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#53 聖来だって構いたい ☆

ある日の帰宅中、ぼくは正門前で帰ってくれる人を待っていた。

そんな中、近くのラーメン屋から出てくる女性を見かけた。


「ふぅ~、ここのラーメン、おいしかったな~」

「あれ聖来さん?」

「ゆ、ゆきあくん!? 一緒に帰ってくれる人を待ってるんですか?」

「うん、ちょっとね」

「それじゃあわたしと一緒に帰りましょう!」

「うん」

ぼくは聖来さんと合流し、一緒に帰ることになった。


「あそこでラーメン食べてたの?」

「はい、まだご飯時じゃないですけど食べたくなっちゃったんです」

「そうなんだね」

「もし良かったらゆきあくん家に遊びにいっていいですか?」

「いいよ。もうこのまま行く?」

「はい、そうします!」

そんなわけで、聖来さんと家へ帰った。




「ただいま~、香織姉はまだ帰ってないみたい」

「そうですね」

聖来さんを家へ招き、リビングで2人でいる。


「ゆきあくん。一緒にゲームをしませんか?」

「うん、そうしようか」

聖来さんと一緒にゲームをやることになったーだけど…、

「聖来さん、何してるの?」

「もう何言ってるんですか、ゆきあくん? ゲームに決まってるじゃないですか~」

聖来さんは笑いながらそう言った。

いや、確かにこれから格闘ゲームを始めるところだけど、ぼくが聞きたいのはそうじゃない!


「何でぼく、聖来さんの膝の上に乗ることになってんの!?」

「うふふ、ハンデですよ」

「どっちがどっちに対しての!?」

「もちろんわたしがゆきあくんに対してのです。わたしのゲームの実力は知ってますよね?」

「自信満々に言ってるけど、ぼくと聖来さんのゲームの実力は同じくらいだよね!?」

とてもじゃないが、ぼくも聖来さんもゲームの実力はエンジョイ勢並みである。


「だってわたしもゆきあくんとイチャイチャしたいんですよ~! みんなずるいですよ~!」

聖来さんが駄々をこね始めた。


「お願いします、ゆきあくん! じゃないとビンタしちゃいますよ~?」

「わ、分かった! やるから!」

「ふふっ、ありがとうございます!」

何が何でもこの体制でやりたいらしく、ぼくは諦めてやることにした。

ゲームに熱中したら、気がまぎれるかな~?


「今日はわたしの実力をゆきあくんに教えてあげますよ~」

なんて言われたけど、苦戦したのは聖来さんのゲームテクニックではなく、常に当たるやわらかな感触と、いい匂いがして、全くといっていいほど集中出来なかった。

香織姉程じゃないけど、聖来さんもどこがとは言わないが大きいんだよな~!


「うふふ、どうしたんですかゆきあくん? もしかして集中出来てないんじゃないですか~?」

「や、やっぱりこれは刺激すぎるよ…!」

「もうゆきあくんってばかわいいですね~。わたしもゆきあくん好きですよ」

「ふわぁー!」

天然なのかなー!? 天然なんだろうなー。

聖来さんはこんな感じでちょくちょくぼくのことを誘惑してくる。




「ふふっ、大丈夫ですかゆきあくん?」

「大丈夫じゃないよ…」

ゲームが終わり、そのままぼくは聖来さんに後ろから抱かれている。

ちなみに何回かやったのが、ぼくは1回勝っただけで、それ以外は全部聖来さんが勝っている。

1回勝てただけでも凄いと思おう!


「ゆきあくん、わたしが勝ったから罰ゲームしちゃいましょうか」

「罰ゲーム?」

「ビンタです。わたし、ゆきあくんにビンタします!」

「えっ、どうして!?」

「わたしもゆきあくんビンタしたいんですよ~! 香織ちゃんから聞きましたよー! 友達にビンタされる遊びしてたじゃないですか~。わたしにもビンタさせてくださいよ~」

いやいや香織姉、何で聖来さんにそれを言ったんだ!?


「分かったから、いいよビンタして」

「本当ですか!? ありがとうございます! じゃあいきますよ~」

そんなわけで聖来さんは立ち上がり、ぼくのことをビンタした。


「えい!」

パシィン!

「うふふ~わたしのビンタはどうでしたか?」

「す、少し痛いなー…。でも、気持ちいいよ…」

「良かったです。ねえゆきあくん」

「何かな?」

「わたしにももっと構ってくださいよ~。わたしもゆきあくんと遊びたいんですから~」

「うん」

聖来さんはずっとぼくの肩に頭をのせている。


そんな中で香織姉が帰ってきた。

「ただいま~。あれ、聖来ちゃん、ゆきあくんと遊んでたんだ~」

「おかえり香織姉」

「お邪魔してます香織ちゃん」


「ふふっ、ゆきあくん顔赤くしてるけど大丈夫~?」

「ふぇ!? な、なんでもないよ…!」

「そう? じゃあ何して遊ぼうか?」

「香織ちゃんとゲームしたいんですが大丈夫でしょうか?」

「うん、いいよ! 一緒にやろう~」

というわけで3人でゲームをすることになったが、香織姉のゲームテクニックは凄い上に、ぼくは今度は香織姉の膝の上でやることになったので全然集中出来ずボロボロだった。

その後、また聖来さんの膝の上にまた乗ることになり、代わりばんこになってしまった。

もう勘弁して~!




読んでいただきありがとうございます。


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