#68 お姉さんたちのガールズトーク ☆♡
前半は香織視点、後半はゆきあ視点です。
わたしは、今、うららちゃん、聖来ちゃん、風花ちゃん、水樹ちゃんと一緒にカフェに集まっている。
みんなでガールズトークをするためだ。
「そういえば明日聖来ちゃんの誕生日だよね~。みんなでお祝いしようよ!」
「ありがとうございます、うららちゃん」
「そうなんだね。じゃあ明日、聖来の誕生日パーティーしましょう」
「ケーキも用意してあげよう~」
「ふふっ、風花ちゃんと水樹ちゃんもありがとうございます」
そう、明日は聖来ちゃんの誕生日なので、パーティーをすることになった。
「聖来ちゃん、わたしの家でパーティーする?」
「いいんですか?」
「うん。ゆきあくんも一緒だから」
「ありがとうございます香織ちゃん!」
わたしの家で聖来ちゃんの誕生日パーティーをすることになりました。
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ぼくは、雪香姉と一緒に近くにあるカフェに入った。
「ゆきあくん、ここでいいかな?」
「うん、良いよ。カフェに行こうなんて珍しいね」
「たまにはね。ごめん、わたしトイレに行ってくるね」
「うん、分かったよ」
そう言って、雪香姉は席を外した。
「それにしても香織はゆきあくんみたいな弟がいて羨ましいな~」
「え~、そうかな~?」
「そうだよ~。優しいし、とってもかわいい理想の弟だよ」
「うふふ、ありがとう。ゆきあくんが褒められるとわたしも嬉しくなっちゃう♪」
そんな会話が聞こえてきて、声の方を見ると、香織姉たちが喋っていた。
香織姉、ここのカフェでガールズトークしてたのか!?
邪魔しちゃ悪そうだったので、大人しくしていると、
「わたしから質問なんだけど、みんなゆきあくんのかわいいエピソード何かある?」
…いきなり何聞いてるの香織姉!?
思わず水噴き出しそうになっちゃったよ…!
「かわいいエピソード?」
「うん、みんなはゆきあくんのどういうところがかわいいと思っているのか知りたくなったの。いいかな?」
「面白そうだね~! じゃあわたしから話していい?」
「うん、良いよ」
どうやら本当にぼくのかわいいエピソードを話すみたいで、最初はうららさんからだった。
「この前、ゆきあくんと鬼ごっこしたんだ~。わたしが鬼でゆきあくんを追いかけたんだけど、そしたら、ゆきあくんってば全力で走ったんだよ~。だけど、すぐにこけちゃったんだよ。あの時のゆきあくん、かわいかったな~♪」
…ぼくはこっそりと話を聞いているけど、思った以上に恥ずかしい…!
「そんなことがあったんだー」
「ゆきあくんってば子どもみたいでかわいいですね」
「子どもでしょ」
「あっ、そうでしたね」
風花さんが聖来さんにそう指摘した。
「次は聖来ちゃん、何かある?」
「そうですね。わたしはゆきあくんと一緒にゲームしたんですけど、その時、ゆきあくんを膝の上に乗せることにしたんです。だけど、ゆきあくん、全然ゲームに集中出来なくて、上手く操作出来ていなかったんです。わたしにドキドキしちゃってるゆきあくん、かわいかったです♪」
聖来さんの話を聞いて、ぼくは声が出そうになってしまう。
「聖来ちゃんってばやるね~。聖来ちゃん、ゲーム得意じゃないから、ゆきあくんを膝の上に乗せたんだね~」
「ちょっとうららちゃん!? それは言わないでー!」
うららさんにそう指摘されて、聖来さんは、顔を真っ赤にして言った。
「じゃあわたしいいかな?」
「風花ちゃんだね。良いよ~」
「この前、香織の家にお邪魔させてもらったときに、ゆきあくんと2人っきりになったの。わたしがゆきあくんにもふもふしたんだけど、とっても気持ち良かったの~。そこで、香織が帰ってきてゆきあくんが出迎えようとしたの。わたしはゆきあくんをもっともふりたかったから行かせないように強く抱きしめちゃったの。その時のゆきあくんってば、凄い慌てていたの。本当にかわいかったー!」
風花さんの話まで聞いて、ぼくは顔が真っ赤になった。
「そういえばそんなことあったね。もう風花ちゃんってば~」
「ごめんね香織~。次は水樹かな?」
「うん、わたしはね、ゆきあくんをイジメてみたくなっちゃってイジメてみたの。そしたら、ゆきあくんってば、わたしがイジメてる間も気持ち良さそうにしていたの。そんなゆきあくんがとってもかわいくて、ますますイジメたくなっちゃったのー! 香織ちゃんがゆきあくんをイジメたい気持ち分かるよ~」
「ふふっ、でしょ~」
水樹さんがそんな会話をして、香織姉も同意していた。
「まったく水樹ってば、本当にドSなんだから…。最後に香織ね」
「えっ、わたしもいいの?」
「ゆきあくんのかわいいエピソードは香織が一番あるでしょ? 何か聞かせてよ」
最後に香織姉が話すことになった。
「実はこの間なんだけどね…。ゆきあくんとファーストキスしちゃったの…!」
『えー!?』
ちょっと待って…!?
それを話すつもりなの!?
「ゆきあくんと…!?」
「キスですか…!?」
「まさか本当にやるなんて…!?」
「それでどうだったの…!?」
4人とも大変驚いて興奮している。
「ゆきあくんってば、キスした後、顔を真っ赤にしたまま固まっちゃってたの。すっごくかわいかったよ~」
『きゃー!』
みんな、黄色い声を上げて興奮している。
みんなの話を聞いている間、ぼくはずっと顔を真っ赤にして両手で隠している。
「お待たせゆきあくん。ってどうしたの?」
雪香姉が戻ってきて、ぼくの様子を見て驚いている。
「ううん、何でもないよ」
「ふ~ん、そっか」
「あれ、ゆきあくんたち来てたんだ」
すると、香織姉たちがやって来た。
「ふわぁ!? か、香織姉!?」
「あっ、香織もこのカフェにいたんだ」
「うん、ここでみんなとガールズトークしてたの。あっ、みんなこの人がわたしの姉の雪香姉だよ」
「雪香です。香織とゆきあくんがお世話になっているみたいだね。ありがとう~」
雪香姉はそうみんなの前でお辞儀した。
「それにしてもゆきあくん、わたしたちの会話聞いてたの?」
「う、うんちょっとね…」
「ふふっ、ゆきあくんってば~」
そんなぼくを見て、みんな笑ったのだった。
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