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#40 香織のスマホ ☆

ある休日の朝。

朝食が終わり、ぼくは、今リビングに一人でいる。

香織姉は今、自分の部屋で宿題をしている。

ぼくも一緒にと思ったが、宿題がなかったので、一人で集中させることにした。


「暇だな~」

そんなことを呟いていると、テーブルの上にあるものを発見した。




香織姉のスマホだった。




どうやら部屋に持っていくの忘れたみたい。

「しょうがないな~、香織姉は…」

そう思い、届けようとスマホに手を取ると




ぼくの女装姿の写真が目に入った。




「え~!? なんだこれー!?」

どうやら香織姉は、この前撮られたぼくの女装姿の写真をホーム画面に設定しているみたい。

うぅ~、せめて他のにしてよー…。

そういえば、香織姉、前からぼくの写真をいっぱい持ってるって言ってたけど、どんな写真があるのかな…。

少し確認しちゃおう…。

そう思い、写真フォルダを開くと、「ゆきあくんアルバム」というのがあった。


…ん!?

ぼくは気になって、すぐさま開いてみると、ぼくの写真がたくさんあるではないか…!

…恐らく100枚ぐらいあるのかな?

中には、ぼくがご飯を食べたり、温泉に入っている写真もあった。


「…いや、いつ撮ったの!?」

香織姉に抱かれているのもあるけど、これもどうやって撮ったの!?

誰かに頼んでもらったのかなー?

他にも、いろいろな写真を調べていると、後ろから

「ゆきあく~ん」

という声が聞こえた。


「ふぇ!? ど、どうしたの香織姉!?」

「わたし、スマホをリビングに置き忘れちゃったみたいで…。わたしのスマホ知らない?」

「えっ!? し、知らないよ~…」

「どうしたのゆきあくん? 何だか慌ててるみたいだけど…」

まずい!

ぼくがこっそり香織姉の写真を見てたなんて言えない…!

どうにかしないと…。


「ゆきあくん、怪しい…」

「も、もしかしたら食卓の方にあるんじゃないかな…」

「食卓?」

香織姉は食卓の方へ行き、ぼくがソファーで見つけたということにして、香織姉を呼び戻した。


「あ、あったよ香織姉! ソファーの上にあったよ」

「本当に? 良かったー」

香織姉はスマホが見つかって安堵した。


「でも、ゆきあくんどうだったかな?」

「えっ、どうって何が?」

「わたしの写真を見てどうだったかな?」

「うん、ちょっとびっくりしたけどー…うん!?」

どういう意味なのかと思ったら、香織姉はこの後とんでもないことを言った。


「うふふ、見てたんでしょ? わたしのスマホ」

「え、え~!?」

な、なんで分かったの!?


「だって、ゆきあくん、わたしが来てから怪しかっただもん。それにゆきあくんがわたしのスマホをいじっているところも見てたから」

「えっ!? い、いつから!?」

「わたしがゆきあくんのことを呼ぶちょっと前に見えちゃったの」

「うぅ~そうだったんだ…。で、でも見つかって良かったね! じゃあ、ぼくはこれでー」

「待って」

ぼくは、すぐさま逃げようとしたが、香織姉に捕まってしまった…。


「うふふ、ゆきあくんってばわたしのスマホを勝手に見るなんて悪い子ですね。どうしてわたしのスマホ見たんですか?」

「うぅ~、ぼ、ぼくの女装写真が見えちゃって、ちょっと気になっちゃって…。で、でも温泉に入ってるときの写真とかはどうやって撮ったの?」

「ゆきあくんが気づかないよう、こっそり撮ったんですよ♪ わたしがゆきあくんを抱いてるときは、スマホを置いてタイマーで撮ってるんですよー」

「そ、そうなの!?」

香織姉、そこまでしてぼくの写真が欲しかったの…。

何だかぼくは嬉しくなっちゃうー…じゃなくて!


「ゆきあくん、お仕置きですよ~。今回はゆきあくんを踏み潰しちゃいます」

ぼくは香織姉に好き放題、踏まれてしまうのだった。


「えーい!」

「ふわぁー!」

「えいっ! えいっ! うふふ、ゆきあくん踏み潰すの気持ちいい~! ゆきあくんもわたしに踏み潰されてどうですか?」

「き、気持ちいいけど…もう許してよー!」

「もうしょうがないな~。許してあげる。でももう二度とわたしの許可なく、スマホ見ちゃだめだからね♪」

「は、はい…」

やっぱり香織姉は怒らせたら、怖いね…。

本当は怒ってないのだろうけど…。


「そういえば、他にも知らない写真あったけど、ぼくに頼んで撮ってもいいよ」

「え、いいの…? でもゆきあくん写真撮られるの好きじゃないでしょ?」

「そうだけど、香織姉がぼくの写真を撮りたいって気持ちはちょっと嬉しかったから…」

「本当に…!?」

「でも、温泉では撮らないでね」

「あ、うん、それはごめんね。じゃあ、1つお願いがあるんだけど…」

「何?」

「ゆきあくん、わたしと2ショットしてくれませんか?」

どうやら香織姉はぼくと2ショットしたいみたい。


「うん、それくらいなら良いよ」

「本当? やったー! 本当は前からお願いしたかったんだけど、ゆきあくんは嫌がるかと思って頼めなかったの」

「うっ、何かごめん…」

「謝らなくていいよ。じゃあ撮るよー」

香織姉はタイマーセットして、ぼくが香織姉に後ろから抱かれている感じで2ショットした。


「わ~ゆきあくんとの写真だ~。100枚目にピッタリだよー!」

どうやらぼくの写真はこれで100枚目らしい。


「ねえ、ゆきあくんこれを待ち受けにしていい?」

「う、うん。女装にするよりは全然良いよ」

「ありがとうゆきあくん! わたし嬉しいよー」

香織姉が喜んでくれて、ぼくも嬉しい。




読んでいただきありがとうございます。


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