#43 3姉弟のスープカレーと睡眠 ☆
「今夜はスープカレーかー」
今夜は雪香姉が料理を作ってくれ、カレーライスとは違うスパイシーなスープカレーを作ってくれた。
「あっ、2人とも、ちょっと待っててね。もうすぐでサラダの盛り付けが終わるから」
「うん、ありがとう、雪香姉。じゃあ、ゆきあくん、わたしたちは座って待とう」
「そうだね」
テーブルにはスープカレーとライスが置かれていて、ぼくたちは椅子に座って足をぷらぷらしながら待っている。
やがて、雪香姉がサラダを運んできた。
「お待たせ、じゃあ食べよう」
「うん」
『いただきまーす!』
3人揃ってスープカレーを食べ始める。
スプーンでスープをすくってふーふーしてから口に入れると、スパイシーな香りが口に広がった。
「どうかな?」
「おいしいよ、雪香姉」
「うん、雪香姉の料理は一流だよ~」
「ふふっ、ありがとう」
雪香姉も嬉しそうにしている。
「あっ、わたしのところに大きなお肉がごろんと入ってる~。ゆきあくん、1個あげるね!」
「えっ、あ、ありがとう。じゃあお願い…」
香織姉はお肉をスプーンにのせて、左手を添えてぼくの口に運んだー…うん?
「はい、あーん」
「えーっ!? ま、また? しょ、しょうがないな…」
香織姉が「あーん」と言いながらお肉をぼくに食べさせた。
「ん~、おいしい~」
「あっ、ちょっと待ってゆきあくん…」
香織姉は突然、ぼくのほっぺを「ペロッ」となめてきた。
「えっ、香織姉!?」
「ごめんね、ゆきあくんのほっぺにスープがついてたから」
香織姉はぺろりと舌を出してそう言った。
「もう香織姉ってば…。でも、ありがとう」
「も~う、ゆきあくん本当にかわいい!」
香織姉はたまらずぼくのことを抱きしめた。
「ふふっ、2人とも、本当に仲が良いね。わたしの前でいちゃついちゃって~」
雪香姉は、温かい目でぼくらを見つめている。
それから夜になり、そろそろ寝る時間となった。
「じゃあ、寝るよ香織姉」
「うん、ねえゆきあくん。今日も一緒にいいかな?」
「うん、いいよ」
「雪香姉も一緒だよ!」
「えっ、雪香姉も!?」
どうやら香織姉だけでなく、雪香姉もぼくと寝たいみたい。
「うん、わたしもゆきあくんたちと寝たいの。ダメかな…?」
「う、うんいいよ」
「ふふっ、ありがとうゆきあくん」
そんなわけで、ぼくは2人の姉と一緒にぼくの布団で寝ることになった。
「あの…どうしてぼくが真ん中なの?」
「そんなの決まってるじゃん。ゆきあくんの隣がいいんだもん」
「それにゆきあくんが真ん中だと、わたしも香織もゆきあくんの隣にいれるからね」
「う、うん。分かったよ…」
ぼくは2人に挟まれてるので、ドキドキが止まらない…!
どうすればいいんだ…!
「ゆきあく~ん、もしかしてドキドキして眠れない?」
「へっ、い、いやそんなことは…」
「あるよ」と言えるわけもなく、ぼくはそのまま雪香姉に抱きしめられた。
「ふぁー!? ゆ、雪香姉!?」
「うふふ、ゆきあくんかわいい…。わたし、ゆきあくんのことが好き…」
「ちょっと雪香姉!?」
雪香姉がそんなことを言い出して、香織姉もびっくりしている。
「ごめんね香織。わたしもゆきあくん好きなの。さすがに香織には負けるけど、わたしもゆきあくんをかわいがりたいの…。今だけはお願い…」
「雪香姉…。いいけど、その後はわたしにかわいがらせてね…」
「うん、ありがとう香織。優しい妹だね」
香織姉は納得してくれたみたいだけど、ぼくには権利ないの!?
「うふふ、ゆきあくんあったか~い。わたしもゆきあくんなめちゃおう~」
「えっ、ひゃー!?」
雪香姉にペロッとなめられてしまった。
「うふふ、気持ちよかった~。ゆきあくんってばびっくりしてかわいい…」
「もう雪香姉ってば…」
「ごめんなさい♪」
雪香姉は舌を出して謝った。
ぼくの姉さんは2人そろって天然でドSなんだよね…。
まあ、そこがいいんだけど…。
「こら、今わたしのこと天然って思ったでしょー?」
「えっ、い、いや…」
「ふふっ、冗談よ。もうそろそろ寝るよ」
「う、うんそうだね。お休み雪香姉」
「お休みゆきあくん」
そう言って、雪香姉はすやぁと眠り始めた。
「ふ~、雪香姉には敵わないなー」
「ゆきあくん、次はわたしだよ…」
「あ、うん」
今度はぼくが香織姉にかわいがられることになっている。
「ふふっ、ゆきあくん、雪香姉にデレデレしてたよね」
「で、デレデレはしてないと思うけど…」
「ゆきあくん、噓つくの下手だよね。頭撫でちゃうよ~」
そう言って香織姉はぼくの頭を撫でた。
「うん、気持ちいいよ」
「ありがとう、それじゃあそろそろ寝ようか」
「そうだね。お休み香織姉」
「お休みゆきあくん」
そう言ってぼくと香織姉は寝始めた。
すると不意に香織姉がぼくの耳元で
「ゆきあくん、だ~いすき♪」
とささやいた。
か、香織姉…!?
今のは天然なのか、わざとなのかどっち!?
それからぼくはしばらく興奮して、眠れなくなってしまった。
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