#52 プリンパーティー ☆♡
前半はゆきあ視点、後半は香織視点です。
日曜日、友達が遊びに来た。
『お邪魔しま~す』
「いらっしゃいみんな」
「あの~、わたし香織さんにお菓子作りを教えて欲しいんですけどいいでしょうか?」
「わたしもお願いします。お菓子を作れるようになりたいです」
なつきさんと葵さんが香織姉にそう頼んだ。
なんでも、2人はお菓子作りを香織姉に教わりたいそうだ。
その中でもプリンを作りたいそうだ。
「そういえば、この前言ってたね。作るのプリンでいい?」
「はい、よろしくお願いします」
「わたしもです」
というわけで、香織姉たち3人でプリンを作り始め、ぼくと心愛さん、心音さんは部屋でゲームをしたり、漫画読んだりしている。
「あれ、そういえばふゆかさんは?」
そういえば見かけないと思ってたけど…。
「なんかお菓子買ってくるから遅れてくるって」
「お菓子買うの?」
「そうみたい」
…まあお菓子パーティーをやるつもりだと思おう。
「お邪魔します!」
「あ、来た」
噂をすればふゆかさんがやってきた。
「ゆきあくん、お菓子買ってきたわよ!」
「あ、ありがとう。でも、この後プリン食べるけど大丈夫?」
「ゆきあくん達に食べさせようと思って買ったのよ!」
「ふゆかさん…。ありがとう、ちなみに何買ってきたの?」
「え~と、新発売のフルーツポテチがあるわよ」
「フ、フルーツポテチ!?」
…大丈夫、そんなの食べて?
どうしてそれ選んだんだろう?
「…心愛ちゃん、食べる?」
「うん」
ぼくと心音さんはびっくりしているが、心愛さんだけは食べたそうにしている。
「心愛さん、チャレンジャーだね…」
「うん、わたしフルーツ好きだから♪」
「たぶんあれ心愛ちゃんが思ってるような味じゃないよー」
心音さんがそう諭したが、
「きゃー!?」
なんと、ふゆかさんが袋を開ける際にポテチをばらまいてしまった。
「だ、大丈夫!?」
「え、え~大丈夫よ…」
「…ふゆかちゃんってドジっ子だよね」
心音さんがそう言うとふゆかさんは否定した。
「!? わ、わたしはドジっ子じゃ―にゃあ!」
「…にゃあ?」
ふゆかさんは嚙んでしまい、顔を赤らめた。
「後、何買ってきたの?」
「そうね、後は普通のープリンだけ」
「へープリンか~。…ってプリン!?」
「なんでプリン買ってきちゃったの!?」
この後食べるんだけど…。
**********************
「こんな感じで大丈夫でしょうか?」
「うん大丈夫だよ~。2人とも、上手だね~」
わたしはなつきちゃんと葵ちゃんとプリンを作っている。
「ありがとうございます。いつもゆきあくんに作ってあげてるんですよね」
「うん、ゆきあくんのためにお菓子作り始めたみたいなもんだからね~」
「ふふっ、香織さん優しいですね。ゆきあくんが憧れるのも分かるなー…」
「良かったらわたしの妹になってもいいよ?」
「え~良いんですか!?」
なつきちゃんとそんな会話をしていた。
「わたしもプリン作るの初めてでしたけど、香織さんのおかげで上手に作れました」
「ありがとう葵ちゃん」
「あっ、プリン出来ました!」
「良かったねー。じゃあみんなのところに持っていこう~」
『はい!』
わたしたちはプリンを持ってゆきあくんたちがいる部屋まで持っていった。
「プリン出来たよー」
そう言って、部屋に入るとー何故かみんなプリンを食べていた。
「えー! どうしてプリン食べてるの!?」
「ふゆかが買ってきた」
「香織さんたちのプリンがあるから遠慮しようと思ったんだけど、おいしそうだったから…」
「ぼくも…」
心愛ちゃんと心音ちゃんがそう説明した。
ゆきあくんも少し申し訳なさそうに言った。
「も~ふゆかちゃん何してるの~!」
「なつきの分もあるから心配しなくていいわよ?」
「そういう問題じゃないよ~。食べ過ぎたら夕食食べれなくなってお母さんにしかられちゃうよ~」
