#56 ショッピングデート ☆
今日からゴールデンウィークだ。
今日は香織姉と一緒にショッピングモールで買い物する事になっている。
ぼくは今、ソファーに座って香織姉の準備が終わるのを待っている。
「ふふっ、香織とのデートだね。ゆきあくん」
「ふわぁ、雪香姉!? デートって!?」
「2人で出かけるんでしょ? だったらそれはもうデートだよ~」
「そうなるのか…。そういえば雪香姉は来ないの?」
「わたしはいろいろやらなきゃいけないことがあるからね。わたしに気をつかわないで2人で楽しんできてね」
「うん、ありがとう」
ぼくは雪香姉といろいろ会話をしてると
「お待たせゆきあくん」
香織姉が2階から降りてきた。
「ねえ、ゆきあくん、わたしの服どうかな?」
ぼくはファッションセンスがよく分からないけど、香織姉は、白いタートルネックとジーパンを履いていて、ネックレスも付けて、バッグも肩にかけている。
香織姉は、こんな感じでいつも大人っぽいファッションをしている。
「香織姉、とても似合ってるよ」
「うん、ありがとう」
「そういえば香織姉、靴下履かないの?」
「靴下履くの面倒だし、素足でブーツ履きたいから」
「そうなんだね」
香織姉は制服のときは普段タイツ履くのに、私服のときは、靴下を履きたがらない。
「うふふ、ゆきあくん。どうしたのわたしの素足を見ちゃって~」
「へっ、いやなんでも…」
「制服だとタイツを履いてるのに、私服だと素足でいるギャップを感じちゃってるんでしょ~」
ぼくは香織姉に見透かされていた。
「2人ともそろそろ行かないの?」
「あっ、そうだね。行こうゆきあくん。いってきます雪香姉」
「うん、いってきます雪香姉」
「いってらっしゃいゆきあくん、香織」
ぼくと香織姉は近くにあるショッピングモールへと向かった。
「ゆきあくん、いい天気になって良かったね」
「うん、そうだね。本当に素足で直履きしたんだね…」
「どうしたのゆきあくん? わたしが素足でブーツ履いてることに興奮しちゃってる?」
「い、いや…」
「うふふ、帰ったらわたしの素足をたっぷり堪能させてあげるよ…」
「えっ!?」
ぼくは耳元で香織姉にそうささやかれて、声を出してびっくりした。
「ふふっ、かわいい♪ 帰ったら楽しみにしててね、ゆきあくん」
そう言って、香織姉がコロコロと笑った。
ぼくらは今、ウインドウショッピングしながらショッピングモールの中を歩いている。
香織姉が気に入った物を発見すると、寄る感じになっている。
「ねえ、ゆきあくん、あそこ入りたい~」
「え~!? 香織姉、そこはぼくには無理だよ」
香織姉が足を止め、入りたい店があったみたいだが、そこはランジェリーショップだった。
「大丈夫だよ、ゆきあくん。カップルも一緒に入ってるし、わたしたちもカップルみたいなものだから」
「さすがにそれは無理があるでしょ!?」
そう言いながらもぼくは、香織姉と一緒に店の中に入っていった。
それにしても、そこにいる2人の女性がすごい見ているな…。
もしかしたらぼくのこと悪く言ってるんじゃー
「あの子、お姉ちゃんの買い物に付き合ってあげてるのかなー?」
「お姉ちゃん想いでえらいね。かわいい♪」
ぼくの杞憂だったみたい。
「ゆきあくん、これなんかどうかな?」
そう言って、ハンガーに掛けられた、カラフルでひらひらしたブラジャーをぼくに見せびらかした。
「い、いいんじゃないかな…」
ぼくは、そう言ったが、声があまり出ない。
そんなぼくを、いたずらっぽい笑顔で香織姉が見ている。
「じゃあ、これはどう?」
「ふぇ!?」
今度は、なんとスケスケなものをぼくに見せた。
香織姉が付けるとは思えない。
明らかに、ぼくをからかうつもりで見せている。
「あの子、お姉ちゃんにイジメられて遊ばれてるねー。でも気持ち分かるなー」
「見てて微笑ましくなっちゃう~」
さっきの2人の女性が笑いながら生温かい目で見ている。
「もう香織姉、早く出ようよー!」
ぼくは我慢できずにそう叫ぶが
「ダメ、もう少し遊ばせー選ばせてよ」
と言って、動こうとしない。
「今、遊ばせてって言おうとしたよね!?」
結局、ぼくは、カラフルでひらひらした下着に囲まれて、恥ずかしい思いをしたのだった。
「ゆきあくん、付き合わせちゃってごめんなさい。今度はゆきあくんが遊びに行きたいところに行こう」
「本当に? ありがとう香織姉!」
「うふふ、ゆきあくん喜んでてかわいい♪ 何処か遊びに行きたいところあるかな?」
「えっとー、ゲームセンターで遊びたいけどいいかな?」
「良いよ! 一緒にやろう!」
今度はぼくの希望に沿ってゲームセンターで遊ぶことになった。
「香織姉やっぱり強すぎる…」
「ごめんね、わたしちょっと本気出し過ぎちゃった」
レースゲーム、格闘ゲーム、エアホッケーなどいろいろなゲームをやったのだが、結果はー…察してね。
「いい時間だしそろそろ帰ろうか」
「待って香織姉、帰る前にアイス食べてもいい?」
「うんいいよ。それじゃあアイス食べたら帰ろうね」
「うん」
そうしてぼくらはフードコートでアイスを食べた。
「ねえ、ゆきあくん。今日は楽しかった?」
「うん、楽しかったよ」
「わたしも楽しかったよゆきあくん。また遊ぼうね」
「うん、そうだね」
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