
「ケーキおいしいですね~。香織ちゃんたちが作ったんですか?」
「うん、わたしとゆきあくんで作ったんだよ~」
「うん。あっ、そうだ。聖来さんにまだ言ってないことがあったんだ」
「なんですか?」
「聖来さん、誕生日おめでとう」
「ふふっ。ありがとうございます、ゆきあくん」
読んでいただきありがとうございます。
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