「うっ!」
なつきちゃんに指摘されてふゆかちゃんも慌てている。
「しょうがない…。プリン食べた子はもう食べちゃダメだからね!」
「えっ、そんな~!?」
「あたしもう食べちゃった…」
「あたしも…」
「わたし食べてません」
わたしがそう言うとみんなが落ち込んでるなか、心愛ちゃんだけしれっと噓ついた。
「心愛ちゃん…。しれっと噓ついてもダメだからね。食べてたよね」
「あれくらい食べた内に入りません!」
「心愛ちゃんの腹加減は知らないよ~」
そんなわけでわたしたちはプリンを食べ始めた。
「わ~すごくおいしいですね~」
「…うん、ちゃんとおいしく出来たね」
「香織さんすごいです」
なつきちゃんと葵ちゃんと一緒に作ったプリンはおいしかった。
「ごめんね、みんな…。あたしのせいで…」
「ううん、ふゆかさんは悪くないよ…」
「食べちゃったあたしたちにも責任あるからね」
「みんな…。ありがとう…」
ゆきあくんたちはさっきプリン食べてたので、夕食食べれなくならないようにプリンを食べさせないようにしてるんだけど…。
…さっきからゆきあくんと心愛ちゃんがわたしのことすごい見てくる。
「香織姉、少しだけ食べさせて…」
「香織さん、わたしにもプリンください!」
「…2人とも、だめだよ」
「お願い!」
「お願いします!」
「お、お願いされてもだめだからね…!」
「…だめ?」
「…どうしてもですか?」
ゆきあくんは泣きそうな顔になって、心愛ちゃんもしょんぼりした顔で見つめてきた。
う~、そんな顔されたら心が痛むよ…。
「…もうしょうがないな~。2人とも、1口だけあげるから、元気出して…」
そう言うと2人ともぱっと笑顔になった。
「香織姉ありがとう…!」
「ありがとうございます! 香織さん好きです!」
「もうゆきあくんも心愛ちゃんも大げさだよ~。はいあ~ん」
パクっ!
「…甘くておいしいね!」
「!? おいしいです、香織さん!」
「ふふっ、良かった~」
ゆきあくんも心愛ちゃんも満足そうにしていて良かった~。
「あ~、ゆきあくんも心愛ちゃんも食べてるー!? ずる~い! あたしにも食べさせてー!」
「ふふっ、心音ちゃんってば~。心音ちゃんにもあげるから」
「ありがとう~! あーん!」
「あ、あーん…」
パクっ。
「ん~、甘くておいしいよー!」
「ふふっ、良かった」
心音ちゃんもおいしそうに食べてくれた。
「はい、ふゆかちゃんもあーん」
「食べていいの?」
「1口だけね。みんなも食べてるから」
「ありがとうなつき!」
パクっ!
「おいしい?」
「いつもよりおいしいわね!」
「ふふっ、良かった」
ふゆかちゃんもなつきちゃんに1口だけ食べさせてもらっていた。
「ふ~おいしかった~」
「あっ、ゆきあくんちょっと待って」
「えっ?」
ペロッ。
「ひゃっ!?」
わたしはゆきあくんのほっぺについているプリンを見逃さず、なめてきれいにした。
「香織姉、みんなの前でやめてよ…!?」
「うふふ、ごめんなさい♪ 先にプリン食べた罰だからね?」
わたしはいつものように舌を出してそう言った。
「ご、ごめんね…。でも、ありがとう…」
「どういたしまして、ゆきあくん」
「ふふっ、ゆきあくん相変わらずだね~」
「そうだね~」
「ゆきあくんだけじゃないよ?」
『えっ?』
わたしがそう言うと、心愛ちゃん、心音ちゃん、ふゆかちゃんが驚いた。
「みんなも罰として顔なめてあげるよ~」
「わ、わたしたちもですか!?」
「あ、あたしたちはふゆかちゃんに誘われただけだから…」
「ちょっと心音ちゃん、裏切る気!?」
「だ~め! みんなにお仕置きだから~。ふふっ…」
そんなわけで、わたしはプリンを先に食べちゃった悪い子たちに罰を与えました。
読んでいただきありがとうございます。
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