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#63 ゆきあの手料理 ♡

「もしもし?」

わたしのスマホが鳴って、電話に答える。

電話の相手は雪香姉だった。


『ごめん、香織。今日、友達の家に泊まることになったから』

「あれ、そうなんだ~」

『って言う事で、ゆきあくんと2人で夜を過ごしてね』

「もう雪香姉ってば~。まあでもゆきあくんの面倒はいつも見てるから任せてね」

『じゃあ、お願いね。明日の朝に帰ってくるから』

そう言って電話はぷつっと切れた。




「ゆきあくん~。今日、雪香姉、友達の家に泊まるみたい」

「あっ、そうなんだ。後、2人と話したんだけど、今日2人を泊めても大丈夫かな?」

わたしはゆきあくんにそう尋ねると、ゆきあくんも心愛ちゃんと心音ちゃんを泊めることにしたみたいでわたしにそうお願いした。


「こんな急にいいかな?」

「うん良いよ~」

「ありがとうございます。あっでも、泊まる用意しに1回家に帰らないとですね…。パジャマとか色々…」

「それならわたしのお下がりがあるから大丈夫だよ」

「分かりました。お世話になります」

心愛ちゃんと心音ちゃんも泊まることになりました。


「香織姉、今日の夕食はぼくが久しぶりに作ってもいいかな?」

「ゆきあくんのご飯!? うんおねが~い」

今日はゆきあくんが夕食作ってくれるみたい。


「そういえばゆきあくん、料理出来るようになったんだね」

「うん! ゆきあくんのご飯は世界一だよ!」

心愛ちゃんが感心しているところで、わたしがそう言った。


「大げさだよ香織姉…。簡単なものしか作れないから…」

「でもゆきあくんの料理食べてみたいな~」

ゆきあくんは照れながらそう言って、心音ちゃんも食べたそうにしている。


「じゃあみんな何食べたい?」

ゆきあくんがリクエストを聞いて、わたしたちは答えた。


「カレー!」

「オムライス!」

「アップルパイ!」

「みんなバラバラだね…。心愛さんもおやつじゃないよ」

「あっ、わたしとしたことがごめんなさい」

そんなやり取りもしつつ、ゆきあくんは夕食を作り始めた。




「みんなのリクエストをまとめてカレーオムライスにしたよー」

「うわぁーおいしそう…!」

「カレーにこの間心愛さんが持って来てくれたりんご入ってるから甘くておいしいよ」

「うわぁー食べよう食べよう!」

ゆきあくんが作ってくれたのは、りんご入りのカレーオムライスです。


『いただきまーす!』

わたしたちは早速食べ始めた。

パクっ!


『おいしーい!』

ゆきあくんのカレーオムライスはとてもおいしかった。


「すごいね! ゆきあくんの料理、本当においしいよ!」

心音ちゃんはゆきあくんの料理に感動している。

心愛ちゃんはよっぽどおいしかったのかパクパクと食べ続けている。


「えっ? そうかな?」

「そうだよ~。香織さんがほめるのも頷けるよー」

「でしょー!」

わたしは思わずそう口にした。


「香織姉もほめ過ぎだよ…。でもありがとう」

「もうゆきあくんってば照れちゃってる~。かわいいー♡」

「もう香織姉ってば、くすぐったいよー」

「うふふ、ゆきあく~ん」

わたしは我慢出来なくなってゆきあくんをもふり始めた。


「2人とも本当に仲良しだね」

「香織さん、本当にゆきあくんのこと好きですよね」


「うん…。大好き♡ ゆきあくん、優しいし、小さくてかわいいんだもん」

「あ、ありがとう…」

わたしがそう言うとゆきあくんは顔を真っ赤にしている。




それからしばらくして、わたしたちは温泉に入っている。

わたしは今、身体を洗っていて、3人は湯船につかっている。

ゆきあくんは心愛ちゃんと心音ちゃんに寄り添われている。


「ゆきあくん…」

「ゆきあくん♪」

「どうしたの2人とも?」


「わたしたちもゆきあくんを甘やかしたいの。ねえ心音?」

「うん心愛ちゃん。わたしたちにおいしい料理食べさせてくれたご褒美だよ~」

そう言って、2人でゆきあくんをもふもふしていた。


「ゆきあくんかわいい…」

「香織ちゃんがゆきあくんにメロメロな理由も分かるよ~」

「もう2人とも…」

ゆきあくんはそう言いながらも、気持ち良さそうにしている。


「ねえ、わたしも混ぜていい?」

「良いですよ」

「もちろん良いよ~」

わたしも混じって、3人でゆきあくんを抱きしめました。




読んでいただきありがとうございます。


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